海上でのローデ・シュワルツのソリューション。適切な波長を選択

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海上でのローデ・シュワルツのソリューション。適切な波長を選択

世界の海の安全性を高めセキュアな状態を実現するローデ・シュワルツの偵察および通信ソリューション

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Updated on 7月 12, 2023 🛈
Originally published on 9月 03, 2019

世界の人々に商品を供給するためには、自由で安全な海上貿易経路が欠かせません。これらの経路を防護することは、世界中の海軍の主要な任務の1つです。ローデ・シュワルツの通信/偵察ソリューションを使用すれば、こうした任務も容易に行えます。

石油、液化天然ガス、フラットスクリーンモニターなど、船舶によって海上輸送される物品は枚挙にいとまがありません。海上輸送は他の輸送方法よりも大幅に費用が安いため、国際貿易の約90 %で用いられています。海洋は物品輸送の最も重要な経路なのです。

このような国際貿易のライフラインを保護することは、国際社会の責務です。海賊行為やテロリズムなど、海上の安全と自由に対する脅威は、供給と安定性に関する重大な問題を引き起こし、沿岸諸国の主権を脅かすからです。

HMAS Ballaratの乗船部隊が、違法な麻薬を密輸している疑いがある船に乗り込んで旗の検査を行っています。

海上でのシナリオ例

インド洋上のフリゲート艦。任務:国際貿易ルートの保護。未確認船が艦橋から視認されるはるか前に、艦載偵察システムがいくつかの不審な通信信号を検出します。方向探知測定により、2席の未確認船が互いに接近し、2時間にわたって並んで停泊した後、別々の方向に進行したことがわかります。密輸船でしょうか?

船長は、国際通信システムを通じて作戦室と相談します。作戦室では、すべての受信データを受け取って、現在の共通作戦状況図(COP)を作成します。司令官は、信号源に向かって進路を取ることを決定します。目視偵察のために艦載ヘリコプターが飛び立ちます。作戦の参加者は、暗号化されたセキュアな無線リンクを通じて常時連絡を取り合います。追加の指令を受けるため、観察された事象の静止画と動画、および状況報告が、セキュアな通信チャネルを通じて艦隊司令部に送られます。

セキュアな艦上通信および偵察のためのシステム。

セキュアな艦上通信および偵察のためのシステム

ネットワーク中心の作戦を行うには、海軍を保護し、音声、画像、COPデータをほぼリアルタイムでセキュアに交換するための偵察および通信ソリューションが必要です。これらのソリューションは、海軍船舶内の通信と、統合作戦の場合、船舶間、船舶/航空機間、船舶/陸地間の通信に用いられます。

ローデ・シュワルツのソリューションは、全世界の40以上の海軍に装備されています。情報/セキュリティーテクノロジー分野のマーケットリーダーであり、海軍ビジネスに関する数十年の経験を持つローデ・シュワルツは、海上/海中の海軍通信および偵察用の効率的なシステムソリューションを提供しています。

セキュリティー上重要なPCBチップから、一体型無線機、高性能アンテナまで、ローデ・シュワルツは、すべての重要なコンポーネントを一社で生産しており、海軍や沿岸警備隊向けのターンキーソリューションを提供しています。

同社のサービスとしては、計画段階からの船舶設計への協力、システムの製造、配送、船体への取り付け、作戦段階でのオンサイトサービスなどがあります。

NAVICS®

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セキュアな艦上通信に関するすべてを提供

堅牢なエンドツーエンドの暗号化通信ソリューションは、ソフトウェア定義無線を主体としています。これらのソリューションを使えば、HFおよびVHF/UHF周波数レンジでの音声およびデータ通信を、複数のセキュリティレベルで、さまざまな距離を対象に実行できます。

すべての艦上通信のハブとなるのは、NAVICS® 統合通信システムです。このシステムは、艦上の音声端末やその他すべてのサブシステムを相互接続し、内部と外部の通信を一様なIPネットワーク経由で実現します。このシステムはまた、すべての無線ラインおよび周波数を管理し、メッセージ交換に優先順位を付け、接続された通信機器を制御します。マルチレベル・セキュリティー・アーキテクチャーにより、セキュアで信頼性が高く、盗聴に強い通信を実現できます。

艦上でのできるだけ自由な移動を可能にし、柔軟性を高めるため、NAVICS®はWi-Fiに基づく通信システムを提供しています。特殊なアプリケーションと組み合わせることで、スマートフォンをフル機能のモバイル音声端末として利用できます。

情報の入手なしに情報の伝達なし。

情報の入手なしに情報の伝達なし

ローデ・シュワルツのマルチチャネル対応自動偵察システムは、無線機器やレーダー機器が使用している電磁スペクトラム全体を継続的にモニターします。このシステムは、偵察目標の行動と意図に関するデータを提供することで、COP作成に大きく貢献し、海軍の自衛能力を高めます。

統合アンテナシステムにより艦上の混雑を緩和

艦上の混雑を緩和

最大級の船舶であっても、スペースは貴重な資源です。通信、ナビゲーション、偵察、それに兵器やレーダー警戒システムに必要な多数のアンテナは、スペースが不足する原因となります。

ローデ・シュワルツの統合アンテナシステムを使用すれば、艦載アンテナの数を減らすことができます。このシステムは、複数の高性能送信アンテナと、高感度の方向探知および検出エレメントを1基のマストに統合したものです。別の方法として、このシステムを省スペースの内蔵コンポーネントとして多機能マストに組み込むこともできます。無指向性機能と最適化された放射パターンは、着艦する航空機とのスムーズな通信などのために不可欠です。

海軍の保護と連携を近くで支援

海軍の保護と連携を近くで支援

ローデ・シュワルツは、お客様の近くでサービスを提供するために、世界70か国以上に拠点を設けています。当社は独立したファミリー企業なので、お客様と自社に対してのみ責任を負っています。キールにあるR&S Marinesysteme GmbHは、システムソリューションの開発とプロジェクト計画に特化した専門企業です。キールのローデ・シュワルツ従業員のミッションである「セーリングシティ」とは、船舶上のすべてのアクションチェーンを協調動作させることを指します。

海上紛争、海賊行為、国際的犯罪行為、テロリズムなどは、遠い場所で起きていても、自由な海上交通と物品の自由な輸送に直接影響します。ローデ・シュワルツの通信/偵察システムは、海上の安全を守り、国際自由貿易の繁栄に寄与することを任務とする、世界中の海軍の保護と連携に役立っています。

シミュレートされたシナリオ、現実の結果。

シミュレートされたシナリオ、現実の結果

電子計測ソリューションのリーディングメーカーであるローデ・シュワルツは、防衛産業および作戦部隊向けの電子計測機器やテストシステムの開発と製造も行っています。アプリケーションとしては、無線/衛星通信システムのテスト、衛星ナビゲーション、レーダーセンサ、システム統合、EMCテストが挙げられます。

ローデ・シュワルツの電子計測ソリューションを利用すれば、戦闘地域や外洋への配備のはるか前に性能の信頼性を検証できます。例えば、多機能レーダーをテストする場合、信号発生器を使用して、きわめて複雑な現実の配備シナリオをシミュレートします。これにより、レーダーシステム全体の性能を、開発の早い段階で、保護されたラボ環境内でテストできるので、開発と配備のリスクを大幅に軽減できます。

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