R&S®CMW ワイドバンド無線機テスタによるBluetooth®のテスト

プラットフォームの概要

コンパクトな形状であらゆる主要無線アクセス技術に対応するR&S^®CMW ワイドバンド無線機テスタプラットフォームは、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスだけでなく基地局やアクセスポイントの試験に最適です。また、車載、ヘルスケア、スマートホーム、その他のIoT分野向けのネットワーク製品の各要件を試験するプラットフォームとしても優れています。

Bluetooth^®テストソリューションに関するパートナーとして定評のあるローデ・シュワルツ

R&S^®CMW 無線機テスタプラットフォームは、バージョン5までのBluetooth^®をサポートしています。CMW 無線機テスタは、Bluetooth SIGによって指定されているBluetooth^®クラシックのシグナリング機能試験、およびすべてのBluetooth^®LE送信機／受信機試験に対応しています。R&S^®CMWrun シーケンサ・ソフトウェアツールは、すべてのBluetooth SIGテストケースを自動的に実行してコンフォーマンステストを簡素化します。Bluetooth^®対応機器の製品試験を簡単に行うためのオプションを使用すると、製造プロセスを高速化できます。R&S^®CMWは、Bluetooth^®技術以外のノンセルラー規格およびすべての主要なセルラー規格もワンボックスでサポートしています。

将来に備えられるR&S^®CMW オールインワン・プラットフォームのさまざまな利点

R&S^®CMWは、速度と信頼性に関する非常に厳格な要件を満たしたユーザーフレンドリーなプラットフォームで、複雑なラボ試験から製造ライン試験までのあらゆる測定作業を効率的に実行します。R&S^®CMW270はノンセルラー接続アプリケーション専用でしたが、ハイエンドのR&S^®CMW500はスペクトラム全体をカバーしています。R&S^®CMW290は、コストパフォーマンスの高いコンパクトなテスタで規格測定や機能試験に対応しています。R&S^®CMW100テスタは、製造向けに最適化されています。すべてのR&S^®CMWモデルのコードは互換性があるので、リモート制御を行う場合は各モデルでコードを再利用できます。

Bluetooth®技術の概要

Bluetooth^® 機器は通常、ホストとBluetooth®コントローラーから構成され、両方ともホストコントローラーインタフェース（HCI）を介して通信します。Bluetooth®のスタックおよびアプリケーションはホスト上で動作し、ベースバンドはBluetooth^®コントローラーによって動作します。アプリケーションは、特定のプロファイルを使用してBluetooth^®機器の機能をサービスに変換します（例：温度測定）。

Bluetooth^®技術は広範囲のアプリケーションに拡張し続けているので、プロファイルの数も増加し続けています。同じベースバンドとプロファイルを相互運用向けに共有しているBluetooth^®機器は相互接続できます。

Bluetooth ^® クラシック

Bluetooth^®クラシックという用語は、バージョン1以降のBluetooth^®コア規格で仕様化されている基本レート（BR）および高速データレート（EDR）の動作を特長としたBluetooth^®機器に使用されます。この動作モードの主要な特性は以下の2つです。

• 低データレート（BR）による従来の動作
• 改善された送信速度（EDR）による動作

79個のRFチャネルをデータ転送向けに使用でき、各チャネルは2.4 GHzISMバンドに1 MHz間隔で存在します。チャネル間の周波数ホッピングを使用して、周囲の無線信号による干渉を防止します。アダプティブ・ホッピング・モードでは、ブロックされているチャネルは使用しません。BR変調がデータレート1 Mbit/sのガウシアン周波数シフトキーイング（GFSK）を使用しているのに対して、EDRはπ/4‑DQPSK（2 Mbit/s）および8DPSK（3 Mbit/s）の位相シフトキーイングを使用してデータレートをさらに拡張しています。

Bluetooth®アプリケーション

今日、Bluetooth^®技術は至る所に存在します。例えば、車内、スマートフォン、コンピューター、ヘッドセット、フィットネス・トラッカー・ブレスレット、おもちゃ、スマートホーム、医療技術、産業アプリケーションなどで使用されています。アプリケーションの範囲は事実上、無限です。

オートモーティブ

主要な自動車メーカーは、Bluetooth^®対応のハンズフリー通話装置を提供しています。Bluetooth^®技術は、オーディオシステムとの接続により、ハンズフリー通話装置だけでなくインフォテインメントを自動車に提供するので、運転手および同乗者は運転中に必要な情報のすべてを聞くことができ、ナビゲーション、交通の確認、天気予報の表示、レストラン情報などのアプリケーションを使用できます。

OTA自動車キーシステムは仮想スマートフォンキーで、社有車、カーシェアリング企業、レンタカー代理店で使用されるものです。運転手がスマートフォンのアプリケーションで必要な自動車を予約すると、OTAキーシステムによって暗号化データが携帯電話に送信され自動車にアクセスすることができるようになります。新しいモバイルアプリケーションでは、機械／電子コンポーネントをモニター／診断するためにBluetooth^®技術が使用されています。

例えば、タイヤ空気圧監視システムやeTIS（電子タイヤ情報システム）は永続的にタイヤの空気圧を監視し、空気圧が不足した場合は確実に警報が発生します。

健康および医療

Bluetooth^®技術は、病院や自宅のアプリケーションに最適な無線規格です。Bluetooth^®LEによって、血糖測定器、パルスオキシメーター、心拍計、喘息吸入器などの機器がますます身近になります。これらの機器が消費者のBluetooth^®対応PC、タブレット、スマートフォンに接続できれば、消費者自身の利便性が向上します。患者や医療提供者はリアルタイムに必要な情報を入手して、所定の治療方針に対する身体反応の全体像を正確に把握できます。この情報によって健康データの経緯をトラッキングでき、傾向がわかるだけでなく必要に応じて警報も発生します。

ウェアラブル

急速に成長しているウェアラブル市場の範囲は、アクティビティモニター、スマートグラス、ヘッドセット、チャイルド／ペットモニター、医療救護、ヘッド／ハンドマウント型の端末／カメラ、さらに、スマート衣類にまで及んでいます。これらの製品の多くが、Bluetooth^®技術を使用した接続に依存しています。歩数、アクティビティ、睡眠、さらには感情レベルまでもモニターするためのフィットネス／ウェルネスウェアラブルが、あらゆる場所で手首に見られるようになっています。インフォテインメントウェアラブルは、オーディオヘッドセットからスマートウォッチ、スマートグラスにまで広がり、これらはBluetooth^®技術を使用して携帯アプリケーションに接続します。産業向けのウェアラブルアプリケーションの中にはハンズフリー端末やヘッドアップディスプレイがあり、より効率的な運送、在庫管理、製造、作業者の安全性を実現します。

家電製品およびホームオートメーション

最近は多くの家電デバイスが、高度でパワー効率の高い無線Bluetooth^®技術に接続されています。Bluetooth^®はPCアプリケーションでも事実上、標準機能です。膨大な数のBluetooth^®機器によって、音楽愛好者のヘッドセットおよびスピーカーを電話/PCと接続する必要がなくなりました。ゲーム用VRヘッドセット、歯ブラシ、電球、ヨガマット、ツール、芝刈り機などの新製品は発売時に無線Bluetooth^®インタフェースを備えています。携帯型の電話、タブレット、ラップトップを使用して、住宅所有者は、自宅の電気、温度、家庭用機器、窓／ドアの鍵、セキュリティシステムを制御できます。多くの住宅所有者は既に1台以上のBluetooth®機能を内蔵したスマートフォンやタブレットを持っているので、使い慣れた機器を使用することができます。

小売業／位置情報サービス

Bluetooth^®技術の急増に伴い、新しい市場が開拓されています。ビーコンは位置情報をスマートフォンに送信する小型機器で、Bluetooth^®LEによって動作します。これにより、決済サービスの「おサイフケータイ」や位置情報に関するサービスが可能になります。ビーコン機能は既に、ショッピングモールのマーケティング、大規模スタジアムの屋内ナビゲーション、非接触型決済（駐車場など）に使用されています。ビーコンの他の用途としては、空港、乗り換え駅、大規模なイベント会場があり、出発や遅延などの旅客情報に関する通知を容易に発信できます。