安全な高分解能の無線周波数セキュリティースクリーニング

課題

セキュリティーオペレーションの世界では、ますます多様化する脅威や禁止品目を検出できる効率的なチェックポイントオペレーションを可能にする、高性能のテクノロジーが求められてきました。スクリーニングシステムが直面する課題は精度だけではなく、安全性もあります。脅威を効果的に検出する強力なシステムは必要ですが、検査対象者を危険にさらしてはなりません。最も重大な懸念は、電離放射線への被曝による健康被害です。

ローデ・シュワルツのソリューション

ローパワーの無線周波数ミリ波スキャニング

R&S®QPSテクノロジーは、電磁波スペクトラムのミリ波レンジで動作します。これは、自動車の駐車支援アプリケーションに用いられている周波数とほぼ同じですが、パワーレベルは数千分の一です。システムは電離放射線を発生せず、出力パワーは携帯電話機の出力パワーのほんの何分の1かです。

R&S®QPSから放射される電磁波とエネルギーは、衣服を通過しますが、人体には侵入しません。電磁波は人体表面で反射され、結合されてアバターを形成します。これには、衣服内で検出された物体を表すインジケーターが表示されます。

R&S®QPSシステムからの電磁波は皮膚を通して侵入しないので、X線やその他の種類の電離放射線と異なり、細胞やDNAの原子構造を乱すことがありません。

R&S®QPSは、妊婦や、人工股関節／膝関節、金属ピンなどの整形外科インプラントを体内に持つ人に対しても安全なので、特別なスクリーニングを用意する必要がなくなります。

干渉の危険性なし

世界中で何百万もの人々が、心臓ペースメーカーや除細動器によって心臓の規則的拍動を維持しています。R&S®QPSテクノロジーは、第三者試験機関によるテストで、出力パワーがきわめて小さいため、人体に対して安全であることが確証的に証明されています（https://www.escardio.org/The-ESC/Press-Office/Press-releases/security-millimetre-wave-body-scanner-safe-for-patients-with-pacemakers-and-defibrillators European Society of Cardiologyの2018年8月のESC CongressでCarsten Lennerz博士（German Heart Centre Munich、Technical University of Munich、German Centre for Cardiovascular Research（DZHK））によって発表されたレポート）。

R&S®QPSによる1回のスキャンのパワーは、表面から5 cm離れた位置では、国際非電離放射線防護委員会（ICNIRP）が定めた許容限界の40,000分の1です。システムのスキャン体積（代表値）に対する許容レベルに比べると、500,000分の1です。R&S®QPSシステムのプロセスにかかる時間はわずか64 msで、人がまばたきする時間の5分の1です。R&S®QPSの電磁波エネルギーは、最新の携帯電話機が放射するパワーの1,000分の1以下なので、R&S®QPSによる100万回のスキャンで生じる被曝は、携帯電話による1分間の通話よりも小さくなります。このため、R&S®QPSはセキュリティーオペレーターにとってもスクリーニング対象者にとっても安全です。

高周波ミリ波テクノロジーによる高分解能検出

R&S®QPSは、高い周波数レンジで動作するため、現在使用されている従来型のAITテクノロジーに比べて、はるかに高い性能と検出能力を発揮します。1.9 mm（マッチの頭よりも小さい）の分解能により、R&S®QPSテクノロジーは、少量の禁止品、脅威となる物質、不審物を検出できます。このようなeAIT性能の向上により、古いAITシステムの詳細に報告されている性能上の課題を解決して、空港、国境、建物のミッションクリティカルなセキュリティースクリーニングや、非鉄材料や他の多くの異なる小さい物体の検出が要求される損失防止アプリケーションをサポートします。