広帯域パワー・センサによるレーダー信号の解析

高いサンプリングレートと自動パルス解析に対応したR&S®NRP-Z8x 広帯域パワー・センサはレーダーパルスのタイムドメイン解析に最適です。

NRP-Z8x 広帯域パワー・センサは、最大44 GHzの高い時間分解能でレーダー信号を解析します。
R&S®NRP-Z8x 広帯域パワー・センサは、最大44 GHzの高い時間分解能でレーダー信号を解析します。
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課題

レーダー装置の敷設、保守、製造、研究開発では、パワー測定を行う必要があります。パワーエンベロープの解析は特に重要です。ピーク/トップパワー、立ち上り/立ち下りの時間、パルス幅、パルス周期などのパルスパラメータを高い精度と速度で測定する必要があります。

目的は、タイムドメインでレーダー信号のパルス形状を正確に再現することにあります。これを達成するには、パワーディテクターがすばやく変化する信号エンベロープに追従できる必要があります。例えば、広いダイナミックレンジでレーダーパルスの立ち上がりエッジと立ち下がりエッジをナノ秒のスケールで現実に即して表す必要があります。

主要なパルスパラメータ
主要なパルスパラメータ
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電子計測ソリューション

R&S®NRP-Z8x 広帯域パワー・センサは、パルス信号や変調信号の解析に最適です。80 Mサンプル/秒という高いサンプリングレートにより、レーダーパルスのパワーエンベロープを12.5 nsの時間分解能で再現することができます。等価時間サンプリング手法と補間を使用して、有効時間分解能を2桁向上させることができます。また、センサの自動パルス解析機能により、15種類の重要なパルスパラメータを自動的に測定することができるため、テストが大幅に簡素化されます。

現在、広帯域パワー・センサ・シリーズは、最大18 GHzの周波数に対応するN型コネクタを備えたR&S®NRP-Z81 センサと、最大44 GHzの周波数に対応する2.92 mm/2.4 mmコネクタを備えたR&S®NRP‑Z85/R&S®NRP‑Z86 センサで構成されています。

30 MHzのビデオ帯域幅に対応しているため、これらのセンサでは50 nsの狭いパルス幅でレーダーパルスを解析できます。これらのセンサは測定時間が短く、ダイナミックレンジが広いという特徴があり、パワーエンベロープ測定の場合で-47 dBm、アベレージパワー測定の場合で-60 dBmという測定下限に対応しています。

これらのセンサは、特定のベースユニットに接続する必要はありません。これらは、R&S®NRP2ベースユニット、Rohde & Schwarzの各種測定器、およびPCからUSB経由で制御できます。R&S®Power Viewer Plus PCソフトウェアおよびさらに強力なR&S®NRPV仮想パワー・メータ・ソフトウェアでは、使いやすいグラフィカル・ユーザー・インタフェースを利用して、センサの制御や測定結果の表示を行うことができます。

R&S®NRP-Z8x センサにより、パルスレーダー信号の解析が大幅に簡素化されます。トレース測定モードでは、信号のエンベロープパワーが時間の関数として表示されます。また、自動パルス解析機能では、時間対パワーの重要なパラメータの数値結果が提供されます。この自動解析は、非常に高速でシンプルです。また、ゲート測定や統計解析(CCDF、PDF)を実行することもできます。

測定のトリガには、外部信号または測定信号そのもの(内部トリガ)を使用できます。センサの内部トリガ信号を出力して、R&S®NRP2ベースユニットやR&S®NRP-Z5 USBセンサハブ経由で他のセンサをトリガすることができます。これにより、レーダーシステムの異なる複数のポイントで同時並行で実行される複数の測定を同期することができます。また、低いパワーレベルを示す信号のトリガ測定を取得することもできます。

高速連続サンプリングと強力なデジタル信号処理を兼ね備えているため、R&S®NRP-Z8x センサは変調方式に関係なく信号を高い分解能で測定できます。R&S®NRP-Z8x 広帯域パワー・センサは、現在および将来の測定タスクに必要な最新のテクノロジーを備えていて、機能性、サイズ、価格のすべてにおいて優れた製品です。これらのセンサは、RFおよびマイクロ波レーダーのパルス信号での測定に最適です。

エンベロープパワーの測定値の表示
時間対パルス信号のエンベロープパワーの測定値の表示(自動パルス解析のパラメータを使用)。
アプリケーション例
アプリケーション例

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