ウェアラブルデバイス、周辺機器、およびIoT向けのBluetooth® Low Energy(LE)

Bluetooth® Low Energy(LE)

Bluetooth® Low Energyテスト

Bluetooth® LE - Bluetooth®テクノロジーの未来

Bluetooth® 4.0で導入されたBluetooth® Low Energy(LE)テクノロジーは、周辺機器やウェアラブルデバイス向けの超低電力ソリューションに変革をもたらしました。Bluetooth® LEは、自発的な少量データ通信を行う用途に最適です。例えば、スマートウォッチ、スポーツトラッカ、または医療機器などです。最初のバージョンのBluetooth® LEのデータレートは最大1 Mbit/sで、Bluetooth® Classicのデータレート(3 Mbits/s)よりもかなり小さいものでした。しかし、消費電力は半分しかなく、専用のアドバタイズチャネルによる高速ペアリングも導入されました。

Bluetooth® 5.0では、Bluetooth® LEの利用範囲がIoT分野にまで広がりました。データレートの2 Mbit/sへの向上、長距離符号化、およびアドバタイズ機能の強化などの新しい機能が追加されました。このバージョンでは、アドホックネットワークごとのデバイス数も増加しました。これにBluetooth® Mesh仕様を組み合わせることで、ホームオートメーション産業用アプリケーションの新たな機会が生まれています。

その後のバージョンでも、引き続きBluetooth®テクノロジーの強化が図られています。Bluetooth® 5.1では、到来角(AoA)および発射角(AoD)などに対応する方向探知機能の強化が図られました。また、Bluetooth® 5.2では、ネイティブのオーディオサポート高度なパワー制御機能が追加されています。このように、Bluetooth® LEは、Bluetooth®テクノロジーの長期的な未来を形作っています。

Bluetooth® LEの概要

Bluetooth® LEは、グローバルに利用可能な2.4 GHzのISMバンドで動作するアダプティブ周波数ホッピング(AFH)スペクトラム拡散システムです。Bluetooth® LEでは、1 Msym/sまたは2 Msym/sのシンボルレートを用いたガウシアン周波数シフトキーイング(GFSK)変調が使用されます(LE 1M、LE 2M)。この周波数ホッピングメカニズムは、37個の汎用RFチャネル全体を使用することで、効率的で安定性に優れた通信を実現します。

LE 1MとLE 2Mの比較
LE 1MとLE 2Mの比較

Bluetooth® 5.0では、通信範囲を拡大するため、LE 2Mと共にLE Codedチャネルが導入されました。これらのチャネルでは、S=8とS=2の2種類のコード化方式が利用できます。S=8では、8つのシンボルが1ビットに対応し、S=2では、2つのシンボルが1ビットに対応します。両方のLE Codedチャネルのヘッダー部には、S=8の方式が適用されます。

Bluetooth 5.0とBluetooth 4.2の比較
Bluetooth® 5.0とBluetooth® 4.2の比較

Bluetooth® LEでは、プライマリおよびセカンダリアドバタイズチャネルを介して通信のアドバタイズをサポートしているだけでなく、非同期通信リンク(ACL)もサポートしています。これらのリンクの目的は、シグナリングとベストエフォート・トラフィックを制御することです。さらに、Bluetooth® LEでは、LE Audioアプリケーション専用CIS(コネクテッドアイソクロナスストリーム)とBIS(ブロードキャストアイソクロナスストリーム)が導入されています。

Bluetooth® LEテスト - 物理層

全体的な通信性能には、次のような複数の要因が大きく関わっています。

  • アンテナ設計
  • 電源
  • LTEや無線LANなどの他の無線通信用チップとの共存
  • 最終的なハウジング

設計段階全般および設計後を通じて、入念なテストを実施し、送信された情報の精度を確保して、必要な性能ベンチマークを達成することが重要です。

Bluetooth® LEデバイスには、複数のRFテスト方法が存在します。その方法の1つでは、ベンダー固有の制御インタフェースを利用します。これは一般に、研究、開発、製造における完全な自動テストで使用されます。

Bluetooth® LEデバイスのコンプライアンステスト向けには、ダイレクトテストモード(DTM)がBluetooth® Special Interest Group(SIG)によって標準化されています。このモードでは、専用の有線テストインタフェースを介した制御を用いて、Bluetooth® LEのトランスミッターとレシーバーをテストできます。

RFPHY認定用のBluetooth LEダイレクトテストモードセットアップ
RFPHY認定用のBluetooth® LEダイレクトテストモードセットアップ

ダイレクトテストモードでは、被試験実装(IUT)にテスト制御用のケーブルコネクタが必要です。IUTのホスト制御インタフェース(HCI)へのUSB/RS232接続またはIUTへの専用2線式UART接続の2つのオプションが仕様化されています。このテストセットアップでは、IUTを高い信頼性でセキュアに制御できます。

Bluetooth® LE物理層テスト項目には、一般に以下の内容が含まれます。

  • トランスミッターテスト:送信パワー、パワー密度スペクトラム、スプリアスエミッション、変調精度などをカバー
  • レシーバーテスト:感度とブロッキング性能を評価
  • 新機能の導入:方向探知など
トランスミッターテストとレシーバーテスト

Bluetooth® LEデバイスには有線接続が用意されていないことが多いため、業界では、Bluetooth® LEデバイスのOver-The-Air(OTA)テストを簡単に行えるようにするための方法の検討が行われています。ローデ・シュワルツでは、これに対処するために、次の2つの方法を提供しています。

  • RX測定とTX測定の両方でプライマリアドバタイズチャネルを使用する
  • テストに標準的なBluetooth® LE接続を使用する - オーディオ/ビデオストリーミングやデータ転送などのアプリケーションの性能を評価する場合に役立つ

また、ローデ・シュワルツでは、Bluetooth®チャネルでのテスト機能をさらに強化するための専用のテストソリューションも開発済みです。このテストソリューションでは、DTMライクなテスト制御適合Bluetooth®リンク層プロトコルを介してサポートしています。この手法は、今後のリリースでBluetooth® SIGによってサポートされる予定です。

RFPHY認定用の無線を介したBluetooth LEのDTMライクなテスト制御
RFPHY認定用の無線を介したBluetooth® LEのDTMライクなテスト制御

Bluetooth® LEテストに対応した高効率ソリューション

ローデ・シュワルツの電子計測ソリューションは、最新のBluetooth®コア仕様に沿ってBluetooth® BR/EDR/LEをサポートしています。ローデ・シュワルツでは、製品開発ライフサイクル全体をくまなくカバーしています。この他にも、デジタルデザイン、低電力アプリケーション、Over-The-Air(OTA)テストに対応した広範なポートフォリオが用意されています。

R&S®CMW 無線通信テストプラットフォームは、汎用性の高いソリューションで、バージョン5.xまでのBluetooth®テストをサポートしています。このテストプラットフォームは、Bluetooth® SIGによって仕様化されたBluetooth® LE DTMと、フルスタックシグナリングをカバーしています。また、信頼性の高いテスト自動化ツールも用意されており、Bluetooth®無線リンクを介したBluetooth® LEデバイスのDTMライクなテスト制御にもすでに対応しています。

Bluetooth®テスト機能は、信号発生器やシグナル・アナライザなどのローデ・シュワルツのすべての主要なテスト測定器で利用できます。これらの測定器では、Bluetooth®やその他のセルラー/非セルラー規格が幅広くサポートされています。

Bluetooth® LEの個別のテストケースについては、弊社のエキスパートがご質問にお答えいたします。お気軽にお問い合わせください。

Bluetooth® Low Energyテストソリューション

R&S®SMBV100B ベクトル信号発生器

Bluetooth® BR/EDR/LEをサポートし、高い出力パワーレベルで優れたEVM性能を発揮できる

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ウェビナー:Bluetooth® Low Energy(LE)のすべて

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