ローデ・シュワルツのソリューション
CST Studio Suite®は、実環境でのチューニングのためにUSB、ソケット、イーサネット接続をサポートし、ローデ・シュワルツのさまざまなベクトル・ネットワーク・アナライザを使用できます。R&S®ZNBは、速度、ダイナミックレンジ、操作性を重視した、製造ライン向けの最先端のベクトル・ネットワーク・アナライザです。高い測定確度と、1ポイントあたり5 µs未満という優れた速度を兼ね備えています。例えば、401ポイントを4 msという短時間で掃引します。さらに、高いパワー処理能力、高い感度、小さいトレースノイズも特長です。R&S®ZNBのベースユニットのダイナミックレンジは代表値140 dB(10 Hz IF帯域幅)と広く、同クラスの他の市販製品を上回っています。オプションのダイナミックレンジ拡張を使用すれば、ダイナミックレンジを150 dBまで広げることができます(これは真のダイナミックレンジであり、伝送係数が小さい場合にレシーバーが圧縮領域に入ることはありません)。
完全一体型で使いやすいソリューション
フィルターのチューニングは、以下の4ステップで行います。
- R&S®ZNB ベクトル・ネットワーク・アナライザを校正し、DUT上でSパラメータ測定を行います。
- PCで実行中のCST Filter Designer 3DとR&S®ZNB ベクトル・ネットワーク・アナライザをリモート接続します。このソフトウェアが測定データをリアルタイムで自動的に読み取ります。
- ソフトウェアは、選択されたフィルタートポロジーに基づき、測定されたSパラメータから結合マトリクスを抽出します。
- エラーバーは、結合と自己共振との間でチューニングがどの程度ずれているかを示します。これは、ねじ、可変コンデンサ、バラクターダイオードなどのチューニングメカニズムによってフィルターハードウェアを最適化する際に必要な情報です。
このフィルターモデルは、CST Filter Designer 3Dでデザインされ、CST Studio Suite®でシミュレートされています。製造プロセスが正確であれば、シミュレートされた結合マトリクスに一致するようにハードウェアをチューニングした場合、R&S®ZNBによる実際の測定でも同じ結果が得られます。
CST Filter Designer 3D環境を下のスクリーンショットに示します。R&S®ZNBから読み取ったSパラメータの測定値が表示されています。エラーバーは、各マトリクス要素が最適なチューニングからどの程度ずれているかを示します。