R&S®VCS-4Gがアナログ/TDMからVoIPネットワークへの移行を支援
航空交通管制用Voice over IP
課題
航空ナビゲーションサービスプロバイダー（ANSP）が、コントロールセンター同士またはコントロールセンターとリモート無線サイトを接続するネットワークインフラを所有していないことはよくあります。こうしたネットワークは、国家電気通信サービスプロバイダー（通信事業者）から提供されます。
通信事業者は、ANSPとは独立した独自のビジネス戦略に従っているため、ISDN、E1などの従来の通信回線のサポートを中止し、ANSPにダークファイバーやパケットベースの通信インフラを提供することがあります。
ANSPがアナログ/E1インタフェースを備えた従来の無線および音声通信システム（VCS）を運用している場合でも、こうした無線およびVCSを新しいパケットベースの通信ネットワークに接続し、スムーズな段階的移行をサポートするソリューションが必要です。
ローデ・シュワルツのソリューション
アナログ/TDMからVoIPへの移行中に直面する課題に有効に対処するには、空対地通信と地対地通信用のさまざまなインタフェースタイプをサポートする、ゲートウェイを配備します。
スムーズな移行
最先端のゲートウェイにより、従来のVCSを、これらのレガシーVCSのインタフェースに変更を加えることなく、EUROCAE ED-137準拠のVoIP通信インフラに接続できます。アナログ／デジタル音声インタフェースを備えた従来のVCS/無線と、VoIPインタフェースを備えたオールIP VCS/無線を同じネットワークに混在させることも可能です。したがって、ANSPは、どのサイトのどのレガシー通信システムをいつ新しいオールIPシステムに置き換えるかを自由に決定することができます。
拡張性
上記の方法により、ANSPは、伝送ネットワークの移行に関する電気通信サービス提供者の計画を考慮しながら、インフラをEUROCAE ED-137準拠のIPテクノロジーにスムーズに移行し、拡張性の高い通信システムを段階的に構築できます。
優れた費用対効果
この段階的な移行というコンセプトにより、ANSPは、スムーズな移行が可能になるだけでなく、IPインフラ投資を数年に分けて実施することも可能になります。EUROCAE ED-137に基づいて標準化されたインタフェースを使用することにより、最終的なVoIPインフラの新たにインストールされたすべての機能ブロックが、展開済みの機器にスムーズに統合され、機器との相互運用性が確保されます。別の利点もあります。従来のVCS/無線がEUROCAE ED-137ベースのオールIP VCS/無線に置き換えられた場合、以前にインストールされたゲートウェイは不要となるため、必要に応じて除去して再利用できます。新しいオールIP VCS/無線は、EUROCAE ED-137規格に準拠した他のIPネットワークコンポーネントと直接通信します。
ゲートウェイの幅広い選択肢を備えたR&S®VCS-4G IPベースの音声通信システムの利点はすべて、ANSPの利点となります。
展開
ローデ・シュワルツは、アナログ/TDMからVoIPへの国全体の移行段階をサポートするために、モロッコ空港公社（ONDA、Office National des Aéroports）に最先端のメディアゲートウェイソリューションを提供しました。
23の新しい航空交通管制（ATC）用メディアゲートウェイにより、モロッコ空港公社とカサブランカ地区管理センター（ACC）内の従来の音声通信システムが、ONDAの独自のIPネットワーク経由して相互接続されています。ゲートウェイは、アナログ信号をEUROCAE ED-137ベースのVoIPデータに変換します。この機能は、レガシーVCSを使用しているすべての場所で必要です。アガディールアルマサイラ空港に配備されたローデ・シュワルツのR&S®VCS-4Gなどの、既存の最新のIPベースのVCSは、ゲートウェイなしでIPインフラに直接接続されています。
この将来に備えたコンセプトにより、ONDAは、フルIPベースのバックボーンネットワークの利点から恩恵を受けつつ、レガシーからフルIPベースのVCSへの移行を、数年かけて段階的に行えます。
ローデ・シュワルツは、異なるメーカーのVCSを1つの統合ソリューションに結合することにより、ONDAのATC通信をレガシーのアナログ/TDMベースのバックボーンネットワークから独立させました。ローデ・シュワルツのソリューションは、信頼性が高く、セキュアな高品質VoIP通信を国全体で提供します。
システムの概要：
ローデ・シュワルツの航空交通管制メディアゲートウェイ
システムは、Rohde & Schwarz Topex SAによって統合されました。
