Application Notes

長いPRBSでの容易なBER測定

R&S®FSW シグナル・スペクトラム・アナライザは、さまざまなシステムおよびコンポーネントの主要なパラメータの測定が可能な高性能測定器です。R&S®FSW-K70P オプションのビット・エラー・レート(BER)機能を使用すると、コンポーネントやシステムの生データのエラー特性を正確に把握できます。

課題

コンポーネントおよび通信システムの開発者にとって、デバイスで提供される変調信号品質は重要です。これは、送信されるデータの品質と直接的な関係があります。品質に問題があると、データが正しく送信されないため、音声通話品質が損なわれ、データスループットが低下する可能性があります。

通信システムで各ビットは、それぞれ1つのデータシンボルとして送信されます。変調精度では、受信した各シンボルのコンスタレーション・ダイアグラムでの理想的なシンボル位置からのずれを測定します。この測定は、エラーベクトル振幅(EVM)と呼ばれます。

EVMが良好な信号(変調精度が高い)
EVMが良好な信号(変調精度が高い)
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この測定は便利ですが、ビットエラーのないシステムでEVMが良好でないこともあり得るため、EVMの測定値からシステムのデータエラーへの影響を判断することはできません。

強い歪みのある同じ信号。変調精度は良くないが、隣接するクアドラントにはみ出すシンボルは存在しない。
強い歪みのある同じ信号。変調精度は良くないが、隣接するクアドラントにはみ出すシンボルは存在しない。
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ビットエラーは、コンスタレーション・ダイアグラムの間違った領域(QPSKの場合はクアドラント)にデータシンボルが現れる場合に起こります。これは、シンボル判定エラーと呼ばれます。これらは、振幅、位相、タイミング、または相加性雑音によって伝送中にデータシンボルに歪みが生じることで起こります。こうした状況が起きると、目的のデータが破損して正しく受信されず、ビットエラーが発生します。

テストセットアップ
テストセットアップ

ローデ・シュワルツのソリューション

ビットエラーは、1ポートおよび2ポート・テスト・セットアップを使用して測定することができます。

一般的な1ポートおよび2ポート・テスト・セットアップ

1ポート・テスト・セットアップの場合は、DUTで測定対象のデータパターンと変調方式の両方を生成します。このセットアップの例には、トランスミッターのチップセットやモデムなどがあります。

これまで、BER測定は時間のかかる複雑な作業でしたが、 事前に計算しなければならない組み合わせが800万通り以上もあるPRBS23のように長く複雑なデータパターンの場合でも、BER測定を簡単にほぼ瞬時に行えるようになりました。

R&S®FSW-K70Pの設定

  • 最初に、R&S®FSWで想定される変調タイプ(QAMやQPSKなど)を設定する必要があります。次に、R&S®FSWで各コンスタレーションポイントにデータがどのようにマッピングされるかを設定します。R&S®SMx ベクトル信号発生器を使用する場合は、マッピングを "SMx" に設定するだけです。これにより、変調に関係なく、信号発生器のデフォルトマッピングに合わせた設定になります。
  • 次に、変調プロセスで「既知のデータ」を使用するようにR&S®FSWを設定し、データソースとタイプを選択する必要があります。

このステップでは多項式を手動で変更したり、フィードバック経路を無効にしたりすることもできます。

  • 最後に、ビット・エラー・レートの結果を表示する必要があります。この操作は、"Modulation Accuracy" 測定の "Window Config" で行うことができます。

まとめ

PRBSの多項式やデータマッピングに関する基本的な知識があれば、長さに関わらず、あらゆるPRBSシーケンスに対してR&S®FSWでBERを簡単に測定することができます。

さらに、既知のデータの手法により、S/N比の低い環境でも、非常に正確なEVM結果を得ることができます。