DOCSISテクノロジー

DOCSIS(Data Over Cable Service Interface Specification)は、IPデータサービスの広帯域ケーブル伝送のための規格です。ケーブルヘッドエンド内のケーブルモデム終端システム(CMTS)と加入者用ケーブルモデム(CM)の間の双方向通信のためのアップストリーム/ダウンストリームチャネルを定義しています。

地域ごとのケーブルテレビ帯域幅の違いにより、さまざまなバージョンの規格が作成されています。オリジナルの米国DOCSIS規格は6 MHzのチャネル帯域幅で動作するのに対し、欧州のEuroDOCSISは8 MHzのチャネルを使用します。

1998年の最初の採用以降、DOCSIS 1.0、1.1、2.0、3.0、そしてDOCSIS 3.1という5世代の規格を通じて、伝送レートが段階的に向上してきました。最新世代のDOCSIS 3.1は、2013年10月にリリースされたもので、先行規格に比べていくつか重要な改良が加えられています。もっとも重要なイノベーションとしては、LDPCエラー訂正、OFDM変調、およびダウンストリームで最大192 MHz、アップストリームで最大96 MHzというきわめて広いチャネル帯域幅があります。下の表に、主要なパラメータの一覧を示します。

ダウンストリーム ダウンストリーム アップストリーム アップストリーム
バージョン DOCSIS 3.0 DOCSIS 3.1 DOCSIS 3.0 DOCSIS 3.1
チャネル帯域幅 6 MHzまたは8 MHz 24 MHz~192 MHz 0.2 MHz~6.4 MHz 6.4 MHz~96 MHz
変調 シングルキャリア OFDM シングルキャリア OFDM
QAM次数 最大256 QAM 最大4096 QAM 最大64 QAM 最大4096 QAM
多元アクセス方式
TDMA
S-CDMA
OFDMA
FEC リード・ソロモン LDPC/BCH リード・ソロモン LDPC/BCH

さらに、DOCSIS 3.1では新しいダウンストリーム/アップストリーム周波数レンジが定められています。周波数レンジ全体の拡張は2段階で行われ、最初は1218 MHzまで、次に1794 MHzまで拡張されます。

これらの改良により、DOCSIS 3.1は、ダウンストリームで最大10 Gbit/s、アップストリームで最大1 Gbit/sの伝送レートを達成できます。

DOCSIS 3.1の最初のフィールドテストは2015年に実施されました。プロバイダーは2016年よりネットワークのDOCSIS 3.1への切り替えを始める予定です。移行期間中は、DOCSIS 3.0と3.1の混在動作が可能です。

テクノロジーの概要

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