R&S®RTM3000/R&S®RTA4000 オシロスコープを用いたパワーインテグリティー測定

より正確なパワーレール測定の実行

R&S®RT-ZP10 10:1、500 MHzパッシブプローブを使用して1.5 Vのパワーレールを測定した結果(50 mV(Vpp)。ノイズによって信号の細部がマスクされています)。
R&S®RT-ZP10 10:1、500 MHzパッシブプローブを使用して1.5 Vのパワーレールを測定した結果(50 mV(Vpp)。ノイズによって信号の細部がマスクされています)。

課題

電圧が非常に小さく、許容値がますます厳しくなっている状況で、オシロスコープによるパワーレールのノイズやリップル測定は困難な測定です。標準的な500 MHzパッシブプローブ(減衰比10:1)を使用すると測定ノイズが追加され、過剰なピーク・ツー・ピーク電圧が生じて信号の細部がマスクされます(下図参照)。

R&S®RT-ZP1x 1:1、38 MHzパッシブプローブを使用して1.5 Vのパワーレールを測定した結果(31.8 mV(Vpp))。帯域幅の制限により、高周波トランジェントを確認することができなくなります。
R&S®RT-ZP1x 1:1、38 MHzパッシブプローブを使用して1.5 Vのパワーレールを測定した結果(31.8 mV(Vpp))。帯域幅の制限により、高周波トランジェントを確認することができなくなります。

減衰比が1:1のパッシブプローブの場合は、ノイズは低減しますが、帯域幅が約35 MHzに制限されます。これにより、パワーレールに乗っている高周波成分が見落とされ、ピーク・ツー・ピーク電圧が低めに測定される可能性があります。

ソリューション

こういった課題を解決するために、低ノイズオシロスコープとパワーレール・プローブを組み合わせて独自開発されたパワーレール測定用システムが、より正確な測定を実現します。R&S®RT-ZPR20 アクティブプローブ(減衰比1:1)はノイズが極めて小さく、十分な帯域幅を備えているので重要な信号成分が減衰しません。

R&S®RTA4000またはR&S®RTM3000 オシロスコープとR&S®RT-ZPR20 パワーレール・プローブを一緒に使用すると、以下のような利点があります。

  • プローブの1:1という減衰比によりノイズが最小限に抑えられ、500 μV1 GHz帯域幅、10 mV/div)未満のシステムノイズを実現できます。
  • ±60 Vの内部オフセットにより、ユーザーがオシロスコープ内部オフセット量を考慮しなくても、さまざまなDCレール電圧標準に焦点を合わせることが可能 オフセットによってAC結合やDCブロッキングキャパシタが不要になるため、真のDC値とドリフトを悪影響なしに表示可能
  • 高周波トランジェント信号と結合信号を分離。プローブの仕様帯域幅は2 GHzです。®RTA4000またはR&S®RTM3000と一緒に使用した場合は、全体の帯域幅はオシロスコープ帯域幅によって決まります。
  • 50 kΩのDC入力インピーダンスにより負荷が最小になるので、正確なDC値を維持
  • 16ビットの内蔵プローブメータにより、各パワーレールのDC値を同時に5桁で測定

パワー・インテグリティー・パッケージには、R&S®RTA4004 200 MHz 4チャネルオシロスコープ、パワーレール・プローブ×1、スペクトラム解析/スペクトログラムオプションが含まれています。これをバンドルとして安価に購入できます。帯域幅アップグレード、追加プローブ、オプションを個別に追加するこも可能です。

R&S®RT-ZPR20 1:1 アクティブプローブを使用して1.5 Vのパワーレールを測定した結果(-38.3 mV(Vpp))。捕捉波形には、レールに乗っている高周波トランジェントが含まれています。
R&S®RT-ZPR20 1:1 アクティブプローブを使用して1.5 Vのパワーレールを測定した結果(-38.3 mV(Vpp))。捕捉波形には、レールに乗っている高周波トランジェントが含まれています。
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R&S®RT-ZPR20 パワーレール・プローブ
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