R&S®CLGDとR&S®FSWによる、CATVアンプのDOCSIS 3.1 BERテスト

課題

IPおよびケーブルTV(CATV)のデータレートと柔軟性を高める必要があることから、DOCSIS 3.1が導入されました。下りチャネルの帯域幅が最大192 MHz、上りチャネルの帯域が幅最大96 MHz、ケーブルネットワークの周波数拡張が最大1.2 GHz(将来は1.8 GHzまで拡張予定)になり、ケーブルコンポーネントは、これまでよりはるかに厳しい技術要件を満たす必要があります。テスト要件には、フルチャネル負荷のサポートと、DOCSIS 3.0信号とDOCSIS 3.1信号(場合によってはアナログTVも)の共存が含まれます。

R&S®CLGDとR&S®FSWによるCATVアンプのテストセットアップ
R&S®CLGDとR&S®FSWによるCATVアンプのテストセットアップ

ローデ・シュワルツのソリューション

R&S®CLGDは、これらのテスト要件に対応でき、市販されている柔軟でコンパクトな唯一のソリューションです。DOCSIS 3.1で帯域幅が大幅に広がり、コンスタレーションモードも高くなったため(最大16kQAM)、非常に強力なスペクトラム/シグナル・アナライザが必要です。R&S®FSWは、57 dB(代表値)以上のMERの測定と、DOCSIS 3.1信号に基づいたBER測定を実行できるので、理想的なアナライザです。

DOCSIS 3.1のビット・エラー・レート(BER)テストソリューション

ビット・エラー・レート(BER)は、CATVコンポーネントのメーカーにとって重要な指標です。BERを測定するには、信号発生器から送信されたデータシーケンスをシグナル・アナライザが前もって認識する必要があります。

R&S®FSWは、R&S®FSW-K192 DOCSIS 3.1解析オプションのLDPCデコーダーで検出されたビットエラーを使用してBERを計算するため、事前のデータシーケンスの認識は不要です。R&S®FSWは、測定された(復調済みの)データを使用可能な基準情報と比較して、単独でBERを計算します。

R&S®CLGDのDOCSIS 3.1チャネル設定用GUI。
R&S®CLGDのDOCSIS 3.1チャネル設定用GUI。
ライトボックスを開く

R&S®CLGDはDOCSIS 3.1信号のフルチャネル負荷を作成することができます。DOCSIS 3.1の代表的な信号設定を左の図に示します。最も重要なのは赤い枠のパラメータ(DOCSISプロファイルの周波数とコンスタレーション)です。

CATVアンプの入力となるフルチャネル負荷をCLGDが作成。
CATVアンプの入力となるフルチャネル負荷をCLGDが作成。
ライトボックスを開く

同様に、R&S®CLGDは、DOCSIS 3.0信号のフルチャネル負荷を作成して、CATVの周波数スペクトラム全体を占有することができます。

RF出力周波数と信号のパワーを個別に調整できるR&S®CLGDは、DUTの複雑な問題をシミュレートできる柔軟性の高いケーブル・ロード・ジェネレーターです。

R&S®FSW-K192によるDOCSIS 3.1の下りの解析。
R&S®FSW-K192によるDOCSIS 3.1の下りの解析。
ライトボックスを開く

DUTからのRF出力は、R&S®FSWのRF入力ポートに直接接続されます。R&S®FSWで「Mode」を選択し、ポップアップメニューから「DOCSIS 3.1」を選択します。下りチャネルの測定オプションを選択し、正しい周波数を設定します。右側のメニューにある「Auto Level」と「Auto Set From PLC & Run」を押すと、DOCSIS 3.1のすべてのパラメータが自動的に調整されます。

R&S®FSWシグナル・スペクトラム・アナライザのDOCSIS 3.1 BER測定のスクリーンショット。
R&S®FSWシグナル・スペクトラム・アナライザのDOCSIS 3.1 BER測定のスクリーンショット。
ライトボックスを開く

R&S®FSWの表示モードで、「Signal Content Detailed」オプションを選択すると、各DOCSIS 3.1プロファイルのすべてのPLCデータ、コードワードなどの解析が詳細に表示されます。LDPC前とLDPC後のBER測定値も表示されます。この例は、4096QAMのDOCSIS 3.1プロファイルを示します。このテストを行うには、R&S®CLGDでRF出力信号を増やすか、AWGN設定を調整します。BER解析ウィンドウから、これらの変化が分かります。

R&S®FSWシグナル・スペクトラム・アナライザとR&S®CLGD DOCSISケーブル・ロード・ジェネレーターの併用
R&S®FSWシグナル・スペクトラム・アナライザとR&S®CLGD DOCSISケーブル・ロード・ジェネレーターの併用
ライトボックスを開く

まとめ

R&S®CLGDとR&S®FSWは、DOCSIS 3.1ネットワークのアンプ、DFBレーザー、その他のコンポーネントをテストするために必要な機能をすべて備えています。さらに、既存のDOCSIS 3.0信号の作成と解析にも使用できるため、コストパフォーマンスに優れたソリューションでもあります。