最先端を進むドイツのエンジニアリング

R&Sストーリー

最先端を進むドイツのエンジニアリング

ローデ・シュワルツの取り組みが技術的主権とデジタル主権の決定的要素となる理由

マガジン概要に戻る
Updated on 12月 06, 2024 🛈
Originally published on 8月 01, 2023

デジタルリソースは、今や安全保障と国際競争力にとって極めて重要です。世界中の企業、組織、政府は、自らの技術的主権とデジタル主権をめぐる緊急の問題に直面しています。ローデ・シュワルツのテクノロジーグループは、電子計測からネットワークおよびサイバーセキュリティーソリューション、航空宇宙、防衛、セキュリティー産業におけるシステムビジネスまで、その製品ライン全体にわたってこれらの問題の解決策を提供します。

定義:技術的主権とは

「ドイツ連邦教育研究省は、技術的主権を『重要なテクノロジーとテクノロジーベースのイノベーションの開発において連携的役割を果たす志と能力』と定義しています。この能力には、自らの価値観に基づいてテクノロジー、製品、サービスの要件を策定する能力、これらの要件を達成するために重要なテクノロジーを開発、強化、製品化する能力、世界市場に向けた標準策定に参加する能力が含まれます。」

ドイツ連邦教育研究省、2021年

定義:デジタル主権とは

「デジタル主権とは、個人および組織が安全かつ自ら決定した方法でデジタル世界で自身の役割を自主的に果たす能力と機会です。必要な機能と信頼性を備えた最新の情報テクノロジーによって、関連データの処理能力を確保する必要があります。」

ドイツ連邦政府情報テクノロジー長官、2023年

自動運転、スマートネットワーク交通、またはインダストリー4.0

デジタルテクノロジーは、私たちの生活を変えています。スマートホーム、スマートシティ、電子決済、eモビリティなど、生活環境のデジタル化はますます進み、ほぼすべての分野で電子デバイスが必要です。今後、5G無線通信はスマートネットワーク交通インフラにおける自動運転やインダストリー4.0に不可欠な存在となります。さらに、6Gをめぐる競争もすでに始まっています。

高性能電子機器はこれらすべての技術的進歩の前提条件であり、バックボーンですらあります。ローデ・シュワルツはこれら電子製品の開発で重要な役割を果たしています。当社の電子計測器は無線通信エコシステム全体で使用されており、自動運転を実動させ、スマートな産業システムを実現しています。

ローデ・シュワルツ、電子計測担当エグゼクティブバイスプレジデント、Andreas Pauly
"

ローデ・シュワルツの電子計測器は、全世界のお客様の技術的主権の維持を実現します。

"

ローデ・シュワルツ、社長兼CTO、Andreas Pauly

重要なテクノロジーの開発歩調に世界的に対応

電子製品とデジタルインフラへの接続性、機能、エネルギー効率に関する要件は常に増加しています。その結果、あらゆる業界で、統合基板アーキテクチャーやインテリジェントソフトウェアの設計、開発などの際、開発者の直面する課題はますます複雑化しています。

これらすべての分野の一般的な基盤は、マイクロエレクトロニクスです。高度にデジタル化された世界では、他の重要なテクノロジーとは異なり、マイクロエレクトロニクスこそが技術的進歩のペースを決定します。そのため、マイクロエレクトロニクスの開発が正常に行われ、他の標準に従うのではなく自らの標準を設定することが、世界の企業や行政機関にとって非常に重要です。第2世代の量子テクノロジーである量子コンピューティングと量子通信も同様です。重要なテクノロジーの開発に国際的に歩調を合わせるには、研究開発と製造の両工程で信頼性の高い電子計測ソリューションが必要です。

IPCEI - Important Projects of Common European Interest

IPCEI

The Federal Ministry of Economic Affairs and Climate Action (BMWK) supports Important Projects of Common European Interest (IPCEI) in the fields of microelectronics and communication technologies. The funding supports developments of future-oriented, innovative microelectronics and communication technologies up to market maturity. The developments are intended to complete the European value chain and thus contribute to European technological sovereignty. Energy-efficient technologies and processes advance climate protection.

自動運転、スマートネットワーク交通、またはインダストリー4.0

デジタルテクノロジーは、私たちの生活を変えています。スマートホーム、スマートシティ、電子決済、eモビリティなど、生活環境のデジタル化はますます進み、ほぼすべての分野で電子デバイスが必要です。今後、5G無線通信はスマートネットワーク交通インフラにおける自動運転やインダストリー4.0に不可欠な存在となります。さらに、6Gをめぐる競争もすでに始まっています。

高性能電子機器はこれらすべての技術的進歩の前提条件であり、バックボーンですらあります。ローデ・シュワルツはこれら電子製品の開発で重要な役割を果たしています。当社の電子計測器は無線通信エコシステム全体で使用されており、自動運転を実動させ、スマートな産業システムを実現しています。

個別化医療

個別化医療:すべての患者が標準治療に同じように反応するとは限りません。個別化医療は新たな希望です。とはいえ、個別の患者にとって最適な治療をタイムリーに見つけ出すには、極めて複雑な最適化問題を解決する必要があります。この問題を解決するには従来のコンピューターでは不十分ですが、量子コンピューティングであれば解決できる可能性があり、世界各地で研究が進んでいます。

信頼性の高いセキュアなデジタルエコシステムがかつてないほど重要に

量子コンピューターの運用と保守には、RF信号を極めて高い精度で生成、測定できるさまざまな専用の電子計測ソリューションが必要です。量子コンピューターの制御システムは、ローデ・シュワルツの子会社であるZurich Instrumentsの製品ラインナップの一部です。

デジタルトランスフォーメーションの成功は、使用される情報/通信システムのセキュリティーにかかっています。特に、政治経済情勢が不安定なこの時代では、信頼性の高いセキュアなデジタルエコシステムがかつてないほど重要です。日々のデジタル活動だけでなく、重要なインフラとデータを不正アクセスや改ざんから守ることが、このエコシステムの目的です。

LANCOM Systems、ネットワーク/サイバーセキュリティー担当エグゼクティブバイスプレジデント、Ralf Koenzen
"

将来性のあるネットワーク/セキュリティーソリューションを製造するヨーロッパ最先端のメーカーとして、当社は企業や行政機関によるデジタル主権確立を実現します。

"

LANCOM Systems、ネットワーク/サイバーセキュリティー担当エグゼクティブバイスプレジデント、Ralf Koenzen

小売業界、公共部門、エネルギー業界

小売業界の場合、スーパーでスマートウォッチによる決済ができるようにするには、フェールセーフのITインフラが必要です。公共部門では、ビジネス情報やソーシャル情報、刑事訴訟手続きの詳細といった機密データをデジタル化したり、デジタル領域でこうした情報を保護したりするには、ネットワークテクノロジーとITインフラが不可欠です。もう一つの適切な例がエネルギー業界です。この業界では、デジタルテクノロジーによって、発電と送電の効率が継続的に向上しています。

インテリジェントなエネルギー供給

インテリジェントなエネルギー供給:電気、水道、医療、金融などの重要インフラは、その社会的重要性から特に包括的なセキュリティーガイドラインの対象となります。

国家安全保障に特別な意味を持つデジタル主権

特別なセキュリティーニーズと認証要件を課せられている企業や組織がレジリエンスを強化するには、信頼できるネットワーク/セキュリティーソリューションが不可欠です。ローデ・シュワルツの子会社であるLANCOM Systemsは、こうしたソリューションを提供しています。同社のルーター、ゲートウェイ、アクセスポイント、スイッチ、ファイアウォールは、シークレット盗聴のインタフェースであるバックドアとは無縁です。LANCOMの製品とソリューションはドイツおよびヨーロッパのその他の地域で開発、製造されており、一般データ保護規則(GDPR)のもと、厳格な要件が課せられています。クラウド管理もドイツで行われています。

今日、デジタル主権は国家安全保障に特別な意味を持ちます。テクノロジー主導の世界は、行政機関、国防組織、重要インフラ事業者だけでなく、航空宇宙/防衛業界の最先端企業にも、新しいチャンスとともに新しい課題をもたらしています。ローデ・シュワルツは、これらの課題に具体的に対応するために、通信、偵察、セキュリティーソリューションから成る包括的なポートフォリオを提供しています。

セキュリティー通信

セキュリティー通信:現在の国防組織が実施するネットワーク中心の作戦には、セキュリティー通信のために高性能のデジタル無線システムが必要です。スペクトラム主権には、通信やレーダー信号といった、電磁波スペクトラム内のすべてのアクティビティを検出して解釈する能力が含まれます。

個別のチップから統合システムまで

ローデ・シュワルツは長期にわたって研究開発に多額の投資を行い、民間企業だけでなく行政機関にも革新的な製品を継続的に提供してきました。半製品を含む高度な垂直統合により、当社は条件や要件の変更に迅速かつ柔軟に対応することができます。製造工程はすべて社内で行われるため、最高の品質基準とセキュリティー標準を満たすことができます。個別のチップから統合システムに至るまで、ローデ・シュワルツはお客様が必要とするものをワンストップで提供します。

その他の記事

6G:ビジョンか現実か。

R&Sストーリー

6G:第六感の働きがアイデアを現実にする

無線通信の未来がすでに始まっている理由

記事全文を読む
量子時代のセキュアな暗号化

テクノロジーの実用化

量子時代のセキュアな暗号化

量子鍵配送(QKD)とポスト量子暗号(PQC)は、量子コンピューターによる解読に耐えることを目指しています。

記事全文を読む
極寒の北極圏。過酷な環境で真価を発揮!

R&Sストーリー

EMC

極寒の北極圏。過酷な環境で真価を発揮!

ローデ・シュワルツの環境テストラボは、過酷な環境における製品機能を検証しています。

記事全文を読む