R&S®CMWrun - 音声パフォーマンス試験ソリューション

シーケンサ・ソフトウェア・ツール

電子計測ソリューション

R&S®CMWrunソフトウェアは、VoLTEやレガシー規格の音声/通話性能試験に最適な自動化ツールです。このセットアップでは、R&S®CMW500コールボックステスタは、2G/3GおよびLTEネットワークエミュレーターとして機能します。これには、統合IMSサービスサポートと、規格固有の音声通話コーデックを備えたオーディオボードが含まれています。R&S®UPVオーディオ・アナライザは、客観的音声解析用のPESQ/POLQAアルゴリズムをサポートしています。

R&S®CMWrun 音声パフォーマンス試験ソリューション。
R&S®CMWrun 音声パフォーマンス試験ソリューション。
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研究開発テスト

マウスを何回かクリックするだけで、LTEネットワークの主要なシグナリングパラメータと条件を含むテストキャンペーンを定義して、オーディオ品質やユーザー体感への影響を調べることができます。R&S®CMW500には、次に示すパラメータが組み込まれ、R&S®CMWrunから設定可能です。オーディオまたはビデオ通話を確立するための統合されたIMSサーバー、RoHC、SPS、TTIバンドリング、専用ベアラおよびQoS、IP環境(IPv4およびIPv6)遅延、ジッタ、パケット損失、フェージングプロファイルなどのパラメータ。

音声試験ソリューションは、以下に示す規格固有のR&S®CMWrunパッケージで利用できます。

  • R&S®CMW-KT053:WCDMA、GSM
  • R&S®CMW-KT055:LTE/VoLTE
  • R&S®CMW-KT058:CDMA2000®

以下のオプションは必須です。

  • R&S®CMW-KT051:R&S®UPV オーディオ・アナライザのリモート制御用

キャリア受け入れテスト

R&S®CMWrunは、キャリア受け入れテストにも対応し、研究開発テストの範囲を業界標準のテストプランを超えて広げています。

以下に示すR&S®CMWrunパッケージが、音声性能検収テスト用のターンキーソリューションとして用意されています。

  • VZW(R&S®CMW-KTF11が必要)
  • AT&T(R&S®CMW-KTF12が必要)
  • CMCC(R&S®CMW-KTF13が必要)
  • CHU(R&S®CMW-KTF15が必要)
  • CHT(R&S®CMW-KTF16が必要)

他のすべてのプロバイダー向けに、ローデ・シュワルツは、3GPPをベースとするR&S®CMW-KT140オプションを提供しています。

アプリケーションの例:IMS、DRXおよび消費電力/音声品質

スマートフォンの消費電力は、長年にわたって市場の関心を集めているトピックの1つとなっています。VoLTEの導入により、4G電話のバッテリーがボイスコールのため完全に消耗するおそれが出てきました。DRXなどの機能による消費電力の大幅な改善は期待できますが、最終的に、エミュレートされたネットワーク環境でアプリケーションの動作と配信されるオーディオの品質をテストして解析する必要があります。

ローデ・シュワルツのVoLTE消費電力テストソリューションは、ネットワークエミュレーター(R&S®CMW500)、オーディオ・アナライザ(R&S®UPV)、オートレンジ機能搭載のパワープローブ(R&S®RT-ZVC02A/RT-ZVC04A)、R&S®CMWrun テスト・シーケンサ・ソフトウェアで構成されています。

ネットワークエミュレーターには最新規格/仕様に準拠してLTEネットワークをエミュレートできる機能が不可欠です。エミュレーターには、VoLTE対応デバイスの登録を可能にするため、IMS機能も必要となります。IMSに基づいた移動機発ボイスコールまたは移動機着ボイスコールを確立できるようにする必要もあります。また、基地局エミュレーターは、必要なオーディオ機能を備えている必要があります。これには、それぞれコーデックレートの異なる広帯域用と狭帯域用(AMR-WB、AMR-NB)の適応型マルチレート(AMR)コーデックといった、音声コーデックが含まれます。さらに、テストセットには、最新規格に準拠したcDRX機能への対応が求められます。R&S®CMW500 ワイドバンド無線機テスタは、こうした機能をすべて備えています。

R&S®CMWrunによる自動化されたIMS、DRXおよび消費電力/音声品質測定。
R&S®CMWrunによる自動化されたIMS、DRXおよび消費電力/音声品質測定。

VoLTE通話中に音声品質をテストするには、PESQまたはPOLQAに準拠した最新手法を用いてオーディオ波形を発生/解析できるオーディオ・ジェネレータとオーディオ・アナライザが必要です。手法に従って、VoLTE通話中の音声品質測定にPOLQAが使用されます。R&S®UPV オーディオ・アナライザはPESQとPOLQAの両方をサポートしているので、このような基本手法のオーディオ品質試験を単独で実行できる測定器の1つです。

アクティブコール中の電流ドレイン(特にDRXがアクティブの場合)のモニターには、オートレンジ機能搭載のR&S®RT-ZVC02A/RT-ZVC04A マルチチャネル・パワー・プローブを使用できます。

下の図に、VoLTE通話をテストするためのテストセットアップ全体を示します。テストには、さまざまな音声コーデックとコーデックレートに対する音声品質と消費電力、およびダウンリンクとアップリンクに分けた場合の音声品質と消費電力が含まれます。

直感的なデジタル・ユーザーインタフェース。
直感的なデジタル・ユーザーインタフェース。

概要

R&S®CMWプラットフォーム用の自動化ツール

R&S®CMWは、現在最も広く用いられているマルチスタンダードUEテスト用プラットフォームです。ネットワークプロバイダー、テストハウス、端末メーカー、チップセットメーカーなどに幅広く採用されています。R&S®CMWrun 自動化ソフトウェアは、R&S®CMWでリモート制御テストシーケンスを実行するためのすべての要件を満たし、現在と将来の無線機器の研究開発、品質保証、製造、サービスに利用できます。

このソフトウェアエンジンは、テストDLL(プラグインアセンブリ)の実行に基づいたものです。このアーキテクチャーにより、機器のリモート制御に関する特殊なプログラミングの知識がなくても、テストシーケンスを容易に構成できます。さらに、規格に準拠したR&S®CMWrunパッケージオプションで提供されるテスト項目に対しても、そのパラメータとリミットを柔軟に設定することができます。

使いやすく、直感的操作が可能

グラフィカル・ユーザーインタフェースはわかりやすく、無線機器が各種テクノロジーの3GPPプロトコルに準拠しているかどうかを簡単にテストすることができます。

アプリケーションには、さまざまなものがあります。例えば、複合ユーザー・エクスペリエンス・テストでは、同期マーカーにより、IPスループットと電流ドレインを一度に確認できます。解析時にイベントマーカーを使用して、IPスループットとバッテリー寿命を最適化できます。テストが終了すると、リミット、テスト結果、判定を記載した読みやすいテストレポートが作成されます。レポートは、csv、txt、xml、pdfフォーマットが利用できます。

主な特長

  • R&S®CMWファミリーでサポートされているすべての規格用のマルチテクノロジーソリューション
  • 優れたユーザー・エクスペリエンス・テスト・シナリオにすぐに使用できるソリューション
  • GUIのみ、プログラミング不要、コードのコンパイル不要
  • テスト作成、パラメータ化、実行、解析を1つのツールで実行
  • テストスクリプト全体とDUTの自動化(R&S®CMWrunは、iPerf/FTP用のADB/Android APPを備えています)
  • LAN/GPIBインタフェースまたはUSBを用いたSCPIリモート制御用のアプリケーション
  • サンプル・テスト・プラン付属