複数のDC電源のリモート制御

ローデ・シュワルツは、すべてのチャネルの状態や測定値の概要を把握するために、すべての測定器とチャネルを1つのインタフェースから設定するツールを提供しています。

課題

テクノロジーは進歩し、発展し続けているため、システムの性能や消費電力を最適化することが重要です。電力管理は、すべての製造段階において重要です。これにより、デバイスは安全リミット内で効率的に動作できるようになります。テストおよびデバッグ中の消費電力を管理するためには、電圧/電流レベルの設定、出力のモニタリング、データの収集が不可欠です。テクノロジーが複雑化するにつれて、より多くのデバイスのモニタリングと管理が必要になります。

ローデ・シュワルツのソリューション

R&S®NGL200/NGM200は、開発プロセスにおける制御および柔軟性を高め、効率、安全性、性能の向上を実現する、高性能の専用電源です。R&S®NGL200/NGM200のリモート制御機能を用いれば、開発者は、複数の電源の設定を一元的にモニターし、調整することができます。より高い電圧または電流を必要とするアプリケーション、またはタップがある電圧源のスタックでは、複数のDC電源チャネルを直列または並列動作させる必要があります。R&S®NGL200/NGM200 電源のチャネルはすべて、外部グランド機器導体やデジタルグランドからアイソレートされています。電流容量を高めるには並列に、より高い電圧またはデュアル電圧電源の場合は直列にチャネルを接続できます。複数の電源チャネルを使用する場合は、すべてのチャネルの状態や測定値の概要を把握できる、すべての測定器とチャネルを1つのユーザーインタフェースから設定するためのツールが必要です。

アプリケーションソフトウェアの電源のSCPIリモート制御用タブ
アプリケーションソフトウェアの電源のSCPIリモート制御用タブ
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リモート制御用タブ

リモート制御用タブでは、SCPIコマンドやクエリを使用して、測定器と通信することができます。以下に示すように、コマンドまたはクエリをテキストボックスに入力します。

Send SCPI script to all R&S®NGx

このメニュー項目では、SCPIスクリプトファイルを検索するためのファイル選択ボックスが開きます。有効なファイルを選択し、ファイル選択ボックスを閉じる("OK"を押す)と、スクリプトファイルが開き、コマンドが1つずつ読み取られます。各SCPIコマンドが使用可能なすべての測定器に送信されます。電源フィールドの1つに入力されたリソース文字列によって測定器を選択する必要があります。

メインメニュー
メインメニューには、次の3つのオプションがあります。

  • 設定用のセットアップメニュー
  • 測定メニューによる連続的な表示の更新の開始、停止、設定
  • 表示メニューによるすべての電源の表示の同時変更

スタートアップ設定ウィンドウ

アプリケーションプログラムを閉じるとすべての設定がファイルに保存され、再起動するとこれらの設定がロードされます。アプリケーションプログラムの再起動後にアクションを選択することにより、接続されている測定器を準備することもできます。アクションをこのウィンドウで設定することもできます。

ファイルからの設定のロード

プログラムの設定(接続されている電源の設定ではない)は、アプリケーションウィンドウを閉じるとファイルに自動的に保存され、プログラムの起動時にこのファイルから読み込まれます。アプリケーションプログラムが終了したところから作業を再開できます。複数の設定を個別のファイルに保存できます(異なる番号や接続されている電源のタイプ)。

アプリケーションソフトウェアのチャネル表示
アプリケーションソフトウェアのチャネル表示
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測定結果

チャネル表示には、電圧と電流の測定値が表示されます。これらの値は、連続更新の実行中に更新されます。定電圧モードの場合は緑で、定電流モードの場合は赤で表示されます。

数値入力フィールド
数値入力フィールド
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電圧/電流設定

チャネル表示のグレーのフィールドには、電圧と電流の制限値が表示されます。それらをクリックすると、これらの値を編集するためのウィンドウが開きます。数値フィールドに値を入力し、単位を選択します。"OK"を押すと、ウィンドウが閉じ、値が接続されている機器に転送されます。"ESC"を押すと、前の設定を変更せずにウィンドウが閉じます。

まとめ

電源管理は、デバイス性能の最適化やバッテリー寿命の延長に役立つため、開発にとって重要です。R&S®NGL200/NGM200を使用すれば、制御や柔軟性が向上し、複数の電源の設定にアクセスできるため、開発時の効率、安全性、性能が向上します。