NFC/RFIDの基本

近距離無線通信(NFC)は、少量の情報を最小限のセットアップ時間と消費電力で送信するのに最適な短距離無線インタフェースのテクノロジーです。NFCは一般的に数mm未満で使用されるため、簡潔で安全な電子機器間の双方向(ポイントツーポイント)インタフェースを実現できます。NFCアプリケーションには、非接触型決済、データ交換、無線LANのような複雑なテクノロジーのセットアップ簡素化が含まれます。

NFCは2つのループアンテナ間の誘導結合をベースにして、世界中で使用できる13.56 MHzのISMアンライセンスバンドで動作し、106 kbit/s、212 kbit/s、424 kbit/sのデータレートをサポートします。

NFCの通信プロトコルとデータ交換フォーマットは、以下のようにISO/IEC 18092に概説されている既存のRFID規格に基づいています。

  • ISO/IEC 14443AベースのNFC-A
  • ISO/IEC 14443BベースのNFC-B
  • FeliCa JIS X6319-4ベースのNFC-F

よって、NFCデバイスはISO 18000-3無線インタフェースに準拠した既存の13.56 MHzパッシブ型RFIDタグや非接触型スマートカードと互換性があります。

NFCのポイントツーポイント通信には、常にイニシエーターとターゲットが必要になります。2つの電源駆動式NFCデバイス間のアクティブ通信用に、イニシエーターとターゲットは交互に独自の電界を生成します。パッシブ通信モードではタグのようなパッシブターゲットが、イニシエーター(例:NFCリーダー)によって能動的に生成されたRF電界から動作パワーを受給します。このモードでは、NFCターゲットはバッテリーが不要なので、ステッカーのような非常に簡単な形状を取ることができます。

NFC対応デバイスは、3種類の動作モードをサポートします。

リーダー/ライター:ISO 14443規格およびFeliCa規格に準拠。NFCデバイスは、スマートポスター、ステッカー、リモコンなどに内蔵されたタグ(電源不要のNFCチップ)の読み込み機能を備えています。

ピアツーピア:ISO/IEC 18092規格に準拠。2つの電源内蔵型NFCデバイス間で、仮想名刺やデジタル写真などのデータを交換したり、無線LANリンクのセットアップパラメータを共有したりできます。

カードエミュレーション:保存データをNFCリーダーで読み込むことができ、既存のインフラ内で非接触型の決済や発券が可能になります。

使用できるNFC対応の携帯電話やタブレットの数が増加すると、市場で、モバイル決済、発券、スマートポスター、さらに、アクセス制御、データシェアリング、追加サービスなどのアプリケーションが成長します。

NFCデバイスは、相互運用性を確保するためにNFC Forumが公表している仕様に適合する必要があります。これらの仕様は、アクティブ・ポーリング・モードおよびパッシブ・リスニング・モードでのNFCデバイスの重要なRF測定を定義しています。この測定には、ポーリングコマンドとリスナーレスポンスを発生する信号発生器と、試験対象のNFCデバイスからの波形を測定するアナライザが必要です。さらに、被試験デバイスに対してイニシエーターとして動作するNFC基準ポーリングデバイスと、ターゲットとして動作するNFC基準リスニングデバイスも必要です。

NFCテストエンジニアのニーズに対応するために、ローデ・シュワルツは、NFCアナログ規格に準拠した、高速で使いやすい正確なテストソリューションを提供しています。

テクノロジーの概要

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