5Gがもつ能力・応答性・柔軟性は、スマート工場のプライベート・ワイヤレス・ネットワークを含め、リアルタイム性を求める様々な新しいユースケースを可能にします。ただし5Gの活用には、通信カバレッジや遅延性、信頼性などに高い要求が課され、その展開にあたって、ネットワーク・プランナーやネットワーク事業者は難しい課題に直面する可能性があります。ローデ・シュワルツはインダストリー4.0対応ユースケースに取り組むためのワイヤレスネットワーク試験ソリューションを幅広くラインナップしているうえ、スマート工場の発展に備える観点から、自らのキャンパス・ネットワーク構築に踏み切りました。これにより、ローデ・シュワルツは生産プロセスの最適化だけでなく、自社のネットワーク試験ソリューションを直接検証できるようになります。
2020年7月から、Nokia社のフレキシブルで拡張性のあるDACソリューションをもとに、プライベートなローカル5G NSA(ノンスタンドアローン型)ワイヤレスネットワークを、ドイツにあるローデ・シュワルツの生産拠点の1つに導入しています。このネットワークには周波数帯n78を利用したNSAモードで5G gNodeBを組み入れ、周波数帯40をアンカーバンドとするLTEで補完しています。約1,500m2の領域をカバーする屋内用ネットワークです。これに対しNokia社とローデ・シュワルツは、当社のモバイルネットワーク試験向けソリューションを用いて、高性能なネットワーク品質の確保を目的とした現地受入試験と通信カバレッジ試験に取り組んでいます。その使用機器は、R&S FPHハンドヘルド・スペクトラム・アナライザ、R&S TSMx6モバイル・ネットワーク・スキャナ、スマートフォン・ベースのQualiPoc Androidネットワーク・オプティマイザ、R&S 5G STSサイト・テスト・ソリューションなどです。
この5Gキャンパス・ネットワークをタイスナッハ工場へ設置したのち、ローデ・シュワルツでは、その実際の工場環境における5Gの通信カバレッジや容量、設定パラメータなどの試験に対する有用な知見の獲得を図っています。この試験的プロジェクトで得られた知見は、ローデ・シュワルツの試験機器製品の改良や、お客様によるキャンパス・ネットワークの導入と最適化を支援するために活用していきます。さらにローデ・シュワルツは、無人搬送車(AGV)や最新ロボット技術など、インダストリー4.0指向の機能への道を拓くことで、将来の自社の生産設備の準備も進めています。
どのように試験すればスマート工場が実現するのか
5Gでは、より高速で安全な運用が見込めるのに加え、産業プロセスにおける新たな能力の発見や効率向上にもつながります。しかし一方で、ネットワークにはある程度複雑で高い性能が要求されることにもなります。特にインダストリー4.0対応アプリケーションでは、遅延性や信頼性、セキュリティの面で通信技術に特別な要請がともないます。
そのため、スマート工場において、極めて信頼性の高いワイヤレス接続性を維持するには、次のような試験フェーズに対応することが非常に重要です。工場内でクリーンなRF環境を実現するための導入準備とスペクトラム・クリアランスの確保、ネットワーク・インフラの適切な設置を評価する現地受入試験、さらにはカバレッジと実性能の試験です。これに加えて、24時間リアルタイムに稼働状態の品質をモニタリングすることや、規制遵守のための試験も推奨されます。ローデ・シュワルツでは、モバイルネットワーク試験製品として、こうした試験フェーズにそれぞれに必要なツールをご用意しています。スマート工場の準備・導入・運用に向けて、高精度で有意着な試験を行うことで、より迅速な展開とネットワーク・リソースの有効利用1/2に加え、危機的な状況に陥る前に問題を発見することも可能になります。
ローデ・シュワルツのスマート工場向け試験ソリューションについて、詳しくはhttps://www.rohde-schwarz.com/mnt/smart-factoryをご覧ください。
すべてのプレスリリースは、画像のダウンロードを含め、http://www.press.rohde-schwarz.com からインターネットでご提供しています。