ナレッジナゲット

ユビキタスカバレッジ

非地上系ネットワークを利用すれば、これまで到達不可能だった場所にまでモバイルネットワークを拡げることができます。これは、つながり合う世界への新しい一歩となります。

マガジン概要に戻る
Updated on 3月 14, 2024 🛈
Originally published on 4月 01, 2023

山岳地帯では、モバイルサービスは容易に手に入るものではありません。ハイキング中に友達に写真を送ろうとしても、サービスが利用できないことがあります。緊急時に電話で助けを求めることさえできません。モバイルネットワークは固定基地局を利用するため、場所によってはカバレッジの提供が困難な場合があります。この問題の解決に役立つのが、非地上系ネットワーク(NTN)です。

将来は、NTNによってまったく異なるシナリオが実現するでしょう。例えば、大西洋上でヨットが緊急事態に遭遇したとします。ヨットは海岸から遠く離れており、地上系のモバイルサービスは利用できません。それでも、助けはやってきます。上空に現れた飛行機にモバイルデバイスで接続し、SMSで緊急メッセージを送信できるからです。非地上系ネットワークでは、航空機、衛星、ドローンによって、地上の基地局の間の追加的な接続が提供され、世界中でモバイル通信が可能になります。すなわち、NTNは既存の地上系ネットワークを補完する役割を果たします。

グローバルカバレッジの段階的実現

この方法によれば、世界のあらゆる場所にモバイル通信を行き渡らせることができますが、その実現は段階的にしか進みません。最初に利用可能になるのは、SMSなどの基本的なサービスです。その後、電子メールサービス、インターネット上のウェブページへのアクセス、そしていずれはモバイル通話も可能になるでしょう。大西洋の真ん中でビデオストリーミングを見られる時代は、まだずっと先かもしれません。いずれにせよ、5Gのおかげで、モバイル通信と衛星通信は継続的に進化しています。

2022年に、3GPP規格化団体は非地上系ネットワークの基礎を定義しました。それに沿った開発作業が今後進められます。最終的に、6Gによって3次元ネットワークの完成形が提示されるはずです。

シールドされたテストチャンバー内での衛星全体の包括的なテストは、時間のかかる複雑なプロセスです。開発段階では、さまざまなコンポーネントやサブシステムに対して、きわめて精密な特性評価が行われます。それに必要な信号発生器やスペクトラム・アナライザは、すべてローデ・シュワルツから入手できます。

ローデ・シュワルツの取り組み

こういった仕組みが正しく動作するためには、ユーザー機器が、これまでと違い動いている「基地局」と協力し、高速で探索を繰り返しながら、適切な接続ポイントを見つける必要があります。そのためには迅速で動的な相互作用が必要なので、モバイルネットワークの規格化にも影響が及びます。外洋や僻地でも利用できる未来のモバイル通信を実現するには、誰がどの周波数を使用できるかをアルゴリズムによって制御する必要があります。

ローデ・シュワルツは、衛星や周波数のモニタリングや、非地上系ネットワークのエコシステムのテストのための、さまざまなソリューションの開発に全力で取り組んでいます。例としては、ユーザー機器から見たシステム全体のシミュレーションがあります。また、衛星専用のアンテナのテストも行う必要があります。これらのアンテナは、長い伝送経路による大きい損失を補償するため、レシーバーの方向に正確に向けられる必要があります。

テクノロジー企業であるローデ・シュワルツは、モバイル通信や衛星通信のためのテスト/測定機器およびソリューションの開発に長年の経験を有しています。

その他の記事

ハロー、アフリカ!

R&Sストーリー

ハロー、アフリカ!

ローデ・シュワルツのモバイルネットワークテスト機器およびサービスは、アフリカの21か国で、ネットワーク性能と品質の改善に利用されています。

記事全文を読む
5G – 高速モバイル通信を超える存在

R&Sストーリー

5G – 高速モバイル通信を超える存在

未来の世界を実現するローデ・シュワルツの電子計測ソリューション

記事全文を読む
すべてがネットワークにつながる

テクノロジーの実用化

すべてがネットワークにつながる

6G - 将来の無線通信のビジョン

記事全文を読む