POLQA®による音声品質テスト

モバイルデバイスのVoNR/VoLTEの音声品質/性能を分析するには、R&S®CMX500 無線機テスタが最適です。

CMX500 無線機テスタ
CMX500 無線機テスタ
ライトボックスを開く

5G音声サービスの重要性

5G New Radioは、高いデータスループットと数百万のIoTデバイスを接続できることで知られています。ただし、音声サービスの重要性は変わりません。エマージェンシーサービスや輸送業界の基幹業務は、信頼性の高いリアルタイムの音声接続が前提となっています。また、消費者の大部分は音声通話も含む5G契約を希望しており、いつでもどこでも利用できる高品質のモバイル音声サービスを期待しています。

3GPPは、5Gネットワークが高品質のVoice over NR(VoNR)サービスを提供しなければならないと定めており、オペレーター(事業者)が既存の音声データを2G、3G、4Gネットワークから5G NRに移行するための道筋を規定しています。4GのVoice over LTE(VoLTE)と同様に、5GネットワークのベースとなるテクノロジーはIPマルチメディアサブシステム(IMS)です。

5Gのデフォルトの音声コーデックでは、Enhanced Voice Services(EVS)を使用する「HD voice+」を5G対応デバイスで利用できます。これらのデバイスの音声品質/性能は、Perceptual Objective Listening Quality Analysis(受聴品質の知覚的客観的分析:POLQA®)などのアルゴリズムによってまとめられた平均オピニオンスコア(MOS)に基づいて等級分けされます。MOSは、音声品質を1(bad)から5(excellent)までの値で評価します。音声性能テストは、モバイルサービスプロバイダーとモバイルデバイスメーカーには必須です。これらのテストによって、モバイルデバイスの音声性能と限界を把握できると同時に、初期のデザイン段階で問題を特定することもできます。

従来の方法

音声性能を評価するには、モバイル通信テスタと外部のPCを使用してセルラー接続を確立し、被試験デバイス(DUT)のIMSインフラをシミュレートします。アップリンクとダウンリンクの音声品質を評価してMOSを確定する場合、複雑で時間のかかる音声品質評価を迅速に行うには、外部のオーディオ・アナライザを追加する必要があります。

ローデ・シュワルツのソリューション

R&S®CMX500 無線機テスタは、IMSサーバーとR&S®CMX-KA181 POLQA® 音声測定オプションを内蔵するため、音声品質/性能テストを簡単に行うことができます。このワンボックスソリューションは、管理されたエラーのない状態で5G NR/4G LTEネットワークとユーザー機器間の無線リンクをシミュレートし、必要なIMSインフラも提供します。5Gに必須のEVSも含め、VoNR/VoLTEの規格に基づく音声コーデックをすべてサポートしています。

内蔵のR&S®CMX-KA181 POLQA® 音声測定オプションを選択すれば、アップリンクとダウンリンクの音声品質を評価する際に外部のオーディオ・アナライザは不要です。テストを実施するときには、ユーザー機器のヘッドセットにある電気的インタフェースを通じて、ユーザー機器と無線機テスタとの間で双方向音声接続を確立します。

テスト手順

R&S®CMX500は、再生対象となる業界標準のITU-T P.501音声基準信号を内蔵しており、この音声信号を伝送チャネルに入力します。音声信号は、伝送中に音声圧縮や伝送アーティファクトによって品質が低下します。R&S®CMX500は、低下した音声信号を記録し基準信号と比較します。内蔵のPOLQA® 音声測定オプションがITU-T勧告P.863に基づいて音声品質を評価し、MOSを求めます。テストはすべて、フェージングやIP障害の条件でも実行できるため、DUTの音声デコーダーとジッタバッファーの信頼性を検証できます。

スクリプト作成と自動化

R&S®CMsequencerは、R&S®CMX500内蔵のグラフィカルスクリプトインタフェースです。3GPP 26.954に基づくVoLTE/VoNR音声品質テストを完全に自動化できます。ユーザーは、テストキャンペーンをわずか数クリックで定義できます。内蔵のPOLQA® 音声測定オプションも、XLAPIスクリプトで実行できます。

研究開発から製造まで

内蔵のPOLQA® 音声測定オプションを選択することによって、R&S®CMX500を幅広い目的で使用できます。アプリケーションの設計の際、新しいソフトウェア、新しいコーデック、コーデックのアップデートを簡単に早い段階でテストすることができます。また、VoNR/VoLTEの性能と信頼性に関するテストを研究開発テストと製造段階に簡単に組み込むことができます。ネットワークオペレーター(事業者)は、このソリューションを使用することで、デバイスの音声機能が規格に準拠しているかどうかを短時間で検査することができます。

高い柔軟性

ローデ・シュワルツのR&S®CMX500は、音声テストの柔軟性を最大限に高めます。必要な音声測定のために、さまざまなテストセットアップをサポートしています。ワンボックスのソリューションであるため、POLQA®の測定を簡単に行うことができます。音響テストなどの複雑な音声テストを行う場合は、複数の外部オーディオ・アナライザを簡単に手早く接続することができます。

R&S®CMX500 無線機テスタは、POLQA®アップリンク(UL)/ダウンリンク(DL)測定を行うことができるワンボックスソリューションです。

CMX500 無線機テスタ