レシーバーテストの簡素化

R&S®SMW200Aベクトル信号発生器の高度な信号発生機能により、複数の信号発生器を使用する必要がなくなり、最大20 GHzまでのレシーバーのテストが簡素化されます。このワンボックスソリューションでは、実際の環境をラボで再現することができます。

Simplifying receiver testing with SMW200A

タスク

RFまたはマイクロ波レシーバーの性能の検証は、2つの作業に分けることができます。最初に、既知の「良好」な信号を用いて性能を検証し、理想的な条件でレシーバーの品質を確認します。次に、このクリーンな環境でレシーバーが正常に機能したら、信号環境を悪化させて、実際の困難な環境でレシーバーがどのように動作するかを確認します。

理想的な条件でレシーバーの性能を適切に確認するには、動作範囲の両端でレシーバーが信号をどのように処理するかをテストすることが重要です。これは、最大および最小のパワーレベルで、動作周波数バンドの両端で、最も帯域幅の広い最速の信号を使用してテストを行うことを意味します。これらの要件に対応するには、信号発生器にこれらの信号を出力できる柔軟性が必要ですが、さらに重要なのは、これらの信号をクリーンに出力できることです。

ここでの目的は、レシーバーの性能を測定して確認することであり、信号発生器の性能を測定して確認することではないため、信号発生器の信号純度仕様が非常に重要です。

理想的でない条件でテストを行うことや、より実際に近い信号を用いてテストを行うことは、稼働時のレシーバー性能を定量化するために不可欠です。しかし、この場合は、信号発生器やテストセットアップ全体への要求が非常に厳しくなります。一般的なテストでは、レシーバーの感度を確認し、ハイパワーの不要な信号や干渉信号の存在下で、ローパワーの「必要な」信号を復調できるかどうかを確認します。基本的にこれはレシーバーがこれらの不要な信号を無視して、正しく動作するかどうかを確認するためのものです。また、別のテストでは、レシーバーが混雑したスペクトラムから必要な信号を選択して復調できるかどうかを確認します。これらのテストでは、通常、レシーバーで復調する信号を発生する信号発生器と干渉信号を発生する信号発生器の、少なくとも2台の信号発生器が必要になります。2台の信号発生器を使用することで、作業の複雑さが増します。信号を組み合わせるのに外部の配線や結合器が必要になるだけでなく、アプリケーションでパルスド信号、時間変動信号、ホッピング信号が必要な場合には、これらの2つの信号源を正確に時間同期する必要があります。

電子計測ソリューション

ローデ・シュワルツは、レシーバーのテストを行うための独自のソリューションを提供しています。R&S®SMW200Aベクトル信号発生器は、優れた信号純度、内蔵された第2RFチャネル、および非常に強力で柔軟性の高いベースバンドの利用により、レシーバーのテストを簡素化できます。これらの機能を組み合わせることにより、2台の信号発生器を使用する必要がなくなり、テストセットアップが大幅に簡素化されます。これは時間の節約と測定の不確かさの軽減につながります。

理想的な条件でテストを行う場合は、信号発生器の信号純度が重要な要因になります。信号発生器からの信号がクリーンであるほど、レシーバーでの測定の確度が高くなります。測定の確度が高くなると、被試験デバイスでのテストマージンが改善され、最終的な製品の仕様が向上します。R&S®SMW200Aは、マイクロ波周波数でのクリーンな信号の発生に関して非常に優れた性能を備えています。

The SMW200A offers outstanding EVM performance up to 20 GHz.
The R&S®SMW200A offers outstanding EVM performance up to 20 GHz.
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160 MHzの内部変調帯域幅に対応したR&S®SMW200Aは、極めてクリーンな20 GHzまでの搬送波周波数で広帯域信号を発生することができます。

このように高品質な信号の発生が可能であるため、発生した信号によってレシーバー性能が制限されることがなく、テスト結果が信号発生器の影響を受けることがありません。R&S®SMW200Aでは、信号発生器の性能の測定ではなく、確実にレシーバーの性能の測定を行うことができます。

柔軟性の高いベースバンド、内蔵のフェージングハードウェア、第2RFチャネルを備えたR&S®SMW200Aを使用することにより、実際の環境をラボで再現することができます。1台の測定器にこれらの機能がすべて統合されているため、複数の信号発生器を使用した複雑なテストセットアップを使用することなく、最も困難な信号環境にも対応することができます。ドップラー効果のシミュレーション、複数の位相コヒーレント信号の発生、捕捉した波形やカスタム波形の再生など、R&S®SMW200Aは、測定の不確かさを低減し再現性を向上させながら、あらゆる種類のシナリオを作成できます。1つのユーザーインタフェースで、1台の校正済みの信号発生器からすべてを行うことにより、セットアップに要する時間が短縮されます。

The straightforward SMW200A touchscreen user interface simplifies the setup of complex signals.
The straightforward R&S®SMW200A touchscreen user interface simplifies the setup of complex signals.
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主な特長

  • 優れたRFおよびマイクロ波性能により、より確度の高い信号を提供
  • 複数のベースバンドにより、複雑な信号環境の作成が容易
  • 第2出力チャネルにより、マルチバンドおよび位相コヒーレントテストが可能
  • 内部フェージングにより、1台の信号発生器でフェージング効果やドップラー効果をシミュレート可能
  • 複数の独立ノイズソースにより、必要な信号に相加性白色ガウシアン雑音(AWGN)を追加可能