R&S®RT-ZISO 絶縁プロービングシステムによる正確なダブルパルステスト

ダブルパルステスト(DPT)は、MOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)、IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)、およびWBG(ワイドバンドギャップ)パワー半導体デバイスのスイッチング動作を評価する上できわめて重要です。スイッチングデバイスのスルーレートは高速化しており、特にハイ側のパワートランジスタでは、スイッチノードを基準点とすることが原因で過酷なコモンモード環境が生み出されます。従来の高電圧差動プローブは、高周波領域におけるコモンモード除去比(CMRR)が制限されるため、適切な測定値を得るのが困難でした。

R&S®RT-ZISO 絶縁プロービングシステム
R&S®RT-ZISO 絶縁プロービングシステム(帯域幅:100 MHz~1 GHz、入力範囲:±3,000 V、コモンモード(CM)範囲:±60 kV、CMRR(1 GHz):90 dB、最高感度範囲:±20 mV)
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課題

パワートランジスタを特性評価する場合、高速なスイッチング過渡現象を正確に測定し、ダイナミックオン抵抗やスイッチング損失を解析する際に、DPTセットアップ上での高電圧差動やコモンモード(CM)ノイズを管理しようとすると、従来のプロービング手法では、安全性、確度、帯域幅に必要な要件を同時に満たすことが困難になります。これは特にワイドバンドギャップ半導体において顕著です。ゲート-ソース間のハイ側測定ではロー側トランジスタによってスイッチノードが切り替わり、急激に変化するコモンモード電圧が発生します。従来の高電圧差動プローブは4 mmという長いバナナテストリードを備えているため、ノイズの影響を非常に受けやすくなっています。このような制限を克服し、高周波領域において高いコモンモード除去比(CMRR)で高精度測定を行えるソリューションが求められています。

トランジスタのゲートチャージの細部
トランジスタのゲートチャージの細部:R&S®RT-ZHD07 差動高電圧プローブ(左側・青色)ではCMRRノイズに隠れていた細部が、R&S®RT-ZISO(右側・緑色)では表示されています。
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ローデ・シュワルツのソリューション

R&S®RT-ZISO 絶縁プロービングシステムは、こうした測定の課題に対処するために設計および開発されました。光絶縁を採用することにより、測定器に向かう戻り経路を制限し、コモンモードノイズの抑制に貢献します。新しい同軸プロービング手法により、シールドされたプローブチップが高速なコモンモードノイズを発生源へと送り返すため、測定信号への影響を最小限に抑え、優れたCMRRを実現しています。従来の高電圧差動プローブのCMRRは、最大400 MHzの帯域幅で通常20 dB~25 dBです。右のスクリーンショットは、R&S®RT-ZISOを使用することで、トランジスタのゲートチャージ効果をどのように特定できるのかを詳細に示しています。

DUTをハイ側に設置したダブルパルステストのセットアップ。
DUTをハイ側に設置したダブルパルステストのセットアップ。ゲート測定では、スイッチノードの切り替わりをコモン信号として観測します。
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DPTセットアップにおけるCMRRの検討事項

DPTセットアップで高速パワーデバイスを測定する際、R&S®RT-ZISO 絶縁プロービングシステムはコモンモードノイズを抑制し、真の測定値を取得するために役立ちます。適切なCMRRが得られるのは、測定経路の挿入インダクタンスが最小限に抑えられている場合のみです。スクエアピンやワイドスクエアソケットをプローブチップとして使用することも可能ですが、DUTへの接続や信号の配線において、同軸チップと比較して高周波領域でのCMRRが大幅に低下してしまいます。適切なコネクタを設計し、配線にも注意を払う必要があります。ここで、DPTのエキスパートに相談することが大きな助けとなります。

PE-Systems GmbHは、モジュール式DPTテスタの設計サービスとシステムインテグレーションにより、世界中のユーザーにDPTソリューションを提供しています。同社のモジュール式フィクスチャは、MMCXコネクタ設計において、寄生効果を最小限に抑え、R&S®RT-ZISOとの組み合わせで最高の信号性能を保証します。正確で再現性のある結果を得るためには、経験とノウハウがきわめて重要です。

このプローブは、低ノイズかつ±20 mVという高感度を備えているため、シャント電流測定にも適しています。PE-Systems社は、最小限の挿入インダクタンスと広帯域を備えたMMCX表面実装型シャントを採用することで、正確な電流測定を実現しました。

PE-Systems GmbH ダブルパルステスタ
PE-Systems GmbHのダブルパルステスタでは、ラックシステムのテストセットアップ、ゲートドライバー、測定器が、アクセスしやすい安全な筐体に統合されており、サーマルストリームや部品のピックアンドプレースを含むカスタマイズにも容易に対応します。
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DPTセットアップにおける電気性能以外の課題

DPTでは、機械的な汎用性と環境セットアップが求められます。高電圧および電流テストは安全な筐体内で行われ、そこでは機器やプローブが限られたスペースに配置されます。モジュール式セットアップの温度コンディショニングの要件や複雑なゲートドライバーでは、機器やプローブの慎重な配置が求められます。

R&S®RT-ZISOは、長く、形状を自由に変えられるプローブチップを採用しており、加えて、一般的な三脚やカメラマウントに対応したプローブホルダーブラケットが用意されているため、セットアップのカスタマイズが容易です。形状記憶型のチップはその形を保持するため、コネクタにかかる負荷を最小限に抑え、寿命を延ばすことができます。高周波のコモンモード信号を扱う作業では、測定器を安全な距離に設置するか、干渉を最小限に抑えるためにシールドする必要があります。

PE-Systems社のモジュール式DPTテスタは、MXO 5CオシロスコープおよびR&S®RT-ZISOの長い10 mファイバーケーブルをサポートしています。また、PE-Systems社のDPTテスタはソフトウェアを介してリモート操作することも可能で、機器やプローブを安全な距離からコントロールできます。

まとめ

次世代パワーコンポーネント向けのDPTには、高周波および高電圧範囲に対応する優れたCMRRが求められます。R&S®RT-ZISO 絶縁プロービングシステムは、これらのニーズを満たすように設計されています。PE-Systems社のDPTテストソリューションと組み合わせれば、プローブの機能がさらに拡張され、ノイズの多い環境での正確な測定や、高速なシャント電流センシングに対応できます。

精度と堅牢性に対する需要が高まるにつれ、テストに対応可能な設計や、特殊なテストセットアップに関する専門知識がきわめて重要になります。ローデ・シュワルツとPE-Systems社のソリューションは、お客様の測定要件に対する包括的な回答や解決策を提供します。

MXO 5C:4チャネルモデル

MXO 5C:8チャネルモデル

PE-Systems GmbH DPTテストフィクスチャ

PE-Systems GmbH DPTテストフィクスチャ

PE-Systems GmbH ユニバーサルゲートドライバー

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