O-RAN無線ユニットの検証

O-RANは、無線アクセスネットワークのオープン化、分離化、柔軟性の向上を実現します。O-RUは、3GPPおよびO-RAN規格に適合する必要があります。O-RANネットワークエレメントは非同期にリリースされるので、大規模なO-RANコンフォーマンステストには自動化が不可欠です。

R&S®VSE ベクトル信号解析ソフトウェアによる信号解析
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課題

Open RAN(O-RAN)の進化により、無線アクセスネットワークのオープン化、分離化、柔軟性の向上が実現します。ネットワークアーキテクチャーをオープンにすることで、イノベーションの促進、個別ニーズへの対応、ネットワーク効率の向上が可能になります。

インタフェースの標準化により、ネットワークプロバイダーは複数のベンダーを組み合わせて利用できるようになります。一方で、標準化は、ネットワークコンポーネントの間の相互運用性に関する新しい課題を生み出します。O-RAN無線ユニット(O-RU)などの個々のネットワークエレメントの開発、認証、連続テストには、テスト機器が重要な役割を果たします。自動化はこれまでも時間と費用の節約に貢献してきましたが、包括的なO-RANテストの実行にあたっては不可欠な役割を果たします。O-RANネットワークエレメントのハードウェアとソフトウェアのリリースは非同期的に行われるからです。

ローデ・シュワルツのソリューション

ローデ・シュワルツは、VIAVI Solutionsと協力して、O-RUのコンフォーマンス検証のための実証済みの強力なテストソリューションを提供しています。また、この共同セットアップは、異なるハードウェアおよびソフトウェアリリースの間でO-RUの品質を維持するための、コスト面で最適化された完全自動ソリューションを提供します。さらに、このソリューションは、異なるO-RUのKPIをテストして比較するためにも最適です。

このテストセットアップでは、VIAVI TM500 O-RUテスタが分散ユニット(DU)をエミュレートして、被試験O-RUの同期と設定を行います。アップリンクとダウンリンクの両方で、ローデ・シュワルツの信号発生器がRF信号と波形を出力し、シグナル・スペクトラム・アナライザが信号を捕捉してI/Qデータを解析します。

VIAVI O-RU Test Managerアプリケーションが、テストセットアップ全体を制御し、O-RUのコンフォーマンステストを簡素化します。テストケースを選択すると、テストマネージャーが自動的に適切な構成をトリガし、テストケースを実行して、テストレポートを作成します。

O-RU性能の測定方法

トランスミッターテストの場合、定義済みのO-RAN/3GPPテストケースまたはユーザー固有のFDD/TDD波形を信号発生器で作成して、UプレーンフォーマットでO-RUテスタにロードできます。Mプレーンを通じたO-RUの初期設定の後、O-RUテスタは、CプレーンとUプレーンの情報とSプレーンのデータをO-RUに送信し、O-RUはデータを処理してRF信号を送信します。ローデ・シュワルツのシグナル・スペクトラム・アナライザが、信号を捕捉して復調します。

信号発生器で送信RF信号を選択して、レシーバーテストに使用できます。O-RUは捕捉した信号を処理し、O-RANスプリット7-2xに従って、イーサネットリンク経由でO-RUテスタに送信します。

VIAVI O-RU Test Managerアプリケーションは、テスト結果の明確な合否判定レポートを提供します。R&S®VSE ベクトル信号解析ソフトウェアを実行して、信号をさらに詳細に解析することで、高度なデバッグを行うことができます。

O-RUコンフォーマンステストと異なり、3GPPの基地局フルコンフォーマンステストには、O-RUとO-DUのペアから構成されるセットアップが必要です。O-RUテストソリューションは、O-RU単体に対する3GPP基地局プリコンフォーマンステストを提供します。

リリースおよび製造テストのためのワンボックスソリューション

製造テストまたは研究開発でのリリース/連続テスト向けに、PVT360Aは小型の形状で速度とコストの要件を満たします。また、PVT360Aは、ワンボックスで2つのVSGおよびVSAを実現することで、並列O-RUテストを可能にします。

R&S®SMW200A ベクトル信号発生器による信号発生
R&S®SMW200A ベクトル信号発生器による信号発生
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O-RUテストセットアップ

  • R&S®FSV3000、R&S®FSVA3000、またはR&S®FSW シグナル・スペクトラム・アナライザ
  • R&S®SMW200A、R&S®SMM100A、またはR&S®SMBV100B ベクトル信号発生器
  • R&S®VSE ベクトル信号解析ソフトウェア
  • VIAVI TM500 O-RUテスタ
  • VIAVI O-RU Test Managerアプリケーション
  • PVT360A 高性能ベクトルテスタ
    信号発生器およびシグナル・スペクトラム・アナライザの代わりに使用できるリリースおよび製造テストのためのワンボックスソリューション
O-RUテストのための完全自動テストセットアップ
O-RUテストのための完全自動テストセットアップ

まとめ

ローデ・シュワルツの市場をリードする信号発生/解析ソリューションは、3GPP TS 36.141およびTS 38.141の基地局コンフォーマンステストを完全にサポートします。このソリューションは、VIAVI TM500 O-RUテスタとの組み合わせで、自動O-RAN WG4コンフォーマンステスト(O-RAN.WG4.CONF)をサポートするように拡張されています。将来の変化に対応するローデ・シュワルツの測定機器は、研究開発ラボでも製造段階でも威力を発揮します。