リモートタワーアプリケーション向けCERTIUM VCS

ローデ・シュワルツのソリューション - CERTIUM VCSなどのIPベースの通信インフラは、リモートタワー設備が直面する課題解決に最適です。

航空交通管制用VoIP

課題

航空管制サービスプロバイダー(ANSP)のコストを最適化するために、SESAR(Single European Sky ATM Research)とEUROCAEはリモートタワーのコンセプトを定義しました。このコンセプトでは、ローカルタワーで業務を行う場合と同様の安全性を維持したまま、複数のリモートタワーを中央から完全に制御することが可能になります。

これまでと異なるリモートタワー設備の運用コンセプトでは、ローカルタワーで現在使用されている静的な構成の航空交通管制(ATC)設備にはない新たな柔軟性が必要になります。また、音声通信システム(VCS)では、リモートタワーの運用ニーズをサポートするソリューションを提供する必要があります。つまり、数百キロ先にあるリモート拠点と柔軟かつ動的に接続して、高品質で信頼性の高い通信を確保する必要があります。

ローデ・シュワルツのソリューション

CERTIUM VCSなどのIPベースの通信インフラは、リモートタワー設備が直面する課題解決に最適です。

柔軟かつ動的な接続

EUROCAEが発行したED-137規格では、ATC環境内の音声通信でのIPの使用が規定されています。IP VCSでは、この規格と共通のIPインフラを利用することにより、さまざまな空港にある航空機-地上間および地上-地上間の関連するリソースに動的に接続して、中央の1つのVCSから複数のリモートタワーで同時にATC業務を安全かつセキュアに行うことができます。これは空港運営の柔軟性向上を通じて、空港利用者への全般的なサービスの向上にもつながります。

信頼性の高い通信

これまでは、冗長でコストのかかる従来型のVCSを使用して、空港ごとに信頼性の高い通信を実現していました。最新のリモートタワーのコンセプトでは、1つの冗長なIPベースのVCSを中央の拠点に配置し、これをさまざまなリモート空港に接続します。このスター型のトポロジーでは複数の空港がカバーされるため、信頼性の高い通信を確保するために設備やインフラに必要な投資を行う正当な根拠となります。インテリジェンス機能がさまざまな機器に分散配置されるVoIPシステムを導入することにより、信頼性と可用性がさらに向上します。これはシステムの一部で障害が発生しても、他の部分の動作に影響を与えないためです。

費用効率

複数のVCSに投資する代わりに1つのIPベースのVCSに投資することにより、設備投資コストと運用コストが大幅に削減されます。さらに、すべてのアプリケーション(音声、映像、レーダーを含む)で共通のIPインフラを共有することにより、調達、運用、保守に関するシナジーが得られ、大幅なコスト削減につながります。既存のIPインフラには最新のリモートタワーを簡単に追加できるため、拡張コストが最小限に抑えられます。

フルIPのシステムアーキテクチャーと分散型インフラに対応したCERTIUM VCSは、リモートタワーアプリケーションに最適です。

アプリケーション

航空管制サービスプロバイダーが、3つのリモートタワーにリモートタワーアプリケーションを導入し、別の中央拠点タワーからこれらのリモートタワーを運用したいと考えています。4つのタワーではすべて、同じ音声通信インフラを共有します。

こうしたニーズに対応するために、ローデ・シュワルツは中央の拠点にCERTIUM VCS 音声通信システムを1つ提供しています。フルIPのシステムアーキテクチャーと分散型インフラに対応したCERTIUM VCSは、ローカルおよびリモートの無線機と電話リソースへのアクセスをサポートしています。このため、中央の1つの拠点から複数のリモートタワーを運用することが可能になります。CERTIUM VCSシステムは、中央拠点タワーとその他のリモートタワーに対して共通の航空機-地上間および地上-地上間通信サービスを提供しています。

CERTIUM VCSはEUROCAE ED-137規格に準拠しているため、ローカルおよびリモートタワーにあるED-137に準拠した無線機を組み合わせて使用することができます。予算に制約があるために、リモート拠点にあるアナログ/E1信号/音声インタフェースを備えた既存の無線機はリプレースされていません。これらは、ゲートウェイを介して通信システムに統合されています。

ゲートウェイでは、EUROCAE ED-137の信号と音声がIP VCSから既存の無線機向けのアナログ/E1信号/音声に変換され、同様に逆方向の変換も行われます。これらのアナログ無線機の耐用年数が来たら、CERTIUM VCSコンポーネントの更新や追加を行うことなく、EUROCAE ED-137に準拠した無線機に置き替えることができます。

EUROCAE ED規格に準拠したVoIP通信に必要なサービスレベルを提供できる冗長構成のIPネットワークにより、中央の拠点とリモート拠点が接続されます。映像やレーダーデータなどの他のメディアでも、この同じIPインフラが使用されます。

システムの概要:

  • CERTIUM VCS 標準管制卓
  • CERTIUM VCS サーバーインフラ
  • 中央の拠点とリモートタワーにあるさまざまなメーカーのアナログ無線機およびVoIP無線機との接続
  • 中央の拠点とリモートタワーにあるアナログおよびデジタル電話回線との接続
  • 高度な役割選択メカニズムやビデオ送信統合などのためのATMアプリケーションとの統合
リモートタワーソリューションでのCERTIUM VCSの展開
リモートタワーソリューションでのCERTIUM VCSの展開

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