R&S®CMWによるアナログ／デジタルオーディオ測定

課題

今日のモバイルデバイスは、マルチモード接続機能を備えています。2G、3G、LTE、WLAN、Bluetooth、NFC、GPS、FMステレオなどの機能を備えた複雑なチップセットのテストと測定を、短時間で正確に高い信頼性で行う必要があります。また、デジタルオーディオ信号の使用も広がりつつあります。チップセットの開発では、単純なオーディオ信号に対してもテストと測定が必要です。量産時には、テスト時間を最小限に抑えるために、単一ソースのテスタでテストを実行することが必須です。ベンチでもテストシステムでも、製品のオーディオ品質に明確な違いをもたらし、顧客満足度につなげるためには、正確さと柔軟性が鍵となります。このような違いは、競争で優位に立つための重要な要素です。

電子計測ソリューション

R&S®CMW-B400B オーディオボードの中心は、包括的で強力なオーディオ信号発生器とオーディオ・シグナル・アナライザの組み合わせであり、アナログとデジタルの両方の信号を処理できます。この製品は、正確な標準オーディオ測定を短時間で容易に実行できるように設計されています。そのアーキテクチャーは、向上し続ける処理能力とマルチタスク能力を活用して、多数のパラメータを同時に測定して高速化を実現しています。オーディオボードは高度なプログラミングが可能で、量産試験の自動化や特殊用途向けのカスタムオーディオ解析に最適です。すべての測定はデュアルチャネル／デュアルドメインなので、信号発生器を分割して、各チャネルに異なる機能を割り当てることができます。信号発生器には独立した2つのチャネルがあり、アナログドメインとデジタルドメインの信号を同時に発生できます。

2つのチャネルのレベル／周波数測定は、どちらのドメインからでもシグナル・アナライザで常に使用できます。アナライザには、2チャネルの連続時間測定機能と、最大2チャネルのFFT派生測定も備わっています。

このオーディオボードは、多目的の高精度オーディオ信号発生器／アナライザであり、性能検証測定や機器メンテナンスの自動化に利用できます。独自の機能により、エンジニアやサービス技術者にとって理想的な測定器です。R&S®CMW-B400B オーディオボードには、さまざまな種類の音声コーデックを追加することもできます。

R&S®UPVなどの外部オーディオ・アナライザと組み合わせて、GSM、WCDMA、CDMA2000®1xの回線交換ボイスコール用のリアルタイムボコーダー機能が使用でき、GCF、PTCRB、CCFに基づいたオーディオ認証試験を実行できます。LTEネットワークのVoIPマルチメディアサブシステム（IMS）のテストも実行できます。上記の機能を使用するには、R&S®CMW-B400B オーディオボードにR&S®CMW-B405A 音声コーデックオプションがインストールされている必要があります。

お客様の利点

R&S®CMW-B400B オーディオボードには、アナログ／デジタルドメインのオーディオ測定のためのあらゆる機能が揃っています。R&S®CMW270/280/500無線機テスタに、汎用的な高性能のオーディオ測定／解析機能を追加するために使用できます。R&S®CMW-B400B オーディオボードには、以下の機能が備わっています。

• 歪み率計（THD率／レベル、THD＋N率／レベル）、S/N比測定、周波数カウンター、AC電圧計、DC電圧計、FFTアナライザと、低歪みオーディオ信号源の複合機能
• 重み関数と標準フィルター（LP、BP、HPなど、各種設定が利用可能）
• アナログとデジタルの両方のアプリケーションの測定と定量化が可能な柔軟性
• マルチトーン測定：最大20個の独立したテストトーンを事前定義して解析可能

R&S®CMW-B400Bは、アナログ／デジタルチップセット、モジュールデザイン、有線／無線、民生用エレクトロニクスオーディオ製品など、さまざまなアプリケーションに利用できます。テスト環境での正確さと柔軟性により、製品のオーディオ品質に明確な違いをもたらすことができます。

R&S®CMW500 無線機テスタと、R&S®CMW-Z10 RFシールドボックス、R&S®CMW-Z11 アンテナ結合器、R&S®CMW-Z15 オーディオキットによるモバイルデバイスのオーディオパラメータの測定。