質問
長さ約120 m、速度係数0.7のケーブルと、ZVL3があります。
ケーブルの長さを測定する必要があります。
どの設定を使用すればよいでしょうか?
長さ約120 m、速度係数0.7のケーブルと、ZVL3があります。
ケーブルの長さを測定する必要があります。
どの設定を使用すればよいでしょうか?
ZVLを使用すると、タイムドメイン変換モードでケーブルの長さを測定できます。
タイムドメイン変換モードにはさまざまな設定があり、次の項目に影響があります。
- 長さ測定の分解能
- 測定可能な距離
これら2つのパラメータは、トレードオフの関係にあります。高分解能の測定をセットアップすると、
短いケーブルしか測定できません。長いケーブルの測定をセットアップすると、分解能が低下します。
分解能は、周波数スパンによって決まります。例えば、スパンが3 GHzの場合、分解能は
2/(3 GHz) = 666 psで、20 cmの電気長に対応します。ローパス・モード(詳細についてはマニュアルを参照
)では、スパンを2倍にすることができ、電気長は10 cmとなります。
測定可能な距離は、周波数ステップ・サイズ(周波数スパン/掃引ポイント数-1)に依存します。
周波数ステップ・サイズの逆数は、あいまい範囲です。この時間を過ぎると、反射信号が繰り返されます。
ストップ周波数3 GHz、スタート周波数9 kHz、掃引ポイント数4001の場合、ステップ・サイズは750 kHzとなり、
電気長は約400 mとなります。波はケーブルを2回
(順方向と逆方向)通過するので、結果は2で割る必要があり、電気ケーブル長としては200 mに対応します。
長さ120 m、速度係数0.7のケーブルに最適な設定は何でしょうか。
電気長は120 m/0.7 = 171.4 mです。
すなわち、周波数ステップ・サイズは、(3e8m/s)/(2*175m) = 850 kHzとなります。ローパス・モードを使用する場合、
これはスタート周波数でもあります。
ZVL3を使用する場合、3 GHz/850 kHz = 3529なので、掃引ポイント数は
3529にする必要があります。
以下の設定を実行します。
- プリセットを実行します。
- S11を選択します。
- "Mechanical Length" メニューで速度係数を0.7に設定します。
- 掃引ポイント数を3529に設定します。
- スタート周波数を850 kHzに設定します。
- タイムドメイン変換モードをオンにします。
- "Time Domain Stimulus Axis" を "Distance" に変更します。
- "Stop Distance" を122 mに変更します。
- "Define Transform" で "Low Pass Impulse" を選択します。ローパス設定を調整するために、"Stop Frequency
and Number of Points" を維持したまま、同じメニューの "Extrapolate" ボタンを1回押して、DC値を取得します。
- ポート1に対してフル1ポート校正を実行します。
- ケーブルを接続し、ケーブルの長さを測定します。