オシロスコープ波形データ転送の高速化
MXOオシロスコープで利用可能な高速リモート制御データ転送機能は、測定の同期を維持しながら、自動テスト環境におけるデータ収集プロセスを最適化するための効率的なソリューションです。
MXOオシロスコープで利用可能な高速リモート制御データ転送機能は、測定の同期を維持しながら、自動テスト環境におけるデータ収集プロセスを最適化するための効率的なソリューションです。

MXO 5シリーズ オシロスコープ
課題
ATE(自動テスト機器)アプリケーションでは、製造ラインの効率を向上させるために、より高速なテストフィードバックループが不可欠です。迅速なデータ交換は、量子コンピューティング解析や高エネルギー物理学といった重要分野における高信頼性回路の開発を加速するためにも役立ちます。回路をテストおよび検証する際に、制御コンピューターとの高速な情報交換は大きな利点となります。
1回の収集の記録および転送:新しいSCPIコマンドは、8チャネル/100 kサンプルを15 ms以内で転送可能。
ローデ・シュワルツのソリューション
情報交換の高速化を支援するために、ローデ・シュワルツのオシロスコープは従来のソリューションよりも優れた機能を備えています。MXOオシロスコープでは、高速なデータ転送を実現する新しいエクスポートコマンドとイーサネット接続が利用可能です。SCPIコマンド"EXPort:WAVeform:DATA[:VALues]?"を使用することで、複数の波形を受信側へ直接転送できます。このエクスポートコマンドは、複数波形取得時の内部設定に伴うオーバーヘッドを省略することで、リモート制御コマンドによるデータ転送速度を向上させる目的で特別に開発されました。
従来のSCPIコマンド
従来のデータ転送コマンドでは、最大限のデータ交換効率を優先していません。例えば、従来のSCPIコードである"CHANnel{ch_sel}:DATA:VALues?"は、専用コマンドと比較して大幅に遅くなる場合があります。ただし、速度が重要でない場合には、このコマンドを使用することで取得データの割り当てを容易に行えます。
同期測定と非同期測定
測定結果を機器から取得する前に、その測定が完了している必要があります。また、その結果は有効であり、かつ機器設定と整合していなければなりません。このプロセスは「同期」と呼ばれます。波形取得の同期とは、オシロスコープと制御プログラムのタイミングを一致させるための同期ポイントを指し、安定した波形収集と表示を実現します。非同期測定では、測定結果を他の物理量に対応付けることができません。特に、それらが他のリモート制御機器から取得された結果である場合には問題となります。
ローデ・シュワルツは、測定同期を損なうことなく、波形データの転送速度を向上させました。波形ストリーミングとは異なり、ローデ・シュワルツのオシロスコープは完全なSCPI同期を提供しており、*WAI、*OPC、*OPC?と"EXPort:WAVeform:DATA[:VALues]?"を組み合わせて使用できます。
1分あたりの収集回数(競合他社との比較):
1チャネルを使用時(RL=1 Mサンプル、サンプリングレート=625 MSa/s)。データ転送時間には、転送とバイナリデータ変換(例:NumPy配列)の両方が含まれる。
速度の比較
ローデ・シュワルツのオシロスコープのデータ転送速度は、競合他社よりもはるかに高速です。サンプル数が多い場合(例:1 Mサンプル)でも、従来のSCPIコマンドを使用した場合でさえ、性能が向上します。特に1チャネル使用時に優れた性能を発揮します(右図参照)。競合他社では、内部プロセスによって転送時間が制限されているように見えます(収集レートが、転送データ量応じて変化しない)。一方、ローデ・シュワルツのオシロスコープは、データ転送性能を効率的に最大限活用しています。主な制限要因はデータ量であり、図に示されているように、チャネル数が増加するにつれて1分あたりの収集回数が減少しています。
例
解析コードに専用のSCPIコマンドを使用することで、本機能を実装できます。以下に、"EXPort:WAVeform:DATA[:VALues]?"を使用した高速波形転送の例を示します。4つのアナログチャネルを対象としています。
MXO 5シリーズ オシロスコープ
ATE(自動テスト機器)アプリケーションでは、製造ラインの効率を向上させるために、より高速なテストフィードバックループが不可欠です。迅速なデータ交換は、量子コンピューティング解析や高エネルギー物理学といった重要分野における高信頼性回路の開発を加速するためにも役立ちます。回路をテストおよび検証する際に、制御コンピューターとの高速な情報交換は大きな利点となります。
まとめ
データ転送を高速化することで、オフライン解析アプリケーションにおける測定時間を短縮できるだけでなく、実験における開発サイクルも短縮できます。MXOオシロスコープで利用可能な高速リモート制御データ転送機能は、測定の同期を維持しながら、自動テスト環境におけるデータ収集プロセスを最適化するための効率的なソリューションです。