オシロスコープ本体のスペック以上に気をつけなくてはならないこと
終章:プローブの正しい選び方
オシロスコープで波形を見る際、オシロスコープ本体のスペック以上に気をつけなくてはならないのが、プローブの適切な選択です。プローブは測定ポイントに直に接触する部分であるため、その選択や使用法を誤ると、思わぬ測定結果となる場合があります。
例えば、図1に同じ周波数のパルス波を適切なプローブチップを装着したアクティブ・プローブと、標準クリップを装着したパッシブ・プローブの双方で観察した結果を示します。
この結果から明らかなように、パッシブ・プローブの測定結果では、矩形波に大きなリンギングが観測されるのに対して、アクティブ・プローブでは矩形波のリンギングが大幅に抑えられています。これは、一般的なパッシブ・プローブの周波数帯域が500 MHz程度なのに対し、アクティブ・プローブは数GHz~数十GHzの周波数帯域を持っており、アクティブ・プローブの方が測定信号の持つ高周波の成分も考慮して測定できているためです。このように測定環境に対して適切なプローブを選択することは、正確な測定結果を得る上で大変重要なのです。