Application Notes

R&S®RTP オシロスコープを用いたパワーインテグリティー測定

より正確なパワーレール測定の実行

R&S®RTP オシロスコープ
R&S®RTP オシロスコープ
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課題

電圧が非常に小さく、許容値がますます厳しくなっている状況で、オシロスコープによるパワーレールのノイズやリップル測定は困難な測定です。高速のクロックエッジとデータエッジをレールに結合できますが、パワーインテグリティー測定には帯域幅の広いオシロスコープが必要です。

標準的な500 MHzパッシブプローブ(減衰比10:1)を使用すると測定ノイズが追加され、過剰なピーク・ツー・ピーク電圧が生じて信号の細部がマスクされます。

こうしたプローブには、結合信号を分離するための十分な帯域幅がありません。R&S®RTP オシロスコープは帯域幅が広いため、ゲーティッドFFTの画像で示すように結合信号の分離が可能です。

ゲーティッドFFTを使用すると、タイムドメインの妨害波をゼロ調整し、関連トーンを確認できます。
ゲーティッドFFTを使用すると、タイムドメインの妨害波をゼロ調整し、関連トーンを確認できます。
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ソリューション

R&S®RT-ZPR20およびR&S®RT-ZPR40 パワーレール・プローブ(減衰比1:1)はノイズが極めて小さく、十分な帯域幅を備えているので重要な信号成分が減衰しません。どちらのプローブもR&S®RTP オシロスコープで使用可能です。この組み合わせにより、広帯域幅、高確度の測定を実行する測定システムが得られます。

  • プローブの1:1という減衰比によりノイズが最小限に抑えられ、500 µV(1 GHz帯域幅、10 mV/div)未満のシステムノイズを実現できます。
  • ±60 Vの内部オフセットにより、ユーザーがオシロスコープ内部オフセット量を考慮しなくても、さまざまなDCレール電圧標準に焦点を合わせることができます。垂直軸感度の上昇により、ノイズが低下し、オシロスコープのADCの使用ビット数が増え、測定の確度がさらに向上します。オフセットによってAC結合やDCブロッキングキャパシタが不要になるため、真のDC値とドリフトを悪影響なしに表示できます。
  • 高周波トランジェント信号と結合信号を分離。R&S®RT-ZPR40の3 dB帯域幅(代表値)は4 GHzです。
  • 50 kΩのDC入力インピーダンスにより負荷が最小になるので、正確なDC値を維持できます。
  • 内蔵された16ビットのR&S®ProbeMeterにより、波形がオシロスコープのディスプレイに表示されていない場合でも、各パワーレールの5桁のDC値を同時に表示できます。
R&S®RT-ZP10 10:1、500 MHzパッシブプローブを使用して1.5 Vのパワーレールを測定した結果(50 mV(Vpp)。ノイズによって信号の細部がマスクされています)。
R&S®RT-ZP10 10:1、500 MHzパッシブプローブを使用して1.5 Vのパワーレールを測定した結果(50 mV(Vpp)。ノイズによって信号の細部がマスクされています)。
R&S®RT-ZPR20 1:1 アクティブプローブを使用して1.5 Vのパワーレールを測定した結果。
R&S®RT-ZPR20 1:1 アクティブプローブを使用して1.5 Vのパワーレールを測定した結果。
さまざまなプロービングアクセサリを備えた、付属の350 MHzブラウザーを使用。
さまざまなプロービングアクセサリを備えた、付属の350 MHzブラウザーを使用。
SMAまたは、はんだ付け同軸ピッグテールを使用した容易な接続。
SMAまたは、はんだ付け同軸ピッグテールを使用した容易な接続。
R&S®RT-ZPR20 パワーレール・プローブ
R&S®RT-ZPR20 パワーレール・プローブ