WCDMA/HSPA/HSPA+テクノロジー

WCDMA HSPA

テクノロジーの概要

広帯域コード分割多元接続(WCDMA)に基づくユニバーサルモバイル通信システム(UMTS)ネットワークは、第3世代移動体通信システムとして世界中に配備されてきました。UMTSは、高速パケットアクセス(HSPA)への明確な進化経路を提供します。HSPAは、高速ダウンリンク・パケット・アクセス(HSDPA)と高速アップリンク・パケット・アクセス(HSUPA)の組み合わせを表します。HSDPAは、ダウンリンクで最大14.4 Mbit/sのデータレートを可能にします。HSUPAは、アップリンクで5.76 Mbit/sのデータレートを可能にします。HSPAは、UMTSネットワークの容量拡大と、遅延の大幅な削減にも寄与します。

WCDMAの5 MHz動作の可能性をフルに活かすため、HSPAベースの無線ネットワークの性能は、スペクトラム効率、ピーク・データ・レート、遅延に関してさらに強化されています。3GPPリリース7で規定されたHSPA+では、ダウンリンクMIMO動作、高次変調(ダウンリンク64QAM、アップリンク16QAM)、ネットワーク内で多数の「常時オン」ユーザーをサポートするためのプロトコル改良が導入されています。ピーク・データ・レートは、ダウンリンクで28 Mbit/s、アップリンクで11.5 Mbit/sに達し、ラウンドトリップ時間は50 ms未満です。

3GPPリリース8では、ダウンリンクのデュアルキャリア動作、MIMOと64QAM変調の組み合わせといった、HSPA+のさらなる改良が規定されています。これらの機能により、ダウンリンクで42.2 Mbit/sの最大データレートが実現されます。また、回線交換型Voice over HSPAにより、HSPAパケット交換型無線アクセスネットワークで、音声サービスの最適化されたサポートが実現されます。さらに、CELL_FACHステートでの共通E-DCHリソースの割り当てと、アップリンクでのレイヤー2機能拡張の適用により、遅延がさらに改善されています。

3GPPリリース9では、引き続き主にデータレートが改善されています。デュアルセルHSUPA機能は、アップリンク方向で2つの搬送波周波数をサポートすることで、アップリンクのデータレートを23 Mbit/sに向上させます。これに加えて、ダウンリンク方向では、デュアルキャリア動作とMIMO機能の組み合わせにより、データレートは最大84.4 Mbit/sに達します。スペクトラムの柔軟性も向上しており、デュアル・バンド・デュアル・セルHSDPA機能により、異なる周波数バンド内の2つの搬送波周波数にリソースを割り当てることができます。最新の3GPPリリース10仕様では、4キャリアHSDPAが導入されています。これは、1台のエンドユーザーデバイス用に4つの搬送波周波数をプールすることで、20 MHzの帯域幅を実現するものです。

UMTS WCDMA/HSPA/HSPA+は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)で規定されています。3GPPリリース99には、最初のWCDMA仕様が含まれています。HSDPAとHSUPAは、それぞれ3GPPリリース5と3GPPリリース6で導入されました。HSPA+は、3GPPリリース7、8、9、10に含まれています。

配備シナリオ

HSPAおよびHSPA+の利点は、UMTSアーキテクチャーとの優れた統合にあります。また、HSPAおよびHSPA+は、既存のUMTS周波数バンドでも動作します。世界のすべてのUMTSネットワークは、HSDPAをサポートします。HSPAおよびHSPA+は、両方のリンク方向で大量のデータが伝送されるすべてのアプリケーションにとってメリットがあります。さらに、UMTSはCS音声サービスに対してきわめて効率的なサポートを提供します。

ローデ・シュワルツのWCDMA/HSPA/HSPA+

ローデ・シュワルツは、WCDMA/HSPA/HSPA+デジタル規格に関する幅広い製品ポートフォリオを提供しています。ベクトル信号発生器やシグナル・スペクトラム・アナライザといった汎用機器、通信テスター、包括的なコンフォーマンス・テスト・システムなどです。ローデ・シュワルツのWCDMA/HSPA/HSPA+用電子計測ポートフォリオには、このほかに強力なネットワークスキャナーとドライブ・テスト・ソフトウェアの組み合わせも用意されています。今後の実装には、3GPPの最新の機能拡張が反映されます。

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WCDMA/HSPA/HSPA+用ソリューション

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