IEC 62301およびEN 50564に準拠したスタンバイ消費電力の測定

今日のほとんどの電子機器には、スタンバイモードが搭載されています。多くの国では消費電力に関する規制があり、その制限はますます厳しくなっています。このため、標準化されたパワー測定が不可欠です。

課題

最先端の電源には、さまざまな動作モードが搭載されており、実際の負荷状況に合わせることで、きわめて高い効率を実現します。このために、消費電流に大きな歪みや不規則性が生じます。パワー測定の際には、これを考慮して正しい計算を行う必要があります。

関連する規格(IEC 62301およびEN 50564)では、実行と計算の方法が、必要な精度を含めて定義されています。ただし、要求されている方法はきわめて複雑で、手動で実現するには時間がかかりすぎます。

電子計測ソリューション

R&S®HMC8015 パワー・アナライザは、シームレスな収集とリアルタイムのシグナルプロセッシングにより、高速な測定が可能です。精密な測定により、重要なデザインに対しても、規格へのコンプライアンスを確認できます。

オプションのR&S®HZC815 電源アダプターを使用すれば、DUTとR&S®HMC8015の間の安全な接続を簡単に実現できます。そのためには、アダプターに付属するケーブルを測定器前面のソケットに接続します。さまざまな国での接続に対応するため、国別の専用アダプターモデルが用意されています。

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アプリケーション

セットアップウィザードによる容易な設定

R&S®HMC8015のセットアップウィザードを使用すれば、測定手順と必要な測定器パラメータの設定を容易に行うことができます。これにより、測定誤差を最小化し、短時間で結果を確認できます。測定プロセスは、完全に自動化されています。上記の規格に関する事前の知識は、いっさい必要ありません。

供給電圧や電源品質といった環境変数は常時モニターされており、測定中に表示されます。偏移はカラーで表示されます。

測定の詳細

まず、ウィザードの指示に従ってDUTを接続し、必要な動作モードにします(1)。国別のライブラリを利用して、適切な電源電圧と周波数を選択できます。特殊なケースでは値を個別に設定することもできます(2)。

次のステップでは、デバイスの予想消費電力に基づいて電流範囲とクレストファクターを設定します(3)。

最後に、消費電流のタイプがわかっている場合は、静的、周期的、可変の中から選択します(4)。これにより、測定の速度が向上します。設定が正しくなくても、R&S®HMC8015は異なる動作を検出して、正しく測定を行います。

測定中には、ステータス表示により、すべての測定値とその変動範囲が明確に示されます(5)。

テストレポート

測定が完了したら、結果をUSBフラッシュメモリに保存できます。対話型のHTMLフォームが作成され、カスタマーデータを入力することでニーズに合ったテストレポートを作成できます。

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