R&S®NGU401/NGU201/NGM200/NGL200用バッテリー充放電サイクルツール

課題

充電サイクル中のさまざまな時点でのバッテリー状態を把握してテストすることが重要です。充電／放電されたバッテリー容量に対する電圧や内部抵抗のモニタリングは重要なデータソースになり、将来のテストのためのバッテリーモデルを作成するために使用することができます。

ローデ・シュワルツのソリューション

ローデ・シュワルツのバッテリーデータ収集／解析ツールは、ローデ・シュワルツの2象限DC電源を用いてバッテリーサンプルの充放電サイクルを実行します。バッテリーの充電と放電を繰り返しながら、オープン電圧、負荷電圧、内部抵抗に関する情報を収集することができます。バッテリーの充電データまたは放電データは、R&S®NGU201/NGM200 バッテリーシミュレーション用のバッテリーモデルを作成するために使用することができます。

充放電サイクルツールの機能

ツールには、バッテリー充放電サイクルデータの収集と解析に役立つ、いくつかの独自機能があります。

定電流／パルスド電流充電

定電流およびパルスド電流を使用して、バッテリーを充電／放電します。その両方に対して、電源のオープン電圧（OCV：オープン回路電圧）を設定することができます。内部抵抗の特定に使用できるのはパルスド充電のみで、バッテリーモデルでは放電データ向けにパルスド充電を使用する必要があります。

汎用的な充電終了基準

多くのバッテリーは、その化学的性質により、測定された特性を用いて完全な充電状態を精密に特定することは困難です。充電終了基準を設定すればバッテリーを過充電から保護するだけでなく、放電プロセスでバッテリー容量を精密に特定することができます。

サポートされている設定可能な充電終了基準は、電圧、電圧プラトー、負のデルタ電圧、定電圧、容量、および時間リミットです。場合によっては、複数の基準を選択可能です。充電される電圧、またはパルスド充電手法を用いた場合の（外挿された）オープン回路電圧のどちらかに対して、すべての電圧基準を適用することができます。

ライブアップデートチャートと後処理チャート

Dashboardタブには、充放電サイクル中のバッテリー状態の概要が持続的に表示されます。電力、瞬時電圧、電流の最小値、最大値、平均値のライブアップデートが測定器上で更新されます。エネルギー量と充電量もディスプレイ上で更新されます。

充放電サイクル中は、4つのチャートに電圧と内部抵抗がリアルタイムで表示されます。

Postprocessingタブでは、それまでの充放電サイクルのファイルを開いてさらに処理することができます。充電／放電容量や実行済みの充放電サイクル数を横軸にして、さまざまな値のチャートを表示することができます。6つのチャートに、充電／放電容量に対する電圧や内部抵抗がプロットされます。ディスプレイの中央にあるボタンを使用して、チャート内のトレースの充放電サイクルを選択することができます。

7番目のチャートには、充放電サイクルを横軸として放電／充電された容量が表示されます。複数回の充放電サイクルを使用して、被試験バッテリーのエージング効果を試験することができます。充放電サイクル数を横軸にして、放電または充電中の内部抵抗をチャートに表示することができます。各チャートで、最大3つのトレースに設定可能な充電状態での内部抵抗がプロットされます。R&S®NGU201/NGM200 バッテリーシミュレーション用のバッテリーモデルを作成することもできます。

バッテリーモデルの作成

Create battery modelフィールドでは、バッテリー充放電サイクルのロギングデータをR&S®NGU201/NGM200 シミュレーション用のバッテリーモデルに変換することができます。バッテリー容量は常に、バッテリーモデルの同じ放電サイクルの放電データに基づいて決定されます。充電データからバッテリーモデルを作成したときには、バッテリー容量は放電ではなく充電から特定されます。

まとめ

充電サイクル中のさまざまな時点でのバッテリー特性を把握してテストすることが重要です。ローデ・シュワルツのバッテリーデータ収集／解析ツールには、ツール機能のために構成できるさまざまな設定があり、これを使用して幅広い種類のバッテリーをテストすることができます。ツールには、収集データを表示および処理するためのPostprocessingタブがあり、R&S®NGU201/NGM200用のバッテリーモデルを作成することができます。