突入電流の測定

課題

FPGAからボール盤まで、ほぼすべてのコンポーネントやデバイスでは、通常の動作電流をはるかに超える突入電流が発生します。突入電流は、スイッチング電源では特に重要です。回路を適切に設計したり安全関連要素を予測したりするためには、突入電流を正確に求める必要があります。

ローデ・シュワルツのソリューション

R&S®NPA501 パワーアナライザとR&S®NPA701 コンプライアンステスタは、広いダイナミックレンジでリアルタイムの信号をシームレスに収集して処理します。汎用的なディスプレイに、迅速で信頼性の高い結果が表示されます。

内蔵電流測定の範囲は、±15 mAから±60 A（ピーク）までです。さらにセンサを追加すれば、電流測定範囲を拡張できます。この入力を外部電流センス抵抗と組み合わせて使用すれば、標準より小さい電流範囲を表示できます。また、電流プローブと組み合わせて使用すれば、標準より大きい電流範囲を表示できます。R&S®HZC51 電流プローブを使用すれば、電流測定範囲が±1000 Aに拡大されます。

数値表示

最大突入電流のみを測定する必要がある場合（例：ケーブルの太さを判断する場合など）は、数値表示を使用して直接結果を確認することができます。ピーク値は、IPPeakとして表示されます。外れ値を捕捉する必要がある場合には、DUTをオフにしてからオンにする操作を何回か繰り返します。最大ピーク値は、ピークホールド機能によって求めることができます。

電流レンジは、予測される電流に合わせて、"Range Up"ボタンにより手動で設定する必要があります。オートレンジモードを回復するには、"Range Up"ボタンを押し続けます。

トレンドチャート表示

トレンドチャート表示には、個々のスイッチオン動作の間の違いが示されます。複数回のスイッチオン動作の特性を容易に記録して比較できます。

測定を一時停止するには、"Hold"ボタンを押します。"SAVE/RECALL"ボタンを押し続けると、スクリーンショットがUSBフラッシュメモリに保存されます。

突入電流表示

突入電流を表示すると、スイッチオン動作をより精密に解析できます。例えば、ヒューズの溶断エネルギーを判断する場合などに役立ちます。16ミリ秒～67秒のロギング時間で最大8,192ポイントの電圧／電流を非圧縮で収集できます。いくつかのトリガオプションも使用可能です。"ACQ TIME"ボタンを使用して、必要に応じて記録時間を調整することができます。

測定記録

測定が成功したら、高精度データを設定可能なCSVファイル形式として、USBフラッシュメモリに簡単に保存できます。保存したデータは、PC上の標準的なデータ処理ソフトウェアを使用して評価できます。

まとめ

ローデ・シュワルツのR&S®NPA501 パワーアナライザとR&S®NPA701 コンプライアンステスタは、デバイスの突入電流を効率的に測定し、回路設計と安全に関する要素の予測に役立ちます。リアルタイム解析、拡張可能な電流測定範囲、カスタマイズ可能なデータ表示により、精度の高い結果を提供します。