UWBデバイスのTime of Flight(ToF)の正確な測定
R&S®CMP200 無線機テスタとR&S®CM-Z300A Time of Flight測定キットを組み合わせて使用することで、検証、校正、認証におけるTime of Flight(光の飛行時間)測定向けの正確なセットアップを実現できます。
R&S®CMP200 無線機テスタとR&S®CM-Z300A Time of Flight測定キットを組み合わせて使用することで、検証、校正、認証におけるTime of Flight(光の飛行時間)測定向けの正確なセットアップを実現できます。
高精度測距は、さまざまなウルトラワイドバンド(UWB)アプリケーションに対応するための主な機能です。そのため、UWBデバイス/チップセットの検証やアンテナ校正、FiRa™ Consortiumが定義している物理層認証試験には、正確なTime of Flight(ToF)測定が求められます。
ローデ・シュワルツは、正確なTime of Flight測定を容易にセットアップできるテストソリューションを提供しています。R&S®CM-Z300A UWB ToF測定キットとR&S®CMP200 無線機テスタを組み合わせることで、校正や経路遅延測定を追加することなく一般的なTime of Flight測定を実行することができます。
Time of Flight測定キットには、RFパワースプリッター/コンバイナー、各種アッテネータ、R&S®CMP200接続用のケーブルペア、被試験デバイス(DUT)のアンテナポート接続用の短いケーブル(15 cm)が付属しています(下の図を参照)。
特定のニーズに応じて、例えば別のケーブルを選択するなど、セットアップ内のコンポーネントを追加したり変更したりすることができます。このケースでは、ベクトル・ネットワーク・アナライザ(VNA)を使用してセットアップの遅延特性を検証し、それに応じてUWBテストスイートの設定パラメータを変更することが強く推奨されます。
R&S®CM-Z300A UWB Time of Flight測定キットの
コンポーネント
セットアップのために、長いRFケーブルを使用してスプリッター/コンバイナーの構成ポート1をR&S®CMP200のTXポート1(IFout)に接続します。スプリッター/コンバイナーのポート2は、別の長いケーブルを使用してR&S®CMP200のRXポート1(IFin)に接続します。最後に、短いRFケーブルを使用してスプリッター/コンバイナーの結合ポートSを、被試験デバイスのアンテナポートに接続します。
RXとTXのRF結合は、ToF測定のタイミング基準として機能します。そのため、スプリッターとR&S®CMP200間のケーブルの長さは重要ではありません。
下図で例示されているように、アッテネータ(例:10 dB)を含む構成では、飛行時間(Time of Flight)はちょうど1 nsになり、これは30 cmの無線測定距離に相当します。
測定セットアップにより長いケーブルが必要な場合やアンテナポートとの間にRFスイッチを挿入して測定を実行する必要がある場合、あるいは無線テストセットアップのケースでは、マルチポート・ネットワーク・アナライザにより、RF経路遅延を特定する必要があります。
このケースでは、以下の手順を実行します。
1. R&S®CM-Z300Aを、使用する他のすべてのRFケーブルとネットワークデバイス(スプリッター、コンバイナー、サーキュレーター)を含めて構成し、DUTをR&S®CMP200に接続します。
2. RFネットワークの両端 – DUT側終端とR&S®CMP200側終端(スプリッター/コンバイナーの結合ポートS) – をマルチポートRFネットワーク・アナライザ(例:R&S®ZNB ベクトル・ネットワーク・アナライザ)の2つのポートに接続します。
3. 目的のUWBチャネル(チャネル5:6489.6 MHz)でRFネットワークのRF経路遅延を測定します。
4. ステップ3で測定した値に、キットの遅延時間である0.1 ns(Tgs)を加え、Test_config.iniファイルの経路遅延属性(path delay property)をこの値に更新します。
R&S®CMP200にR&S®CM-Z300A ToF測定キットを組み合わせることで、テストセットアップを簡単に扱えるようになり、正確なTime of Flight測定が可能になります。