Bluetooth®位置決めおよび距離測定

Bluetooth®位置決めおよび距離測定

方向探知と高精度距離測定(HADM)

Bluetooth®位置情報サービス

スマートフォン、自動車、ウェアラブルデバイスなどの今日の電子機器では、位置情報に基づいたサービスやアプリケーションが広く利用されるようになっています。人工衛星(GNSS)やセルラーネットワークでは、十分なカバレッジや精度が得られず目的を果たせない場合があります。屋内アプリケーションの場合は特にそうです。そのため、屋内環境での近接、高精度測距、トラッキング、およびナビゲーション機能をサポートする場合は、Wi-Fi、UWB、Bluetooth®などの短距離テクノロジーを使用するのが一般的です。

今日のBluetooth®位置情報サービスアプリケーションは、リンク可用性と経路損失予測に基づいて近接機能と測距機能を提供しています。また、到来角(AoA)および発射角(AoD)予測による方向探知にも対応しています。現在発展中のBluetooth® LEでは、Bluetooth®チャネルサウンディングという位相測距テクノロジーを導入して高精度測距をサポートすることで、これらの機能のさらなる強化が行われる見込みです。

Bluetooth®位置情報サービスを利用するよく知られたアプリケーションを以下に示します。

  • 資産トラッキング
  • 近接検出
  • 接触者追跡
  • セキュアアクセスアプリケーション

Bluetooth® Low Energyの近接および追跡サービス

Bluetooth® Low Energyの近接および追跡サービスでは、リンクステータス経路損失予測を用いて、近くにあるピアデバイスを識別し、ピアデバイスまでの距離を特定します。これには、受信信号強度インジケーター(RSSI)が用いられ、受信側での信号強度を反映してデバイス間の距離を予測します。

ただし、RSSIベースの測距方法では、不確実さが大きく精度に限界があります。これは、実際の無線チャネルの動作に依存しているためです。また、RSSIベースの測距が比較的容易に操作される可能性があることも確認済みです。これは、特にデジタルキーなどのセキュリティーアプリケーションでは、リスクにつながる可能性があります。Bluetooth® Special Interest Group(SIG)では、こうした限界を認識して、セキュリティー機能を組み込んだ高精度距離測定(HADM)を導入するためのテクノロジー開発に積極的に取り組んでいます。

Bluetooth®位置決めおよび方向探知

Bluetooth® LE方向探知(DF)機能は、Bluetooth®位置決めサービスの機能を強化するため、Bluetooth® 5.1で定義されました。この機能は、Bluetooth®信号の方向を特定する次の2つの方式をサポートしています。

  • 到来角(AoA)予測:シングルアンテナを使用するBluetooth®トランスミッターから、特殊な方向探知信号を送信します。アンテナアレイを備えた受信側のピアデバイスは、位相差を測定して相対的な信号方向を予測します。この方法は、資産トラッキングで一般的に使用されています。
  • 発射角(AoA)予測:静止しているBluetooth®トランスミッターから、切り替え可能なアンテナアレイを使用して方向探知対応パケットを送信します。シングルアンテナを備えた受信側のデバイスは、信号を捕捉し、位相差を測定して相対的な信号方向を予測します。この方法は、動的シナリオでの正確な方向探知が必要なアプリケーションに適しています。

方向探知のAoA/AoDの予測値の精度は、以下に大きく左右されます。

  • アンテナ数
  • 安定した送信パワー
  • 低周波オフセット
  • DF信号(LE 1MまたはLE 2M)の送信側デバイスのドリフト
  • 受信信号からI/Qデータを正確にサンプリングする受信側デバイスの能力

信頼性の高い性能を確保するため、Bluetooth® SIGは異なるセットアップを用いたさまざまなテストケースの仕様化を行っています。R&S®CMW 無線通信テストプラットフォームは、自動テストソリューションでこれらのテストケースをサポートしています。

Bluetooth®チャネルサウンディングによるHADM

Bluetooth®チャネルサウンディングは位相ベースの測距(PBR)を用いて、2つのBluetooth® LEデバイス間でのHADMを可能にし、異なるチャネルの受信無線信号と送信無線信号間の位相シフトを使用します。周波数が異なる2つ以上の信号を使用することで、これらの信号間で測定された位相差から、距離を正確に予測することができます。

  • 一方のデバイスは、イニシエーターとして機能し、Constant Tone Extension(CTE)を含むパケットを送信します。
  • もう一方のデバイスは、リフレクターとして機能し、最初のデバイスに応答して、受信した信号と同一位相のパケットを送り返します。

このプロセスにより、Bluetooth®デバイス間の正確で信頼性の高い距離予測が可能になります。一般的なHADMアプリケーションとしては、キーレスエントリーシステム、屋内ナビゲーション、資産トラッキングなどがあり、この他にも新しいユースケースの登場が見込まれています。

Bluetoothチャネルサウンディングの仕組み
Bluetooth®チャネルサウンディングの仕組み

Bluetooth® SIGでは、チャネルサウンディング信号の高精度な測定と安定した周波数および位相生成に重点を置いて、テストケースの仕様化に積極的に取り組んでいます。複数のアンテナ領域が使用される場合、これらのテストケースではアンテナスイッチングインテグリティーにも対応します。デバイス設計の位相差および時間遅延測定への影響の大きさを考慮すると、AoA、AoD、Bluetooth®チャネルサウンディングをテストする際には、Over-The-Air(OTA)測定を行うのがベストです。

Bluetooth®チャネルサウンディングおよび方向探知のテストソリューション

ローデ・シュワルツの電子計測ソリューションは、最新のBluetooth®コア仕様に沿ってBluetooth® BR/EDR/LEを包括的にサポートしています。注目すべき製品はR&S®CMW 無線通信テストプラットフォームで、Bluetooth®チャネルサウンディングと方向探知の自動テスト をサポートしています。この製品は、Bluetooth® SIGがこれらの機能に関して仕様化したテストケースに準拠しており、他の製品にはない独自のソリューションとなっています。また、このテストプラットフォームは、OTAセットアップでBluetooth® LEデバイスのDTMライクなテストを行うための無線内テスト制御にも対応しており、テストプロセスを簡素化することができます。

Bluetooth®テスト機能は、信号発生器やシグナル・アナライザなどのローデ・シュワルツのすべての主要なテスト測定器に組み込まれています。これらの測定器は、Bluetooth®だけでなく、その他のセルラー/非セルラー規格もサポートしているため、1台の測定器で幅広いテスト機能に対応できます。

Bluetooth®の個別のテストケースについては、弊社のエキスパートがご質問にお答えいたします。お気軽にお問い合わせください。

R&S®CMWとR&S®CMWrunを用いた、Bluetooth® Low Energyチャネルサウンディング物理層検証用セットアップ
R&S®CMWとR&S®CMWrunを用いた、Bluetooth® Low Energyチャネルサウンディング物理層検証用セットアップ

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ウェビナー:Bluetooth® Low Energy(LE)のすべて

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