3章:真犯人と実行犯の接点の洗い出し(大きい近磁界プローブを用いた測定)

実行犯の容疑者候補(受話器とのケーブルと青のLANケーブル)が特定されたので、次に真犯人となりそうな素子たちとの接点を探るべく、大きいループ・アンテナを備えたローデ・シュワルツの近磁界プローブRS H 400-1を用いて、本体メイン・ボード上のノイズを測定した結果をまとめます。

大きい近磁界プローブを用いた測定結果

DC-DCコンバータ

DC-DCコンバータ

375 MHzでのスプリアスと250 MHzでの広域ノイズを観測

375 MHzでのスプリアスと250 MHzでの広域ノイズを観測

プロセッサ付近

プロセッサ付近

125 MHzの高調波が確認され、特に375 MHzでのレベルが高く(75 μV)、遠方界でのノイズ発生源である可能性が高い

125 MHzの高調波が確認され、特に375 MHzでのレベルが高く(75 μV)、遠方界でのノイズ発生源である可能性が高い

ギガビット・イーサネット物理層

ギガビット・イーサネット物理層

プロセッサよりもレベルが低い(約58 μV)が、物理層はLANインタフェースを直接駆動しているため結合機構の可能性あり

プロセッサよりもレベルが低い(約58 μV)が、物理層はLANインタフェースを直接駆動しているため結合機構の可能性あり

メモリチップ

メモリチップ

他のどの測定よりも、スプリアス・レベルが低い信号しか観測されず問題なし

他のどの測定よりも、スプリアス・レベルが低い信号しか観測されず問題なし

これらの結果から、メモリチップは捜査線上から外れます。DC-DCコンバータは電源からSPIインタフェースを駆動します。駆動したSPIインタフェースからは受話器に信号が伝えられます。またプロセッサやギガビット・イーサネット物理層は、LANケーブルを介して信号を送受信しています。事件の全体像、ならぬノイズ発生メカニズムの全体像が見えてきました。

次に、小さい近磁界プローブを用いて測定を行い真犯人を特定します。

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