フェーズドアレイ・アンテナとAiP(Antenna in Package)のOTA特性評価
R&S®ATS1000 アンテナ・テストシステムは、専有面積が小さく、フェーズドアレイ・アンテナのテストに最適な直接遠方界OTAシステムです。AiPテクノロジーを使用するモジュールの放射特性を18 GHz~87 GHzの範囲でテストし、最適化します。
R&S®ATS1000 アンテナ・テストシステムは、専有面積が小さく、フェーズドアレイ・アンテナのテストに最適な直接遠方界OTAシステムです。AiPテクノロジーを使用するモジュールの放射特性を18 GHz~87 GHzの範囲でテストし、最適化します。
AiPは、絶え間なく変化するテクノロジーシーンの牽引役となり、高性能5Gアンテナソリューションや他のミリ波アプリケーションへの道を切り開きます。AiPモジュールは、超小型アンテナを使用します。また、アンテナエレメント数が多いため、放射利得が大きく、経済的でエネルギー効率の高いソリューションを実現できます。
一方でチップメーカーは、フェーズド・アレイ・アンテナの設計上の制約に直面します。AiPモジュールはRFコンポーネントが完全に一体化されている組み込み式モジュールであるため、伝導テストは不可能です。最適化と検証のためには、システムレベルのテスト、統合、製造の段階でOver-The-Air(OTA)テストが必要です。ミリ波のビームフォーミングには、正確で信頼性が高く、効率的なソリューションが必要になります。
R&S®ATS1000 アンテナ・テストシステムは、多様なアンテナテスト市場に対応したシールド・チャンバー・ソリューションです。特に、高度に統合されたフェーズド・アレイ・アンテナのフロントエンドに適しています。フェーズド・アレイ・アンテナの各エレメントをR&S®AMS32ソフトウェアで個別に特性評価することも可能です。R&S®ATS1000は、3次元アンテナパターンの特性評価とAiPのアンテナシステム特性評価のテスト要件をすべて満たしており、 直接遠方界条件での測定を、完全電波暗室内で高速かつ信頼性の高い形で行います。18 GHz~87 GHzの広い周波数レンジに対応しています。
R&S®ATS1000を補うために、ローデ・シュワルツのさまざまな最新鋭の電子計測機器を併用して、TRP、EiRP、3次元パターンなどのAiP OTAパラメータをテストすることができます。例えば、高品質ベクトル・ネットワーク・アナライザ(VNA)、R&S®ZNAは、高い測定スループットを持ち、CW信号の正確な生成と測定を同時に行います。
さらに、R&S®SMW200A ベクトル信号発生器とR&S®FSW シグナル・スペクトラム・アナライザを併用すると、ACLR、EVM、BERなどのパラメータを検証できます。R&S®ATS1000はI/Q変調信号を正確に生成、測定、分析し、AiPモジュールのRF特性の強化に役立つ貴重な情報を提供します。
遠方界スキャナーと3次元放射パターン
R&S®ATS1000には、直接遠方界OTA測定を行うAiPモジュールを容易に収納できます。また、内蔵の高精度コニカル・カット・ポジショナーは、非常に高い再現性を持ち、方位角と仰角のいずれも0.03度の角度分解能で動作します。さらに、ハードウェアトリガによって、フェーズド・アレイ・アンテナのRF特性評価を高速かつ正確に行うことができます。
コンパクトで正確な移動式システム
固定式のテストチャンバーは、施設内で大きな面積を専有します。一方、移動式のR&S®ATS1000は、専有面積が1.3 m2と小さく、どのラボでも使用できます。チャンバーのサイズは19インチラック相当ですが、測定確度は、3倍のサイズを持つ従来型アンテナ測定チャンバーと同等です。