HQS

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HQS – BMBFから資金提供を受けた研究プロジェクト

Hardware-based Quantum Security(ハードウェアベースの量子セキュリティー)

動機

情報通信テクノロジーの技術的発展により、急速な経済的進歩がもたらされました。デジタル化が広く進んだことで、データフローが増加しています。このために、既存のシステムも新しいシステムも容赦ない攻撃にさらされており、強力な暗号化方法による保護が必要です。近い将来に、量子コンピューターのアイデアが現実化する可能性が出てきました。この見通しによって、広く用いられている既存の暗号化手順は変化を迫られています。

方法と目標

HQS(Hardware-Based Quantum Security:ハードウェアベースの量子セキュリティー)プロジェクトの目的は、セキュアで市場化可能な新しい通信システムの開発です。このために、コンソーシアムのパートナーは、新しく開発されたハードウェアを組み合わせ、さまざまなテクノロジー向けのインタフェースを開発し、高度なセキュリティー解析を実行しています。コンソーシアムのパートナーが掲げる高い基準を維持することで、将来にわたって安全な暗号化プラットフォームと、セキュリティーの高いICTインフラに、通信システムを統合することができます。量子コンピューターを使用した攻撃に耐えられるポスト量子手法を巡る研究が、世界中で行われています。ソフトウェアの使用に関しては、数学者が暗号化手順のための新しいモデルを開発中です。ハードウェアの使用に関しては、量子鍵配送(QKD)という、物理原則に基づく方法が考案されており、すべての量子コンピューターによる攻撃から通信を適切に保護できるとされています。量子効果を利用することで、ハードウェアベースの乱数発生器やハードウェア固有のセキュリティーコンポーネントの機能を向上させられる可能性があります。

ポスト量子暗号化および通信のための、攻撃に対して安全なハードウェアを実現するため、HQSプロジェクトのコンソーシアムは、以下の目標を定めています。

  • 赤外線および光ファイバーケーブル通信用波長のQKDトランスミッター/レシーバーのための堅牢で信頼性の高い光モジュールの開発
  • 都市通信ネットワークやワイド・エリア・ネットワーク・リンクに使用されるQKDモジュールとセキュアな暗号化プラットフォームの間のインタフェースの定義と実装
  • サイドチャネル攻撃やエラー誘発攻撃に対する保護を実現する電子/光学部品の開発とテスト
  • 商業ベースで運用される光ファイバーネットワークでのQKDの実証
  • 量子PUF(Physically Unclonable Function:物理複製不能関数)およびQKDベースの認証方式のためのハードウェアの開発と、その脆弱性の解析

プロジェクトの組織

HQSは、ドイツ連邦教育研究省(BMBF)からの資金提供を受けた共同研究プロジェクトであり、研究および産業分野で高い専門性を持つパートナーが参加しています。このプロジェクトのオーナーは、「High-tech for IT Security(ITセキュリティーのためのハイテクノロジー)」の入札募集に関してはBMBFです。プロジェクトを主導しているのはLMU Munichです。

  • プロジェクト管理:VDI/VDE Innovation + Technik GmbH
  • コンソーシアム:LMU Munich、Technical University of Munich、Heinrich Heine University Düsseldorf、Max Planck Institute for the Science of Light、Rohde & Schwarz Cybersecurity GmbH、noris network AG、Tesat-Spacecom GmbH & Co. KG
  • プロジェクト期間:2017年1月~2019年12月

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