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12月 06, 2023

Applus社とローデ・シュワルツが、EMC試験環境でのeCallのテストをシームレスに統合

Applus Laboratories社とローデ・シュワルツは、電磁両立性(EMC)試験環境におけるeCallテストのシームレスな統合を実証することに成功しました。このデモンストレーションでは、自動車関連のEMCを規制するUN ECE R10規格に即したさまざまなeCallテスト・シナリオと機能に対応できることが示されました。

Applus社のEMC試験室において、eCallシステムを車両に搭載し、その機能をテストしました。
Applus社のEMC試験室において、eCallシステムを車両に搭載し、その機能をテストしました。

UN ECE R10規格の改訂計画の一環として、ドライバーや同乗者をはじめとする道路を利用する人々の安全性を高めるべく、eCall(車両緊急通報)のイミュニティをテストするさまざまなシナリオが策定されています。eCallシステム搭載の車両にとって、このUN ECE R10規格への準拠は極めて重要であり、システムが車載の他の電子部品と干渉しないこと、さらに外部からの電磁干渉の影響も受けないことを保証しなければなりません。

Applus Laboratories社は、部品レベルでも車両レベルでもEMC試験の欧州における市場リーダーであり、車両全体をテストできる専用の大型かつ汎用なEMCチャンバを提供しています。そのApplus社から、同社のEMC試験設備においてeCallテストをデモンストレーションするにあたり、ローデ・シュワルツに協力を求めるお話をいただきました。そこで、このデモンストレーションではR&S CMW500セルラーネットワーク・エミュレータのほか、R&S CMW-KA09x eCallテスト用ソフトウェアによるシミュレーションと緊急通報受付センター(PSAP)機能を活用しました。ローデ・シュワルツのR&S CMW-KA09x eCallテスト用ソフトウェアは、2G・3G・4G・5Gそれぞれをベースとした緊急通報システムをサポートしており、LTEと5G NRによるeCall(次世代eCall、NG eCall)のテストにも利用できます。さらに同ソフトウェアを使えば、EU eCallやNG eCall、UN-R144など各国の規格に即したeCallのコンフォーマンス・テストが容易に行えます。また、EMC試験室でのeCallシステムのテストには実際の車両を用いました。その主な目的は、EMC 試験環境にeCallテスト能力を統合するさまざまなシナリオを示すとともに、テスト車両が誤った通報をすることなく、事故にともなう緊急通報を確実に行えるようにすることです。

デモンストレーションは、スペインにあるApplus+社の電波暗室で電磁干渉を与えながらイミュニティ・テストを実施しました。このテストを通じて、R&S CMW500 eCallテスト・ソリューションでシミュレートしたPSAPサーバーと自動車の間で緊急通報を確立できること、そしてその容易さを確認しました。テスト車両からR&S CMW500へと、まったくデータを損失することなくMSD(minimum set of data)を送信することに成功したのです。また、車両とテスト・ソリューション間の音声通話もクリアな音声品質のもとで確立され、車両が受信したGNSS位置情報についても正確に送信されました。

Applus Laboratories社は、こうしてEMC試験室に完成したデモンストレーションを使って、R&S PSAPシステムによるeCallシナリオをワークショップのかたちで効果的に紹介しました。これには、国連の電磁両立性に関する非公式作業グループ(Informal Working Group on Electromagnetic Compatibility:IWG EMC)のほか、各国の団体代表や国際自動車工業連合会(OICA)の車両メーカーなどが参加しました。このApplusIdiada社とApplus Laboratories社が共同開催したワークショップでは、R&S CMW500によってeCallテスト・ソリューションを扱う容易さと、eCallテストに対するその完全な能力を直接目にすることができたことに参加者は強い印象を受けたようです。

Applus Laboratories社とローデ・シュワルツの連携は、今回のEMC試験環境におけるeCallテストのシームレスな統合のデモンストレーションにとどまらず、車載eCallシステムの安全性や適合性の発展にも力を入れて取り組んでいます。

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欧州(本社):Patrizia Muehlbauer(電話:+49 89 4129 0、email:press@rohde-schwarz.com)
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自動車向けテスト・ソリューション―テストするから、信頼できる
ローデ・シュワルツは試験・計測に関するソフトウェアや計測器、システムの世界的なトップメーカーとして、その高い専門技術を応用しながら、自動車の先行開発から生産まで全ライフサイクル向けて革新的なソリューションを開発しています。世界中のOEM企業やティア1サプライヤ、半導体メーカー、技術サービス企業など皆様が、車載用レーダーや接続性、インフォテインメント、高性能コンピューティング、さらにはEMC適合性に対する当社の実績豊かな試験ソリューションに信頼を寄せています。とりわけ、レーダーの開発・統合・生産における革新的なテスト・ソリューションを通じて、ローデ・シュワルツは次世代のADAS/AD(先進運転支援/自動運転)システムを創り上げようと取り組んでいるお客様の確かなパートナーとしてお応えしています。そのほか、ワイヤレス通信の分野でも長年にわたり積み重ねてきた経験と技術をもとに、5GやC-V2XからUWB、Wi-Fi、GNSSまで、あらゆる規格によるロバストな接続性の実現を支えています。当社の計測器は最先端のバス速度に対応するほか、高性能ドメイン・コントローラなどのECUを備えた車載ネットワークを開発・デバッグでき、さらにはEMC問題の解消にも貢献しています。ローデ・シュワルツは、CISPRやISOのあらゆる主要な規格、メーカー指定のEMC規格に沿って車両やその部品のEMIおよびEMS測定を実行できる試験・測定機器はもとより、カスタムなターンキー試験システムも提供しています。こうしたシステムや機器をもとに、お客様独自のシステムと計測器による車載アンテナ・テストや無線共存テストを完全にサポートしているのです。さらにECU生産時の部品や基板レベルのテストに対応できる極めて優れたソリューションもご用意しています。世界中のパートナー企業やお客様がこれらの試験ソリューションを活用して、自動車部品とシステムの正確な機能や円滑で不備のない相互作用、外部との完全な通信が実現するように保証しています。

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ローデ・シュワルツは、電子計測、技術システム、ネットワークおよびサイバーセキュリティの各部門を通じ、より安全に“つながる”社会の実現に向けて努力を重ねています。グローバルな技術指向のグループとして、90年にわたって先端技術の開発を続け技術の限界を押し広げてきました。当社の最新製品やソリューションは、産業界や規制当局および行政機関のお客様がデジタル技術の主権を得るためのお力添えをしています。ドイツ・ミュンヘンを拠点としたプライベートな独立企業であり、長期的かつ持続的な経営を行える体制を構築しています。ローデ・シュワルツは、2022/2023会計年度(昨年7月から本年6月まで)には27.8億ユーロの純収益を上げました。また、2023年6月30日現在、ローデ・シュワルツでは約13,800名の従業員が全世界で活躍しています。

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