コングスベルグの方向探知

航空宇宙および防衛テスト - コングスベルグ/ケーススタディー

ラボにおけるマルチチャネル方向探知レーダーレシーバーの検証

コングスベルグ・ディフェンス&エアロスペースは、高性能でマルチチャネル、位相コヒーレントなレーダー信号を生成するために、R&S®SMW200A ベクトル信号発生器をベースとしたローデ・シュワルツのレーダーテストセットアップを選択しました。

Kongsberg Defence & Aerospace AS(コングスベルグ・ディフェンス&エアロスペースAS)は、ノルウェーで防衛/航空宇宙関連ソリューションを提供する主要メーカーです。同社のJoint Strike Missile(JSM)は、第5世代長射程精密攻撃ミサイルです。高性能センサを用いるJSMは、電子シグネチャーに基づいて標的の位置を特定できます。コングスベルグはレーダーテスト機器のベンダーとしてローデ・シュワルツを選択しました。ローデ・シュワルツの実証済みの高品質測定システム、実践的なカスタマーサポート、電子計測の固有の課題に対する柔軟なソリューションがその理由です。

GNSSエアテスト/Airbusのケーススタディー

コングスベルグのアプリケーション

静止衛星型衛星航法補強システム(SBAS)テクノロジーは航空業界にとって、例えば最新のヘリコプターデザイン向けの高度な進入着陸システムを用いる際の、強力な航法援助となります。開発者が、こうした着陸システムをあらゆる飛行条件下でテストするには、GNSSデータの非常に正確なシミュレーションが不可欠です。ローデ・シュワルツが提供する強力なGNSSシミュレーションは、以下の条件を満たすことでテストシナリオを成功に導きます。

コングスベルグのJoint Strike Missileには、紛争環境における自律的な動作(自律飛行)が求められます。ミッションの成功率を高めるため、同ミサイルはRFエミッターの位置を特定できるパッシブRFセンサを搭載しています。このRF方向探知機能をラボでテストして検証するため、コングスベルグは既存のテスト環境にリンクできるマルチチャネルの位相コヒーレントなベクトル信号発生器を求めていました。

ローデ・シュワルツのテストシステムは動的な環境で複数のエミッターをリアルタイムでシミュレートできるため、コングスベルグはパッシブRFセンサ搭載のミサイルシステムに対してクローズドループテストを行うことができ、高コストの発射実験を伴うことなく、ホストハードウェアに対する膨大な数の統合システムテストを高い再現率で行うことができます。

事例

ケース:テストのタスク、課題、要件

方向探知レシーバーを効果的かつ効率的にテストするために、テストシステムは以下の要件を満たす必要があります。

  • テストシステムのRF出力は、受信アンテナ入力に接続する必要があります。各入力には別々の信号を供給する必要があるため、テストシステムにはシミュレーション対象のアンテナごとに独立した信号源が必要です。
  • チャネル間の相対振幅および位相に正確に準拠するために、RFインタフェースでテストシステムを校正する必要があります。
  • シミュレーション中、シミュレーション対象の信号間の位相関係が安定している必要があります(位相コヒーレンス)。
  • マルチチャネルアプリケーション用のテストシステムは、一般にハードウェアインザループ(HIL)環境で動作します。コンピューターが信号データをテストシステムに高速でフィードするため、高い更新レートと低遅延が不可欠です。
方向探知レーダーレシーバーをテストするためのクローズドループシミュレーション環境の概要

ソリューション

理想的なHiLテストソリューションとしてのR&S®SMBV100A ベクトル信号発生器およびGNSSシミュレータ

高度に動的なプラットフォームで方向探知レーダー
レシーバーをテストするためのクローズドループ
シミュレーション環境の概要

R&Sのテストソリューション

テストシステムの概要

テストシステムは、パルス記述子ワード(PDW)を生成するシナリオシミュレータを内蔵しています。PDWは対応するRF信号を生成する基礎であり、この信号が後で被試験デバイス(DUT)に読み込まれます。

シナリオシミュレータ

コングスベルグは、ミサイル発射のすべての側面を正確に複製できるリアルタイムシミュレーション環境を社内で開発しました。このシミュレータは、位置、姿勢、アンテナパターン、伝播を考慮した、多数の同時エミッターに対応するPDWを生成できます。ローデ・シュワルツのテストシステムを統合することで、レシーバー入力のものと同じRF入射信号が正確に生成されるため、ループが閉じられます。

信号発生器インタフェース

ローデ・シュワルツのテストシステムには、時間で同期されたPDWが送信されます。このPDWには、アンテナの位相および振幅応答と、その他のパラメータが含まれています。

マルチチャネルレーダーシミュレーション

ローデ・シュワルツのテストシステムの主要なコンポーネントは、結合された2台のR&S®SMW200A ベクトル信号発生器(VSG)と、局部発振器(LO)信号用のR&S®SMA100B アナログ信号発生器です。一般的なLO信号源と、VSGの高度なクロック分配の概念を併用することで、正確なAOAシミュレーションに必要なRFポート間の相対振幅、位相、群遅延オフセットのシミュレーションを、DUT入力の基準面で正確かつ安定した再現性の高い形で行うことができます。

RFポートアライメント

R&S®RF Ports Alignmentソフトウェアは、RF信号のために事前定義、最適化されたアライメントルーチンを基準面で実行します。アライメントのためのRF周波数、使用帯域幅、レベルの範囲がテストケースのために設定されています。このソフトウェアとネットワーク・アナライザが連携して全RFポートの相関係数を自動的に決定し、データをローデ・シュワルツのテストシステムに読み込みます。

DUT

DUTは、RFセンサか、発射される実物のハードウェアで実際の運用ソフトウェアを実行するサブシステムの一部です。

コングスベルグでパッシブRFセンサシステムの統合を担当するチームマネージャー、Erik Narverud氏

»ローデ・シュワルツは、位相コヒーレンスに優れ柔軟かつスケーラブルなソリューションを提供してくれました。そのため、コングスベルグはクローズドループの既存のシミュレーション環境に信号発生器を統合できました。«

ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

ソリューション

統合テストソリューション

コングスベルグが使用するマルチチャネルレーダーテストシステムは、4つのRFチャネルのシステムです。DUTにレーダー信号を提供するハイエンドな汎用ベクトル信号発生器 R&S®SMW200A 2台と、LO分配のための R&S®SMA100B アナログ信号発生器、RFポートアライメントプロセスで必要な補正を測定するローデ・シュワルツ製ベクトル・ネットワーク・アナライザ(VNA)で構成されています。これらすべての測定器がラックに収納され、位相コヒーレントなレーダー信号が求められるときに、コンパクトで運搬可能な高度テストソリューションとして提供されます。

R&S®SMW200A ベクトル信号発生器
R&S®SMW200A ベクトル信号発生器
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R&S®SMA100B RF/マイクロ波信号発生器
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マルチチャネルレーダーテストシステム

ローデ・シュワルツは、業界で幅広く導入されているR&S®SMBV100Aの高度な機能や柔軟性を受け継ぎ、コンパクトなミッドレンジベクトル信号発生器R&S®SMBV100Bを発表しました。

2台のR&S®SMW200A ベクトル信号発生器、LO信号を提供する1台のR&S®SMA100B アナログ信号発生器、自動RFポートアライメントを実行するローデ・シュワルツのベクトル・ネットワーク・アナライザで構成された4チャネルのレーダーテストシステムです。

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