R&S®RTO / R&S®RTEを用いたEMI問題の解析

R&S®RTO/R&S®RTEデジタルオシロスコープは、電子設計のEMIの問題を解析するための貴重なツールです。高い入力感度、広いダイナミックレンジ、強力なFFT実装により、不要なエミッションを捕捉して解析できます。

タスク

電磁波障害(EMI)問題のデバッグを行う場合、電子設計エンジニアは、不要な電磁放射の発生源を特定し、その解決策を作成するという困難な問題に直面します。多くの場合、EMCテストラボから返される情報は、クリティカルあるいはリミット違反のエミッションが存在する周波数を示すスペクトラム曲線だけです。問題を発見して解決するためにEMCコンプライアンスラボで繰り返しテストを実行するのは、コストがかかりすぎるだけでなく、製品発売の大幅な遅れにつながります。

電子計測ソリューション

R&S®RTO/RTEデジタルオシロスコープは、設計エンジニアのデスク上でEMIの問題をデバッグするための強力な測定器です。近傍界プローブセットと組み合わせて使用することにより、EMIの問題を短時間で発見して解析できます。広いダイナミックレンジと、1 mV/divの高い入力感度により、弱いエミッションも解析できます。R&S®RTO/RTEの高速フーリエ変換(FFT)実装は、高速な更新レートを備え、FFTフレームオーバーレイ処理と残光表示により、不要エミッションの構造に関する知識が得られます。これにより、エミッションのソースを短時間で検出することができます。

ローデ・シュワルツのコンパクトなR&S®HZ-15近傍界プローブセットは、エンベディッドデザインのEMIデバッグに特に適しています。この最もコンパクトなプローブセットを使用すれば、回路の1本のラインからの近傍界エミッションを捕捉できます。R&S®HZ-15は、30 MHz3 GHzの周波数レンジに対応しています。感度は低下しますが、30 MHzより下でも使用できます。さらに高い感度が必要な場合は、オプションのR&S®HZ-16プリアンプを使用すれば、100 kHz3 GHzの周波数レンジで20 dBの利得が得られます。

アプリケーション

容易なセットアップ

以下に示すわずか数ステップで、EMIデバッグセッションを開始する準備が整います。

  • 既知の設定から開始するために、"Preset" を押します。
  • 近傍界プローブを入力チャネルに接続します。
  • 高い感度を得るために、チャネルの垂直軸を1 mV/div5 mV/div付近に設定し、結合を50 Ωに設定します。
  • FFTツールバーアイコンでFFT機能を有効にします。
  • display ▷ signal colors ▷ enable color tableで、FFT信号のカラーテーブルを有効にします。
  • レコード長が長い場合は、水平軸を40 μs/divに拡大します。

広い捕捉帯域幅と周波数ドメインの容易なナビゲーション

R&S®RTO/RTEのFFTは、スペクトラム・アナライザと同じなじみ深いインタフェースを備えています。FFTセットアップダイアログから、スタート/ストップ周波数や分解能帯域幅といった、スペクトラム・アナライザの基本的なコントロールを使用できます。FFTモードでは、R&S®RTO/RTEのタイムドメイン設定は自動的に適切に調整されます。これにより、周波数ドメインでのナビゲーションが容易になります。

捕捉したタイムドメイン信号の解析を同時に行うこともできます。FFTの最大捕捉帯域幅は、R&S®RTO/RTEモデルの帯域幅に一致します。例えば、R&S®RTO1044では、0 Hz~4 GHzのすべてのテスト機器のエミッションの概要を簡単に把握できます。

FFT実装とスペクトル成分のカラーコード化された表示の重ね合わせ

R&S®RTO/RTEの重ね合わせFFT実装は、捕捉したタイムドメイン信号を自動的に重なり合うセグメントに分割します。2番目のステップでは、各セグメントのFFTを計算して、パルス型干渉源などの間欠的な信号を表示します。結果のスペクトラム線を発生頻度に応じてカラーコード化することにより、間欠的な信号を可視化します。

なじみ深いスペクトラム・アナライザのインタフェースによる周波数ドメインの容易なナビゲーション。

周波数マスク機能による散発的イベントの捕捉。

ゲーティッドFFTによる相関時間周波数解析

ゲーティッドFFT機能を使えば、スペクトラム解析の対象を、捕捉したタイムドメイン信号のユーザー定義の領域に制限することができます。過剰なスペクトラムエミッションと、信号の専用期間の相関を表示できます。代表的な用途として、不要エミッションと、スイッチモード電源の急峻なスイッチングエッジや、バスインタフェース上のデータ伝送の相関の調査があります。問題が特定されたら、ブロッキングキャパシタや立ち上がり/立ち下がり時間の短縮など、さまざまな解決策の有効性を、スペクトラムエミッションのレベル変化を観察することで容易に確認できます。

周波数マスクによる散発的イベントの捕捉

間欠的あるいは散発的なエミッションのデバッグは、きわめて困難です。エミッションの捕捉が難しい上に、解析も容易ではありません。R&S®RTO/RTEのマスクツールを使用すれば、このようなイベントを捕捉できます。マスク違反が発生すると、収集は自動的に停止し、ユーザーは、分解能帯域幅やゲートなどのFFT設定を調整したり、カーソルなどの追加のツールを使用したりして、さらに詳細な解析を行うことができます。

重ね合わせFFT実装

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