RF/マイクロ波DUTのディエンベディング
R&S®SMW200A ベクトル信号発生器は、アクティブ/パッシブ2ポート・インターコネクト・ケーブルのSパラメータをs2pファイル経由で簡単にインポートできるだけでなく、リアルタイムベースバンド性能に優れているため、被試験デバイス(DUT)のディエンベディングが必要な高精度のRF/マイクロ波テストに最適です。
R&S®SMW200A ベクトル信号発生器は、アクティブ/パッシブ2ポート・インターコネクト・ケーブルのSパラメータをs2pファイル経由で簡単にインポートできるだけでなく、リアルタイムベースバンド性能に優れているため、被試験デバイス(DUT)のディエンベディングが必要な高精度のRF/マイクロ波テストに最適です。
ほとんどのRFテスト機器と同様に、RF/マイクロ波ベクトル信号発生器(VSG)は同軸RF/マイクロ波インタフェースで校正されていて、そのインタフェースが基準面(RP)として定義されています。これは、このインタフェースに対して、VSGのすべての性能パラメータ(例えば、レベルの不確かさ、周波数応答のフラットネスなど)が仕様化されていることを意味します。
ただし、多くの場合、被試験デバイス(DUT)はこの同軸VSGインタフェースに直接接続されるのではなく、ケーブル、アッテネータ、アンプ、スイッチ、テストフィクスチャ、またはアンテナで構成されるアクティブ/パッシブ2ポート・インターコネクト・ネットワークを経由して接続されます。
広帯域マイクロ波信号の場合は特に、周波数応答のフラットネス(振幅/位相)は、DUTがインターコネクトネットワークに接続されているDUT面(DP)で著しく悪化します。
このような影響は新しいものではありませんが、多くの無線アプリケーション/製品がサポートする変調帯域幅BWmodは広くなり、RF/マイクロ波周波数fRFも高くなっているため、重要性が増しています。
このため、DUTの特性を正確に評価するためには、DUT面のテスト信号のこの不要な相互接続特性を考慮(除去)する必要があります。基準面をVSG出力ポートからDUTの入力ポートの方にシフトするこのプロセスは、ディエンベディングと呼ばれます。
R&S®SMW200A ベクトル信号発生器は、基準面で<1 dB(測定値<0.4 dB)の優れたRF周波数応答のフラットネス仕様(最大2 GHzの変調帯域幅内)を実現します。
このように最高のフラットネス性能を備えたR&S®SMWは、LTEキャリアアグリゲーション、Wi-Fi/WLAN、プレ5G、5G、レーダー信号などのあらゆるタイプのRF/マイクロ波広帯域テストアプリケーションに最適な信号源です。R&S®SMW-K544 ユーザー定義周波数応答補正(UDFRC)機能は、テスト信号の基準面をDUTの入力ポートにシフトすることにより、このR&S®SMW固有の周波数応答のフラットネスをDUTの入力ポート面に移動します。このDUTのディエンベディングプロセスは、R&S®SMWで直接リアルタイムで実行されます。これはTouchstone®s2pファイル(SパラメータSxyによって2ポート・インターコネクト・ネットワークの伝送/反射性能が記述されている)をインポートすることによって行われます。
UDFRCは非常に柔軟性が高いので、インターコネクトネットワークのさまざまな構成要素(ケーブル、スイッチ、アッテネータ、アンプ、アンテナなど)の特性を評価するs2pファイルを同時に最大10個インポートできます。
インポートしたs2pファイルはすべて、ユーザーがオンザフライで個別に有効化/無効化できます。R&S®SMWは、カスケード接続されたインターコネクトネットワーク(マルチs2pファイルシナリオ)の場合は、すべてのSパラメータマトリクスを自動的に連結します。周波数応答補正が以下に適用されることを知っている必要があります。
変調帯域幅内での周波数応答補正に加えて、有効化したs2pファイルに基づいた絶対RFレベル補正も使用できます。
R&S®SMW-K544のディエンベディング手順:
以下のグラフで、UDFRCの機能を紹介します。
青色のトレース(S)からは、RPで2 GHzの変調帯域幅全体にわたって優れた周波数応答のフラットネスが実現していることがわかります。DPのインターコネクトの出力の状況(リップル≈1.5 dB、挿入損失= 2.89 dB)が濃い青色のトレース(S+I)で強調表示されています。この周波数応答をs2pファイルにマッピングし、R&S®SMW UDFRC(絶対レベル補正を適用)で有効にすると、DUTの入力では緑色の周波数応答(Val. S+I)が得られます。
R&S®SMW200A ベクトル信号発生器にR&S®SMW-K544オプションを搭載: