車載用レーダーのアンテナパターンの測定

車載用レーダーのアンテナパターンからは、レーダーの開発と検証で極めて重要な、さまざまな情報が得られます。

ハードウェアセットアップ

/

ハードウェアセットアップ

課題

アンテナパターンは、開発および検証中に車載用レーダーで測定する重要な特性です。アンテナパターンから、ハーフパワービーム幅（HPBW）、ピーク対サイドローブ比（PSLR）、アンテナ利得、感度など、多くの特性を導出することができます。

正確で疑う余地のない、信頼性の高い測定値を取得するには、遠方界条件を満たす必要があります。79 GHzで動作する、開口サイズ15 cm以上の車載用レーダーの数が増えると、12 m以上の測定距離が必要になるため、この条件を満たすことが困難になります。

もう1つの難点は、完全な3Dアンテナパターンを高解像度で測定するには、非常に時間がかかる点です。測定時間が長いだけでなく、測定のセットアップと、すべてのコンポーネントの位置決めの適切性の確認にも、かなりの時間を要します。

ローデ・シュワルツのソリューション

ローデ・シュワルツは、この作業に最適なシステムを提供できます。コンパクトな可動式の電波暗室の形で提供され、車載用レーダーテストのニーズに合わせて調整されています。システムは、R&S®ATS1500C 車載用レーダーセンサ向けのアンテナ・テスト・チャンバー、R&S®AREG100A 車載用レーダーエコー発生器、R&S®NRP8S 3パス・ダイオード・パワー・センサで構成されます。このシンプルなセットアップで、遠方界条件を満たす高品質のアンテナパターン測定が行えます。

R&S®ATS1500C アンテナ・テスト・チャンバーには、大きなクワイエットゾーンを提供するプレミアムCATRリフレクターが含まれており、DUTの位置が多少変動してもCATRの測定結果に影響しないため、セットアップを簡単に短時間で終了できます。チャンバーは、30 cmまでの開口サイズの車載用レーダーに対応できます。アンテナパターンは、R&S®AREG100Aの校正済みパスを経由して高いダイナミックレンジのパワー・センサを使用して測定できます。

3Dチルト-チルトポジショナーのおかげで、被試験レーダー（RUT）のアンテナ偏波と、フィードアンテナの偏波との一致が常に保たれます。このため、高速なアンテナパターン測定を品質の低下なしに実行することができます。