軍事用コンポーネント、アンテナ、バッテリーのテスト

セキュア無線機の設計において共存とジャミングへの耐性がますます重要になっているのはなぜですか？

セキュア無線機は混雑した環境（都市エリアの法執行部隊など）や競合する環境（ミッション遂行中の軍隊など）で動作します。これらに対してセキュア無線機の設計を解析し最適化するために、他の伝送に起因する特定の干渉信号による通信性能の喪失を防止するために、脅威共存テストを実施します。

公共安全向け無線機は、非常に高密度かつ混雑しているスペクトラムで動作し、とりわけ無線ブロードキャスト、Wi-Fi、Bluetooth、LTEなどの商業用波形とセキュア波形が共存する必要があるため、これは特に重要です。これらのテストには無線測定器を使用して、デジタルまたはアナログのスプリアス信号を発生させ、歪んだ信号をレシーバーがどのように対処するかを検証します。

従来の軍や法執行部隊のアナログ無線機は大抵の場合大型であったため、アンテナの設計についてはあまり重要視されていませんでした。より小型化された、最新の無線機の設計や波形およびデジタル通信のテクノロジーでは、MIMOとして知られているような新しく高度なアンテナが必要になり、こうした設計においては徹底的なテストが必須となります。この種のテストには、被試験デバイスに対して正確にセットアップされ、無線機が動作する環境を現実的にエミュレートする特殊な電波暗室が必要です。

ソフトウェア定義無線機のボードには多くのコンポーネントがあります。クロックや、アンプ、フィルター、コンバーター、メモリ、データバスなどです。これらすべてのコンポーネントは、パワー／シグナルインテグリティーが許容できる範囲内に維持されるように選択し、統合する必要があります。とりわけ、アクティブコンポーネントとパッシブコンポーネントの間のクロストーク、システムクロック検証、またはPLL SerDes性能のテストには、オシロスコープ、 ベクトル・ネットワーク・アナライザ、位相雑音アナライザ、電圧制御発振器などの測定器を使用します。

ハンドヘルド軍用無線機のような移動式セキュア無線機のバッテリー性能を評価するには、特定のテストケースにおけるバッテリーのパワーレベル、無線システムの消費電力、および電力管理システムの状態を開発者が理解しておく必要があります。これらのテストケースについて、テストを実施する目的は、バッテリーからのパワーがどのように管理され、システムに送達されるかを見極めることです。

最良の方法は、さまざまな始動条件でバッテリーをエミュレートし、性能テストを自動化し、指定のシナリオまたは期待されるシナリオと比較してどのようにパワーが流れるかを明示することです。これを進める最良の方法は、DUTの電源に（R&S®NGM200のような）セルエミュレーター測定器を接続することです。これらの測定器では、最大2個のセルについてバッテリーの流れの実際の挙動をシミュレートすることができ、必要なセルの数に応じてエミュレートするために複数の測定器を並列や直列に接続することができます。

最後に、外部の測定器リモート制御ソフトウェアを使用してテストケースを自動的に実行し、バッテリー管理システムの性能を証明する必要があるシナリオでBMSに負荷を掛けることもできます。