データコンバーター・デザイン
通信、自動車など多くの産業分野でさまざまなアプリケーションが使用されるなか、データコンバーターは、あらゆる最先端の電子設計およびRF設計で不可欠な要素となっています。
新世代の高速データコンバーターは、帯域幅の拡大とデータレートの高速化のニーズに対応しており、クロック速度とデジタル処理能力に対する要求は厳しくなっています。一方で、電子設計とRF設計の開発と検証には、消費電力の低減、熱放散の抑制などの側面からの課題も加わります。
電子計測ソリューション

クロックソースの検証
クリアーなクロック信号は、どのアナログ/デジタル回路設計の性能にとっても重要です。高速かつ高精度のジッタ性能測定(R&S®FSWP 位相雑音アナライザを使用)を利用してクロック信号を検証する方法について説明します。

高速デジタルデザインのPLLの相加性位相雑音とジッタ減衰量の確認
高速デジタルデザインや無線通信でデータレートを上げるには、相加性位相雑音が低く、ジッタ減衰量の大きいSerDes PLLおよびクロック・シンセサイザが必要です。最新のデザインは、通常、2ステージアーキテクチャーに従い、ジッタ・アッテネータ・ステージと周波数シンセサイザーステージで構成されています。位相雑音感度が高いため、これらのテストには位相雑音アナライザが測定器として最適です。PLLへの信号印加には、超低位相雑音の追加信号源が必要となります。

R&S®RTM3000/R&S®RTA4000 オシロスコープを用いたパワーインテグリティー測定
低ノイズオシロスコープとパワーレール・プローブを組み合わせて独自開発されたパワーレール測定用システムで、より正確な測定を実行できます。

理想的なクロックソースが必要な場合
今日のデジタルデザインと高速データコンバーターには、ジッタが最小のクリーンなクロックが必要です。最新のデジタルデザインおよびデータコンバーターは、適用されるクロックソースの許容範囲でしか機能できません。最先端のクロックソースを使用して最適な性能を実現する方法について説明します。

正確で高速なパワーインテグリティー測定
電源分配回路に対する要求の高まりとともに、DCレールが小型化し、クリーンなパワーをICピンまで届けることを保証するレールが普及し始めています。今日の低電圧DCパワーレールのリップル、ノイズ、過渡信号の測定という課題に、これまでにない確度と速度で対応できます。

R&S®ZNBによる高速デジタル信号ラインの正確な測定
データレートが絶えず上昇するため、高速デジタル設計や、使用するコンポーネントのシグナルインテグリティーへの対応は、ますます高まっています。とりわけ高いデータレートにおいて、コネクタ、ケーブル、PCBなどのパッシブコンポーネントを試験するためのタイムドメイン・レフレクトメトリ(TDR)のセットアップは、ベクトル・ネットワーク・アナライザ(VNA)に置き換えられ始めています。ユーザーは、VNAの高い精度、速度やESDに対する堅牢性が得られるので、VNAはこの分野において最適な計測器になっています。

1 MHz~50 GHzをカバーする、相互相関法を使用したダイレクトダウンコンバージョン方式の位相雑音アナライザ
新しい位相雑音測定器は、ダイレクトダウンコンバージョン方式のアナログI/Qミキサーとベースバンド信号サンプリングを使用して周波数レンジ1 MHz~50 GHzをカバーします。位相検出と周波数トラッキングのために、従来のPLLに代わってデジタルFM復調器を使用します。また、追加のAM復調器により、位相雑音と振幅雑音を同時に測定することができます。