車載用インフォテインメント機器のハンドオーバーテスト
今日のインフォテインメントユニットは、コネクテッドカーのコンセプトを真に体現するために、さまざまな機能を提供しています。
今日のインフォテインメントユニットは、コネクテッドカーのコンセプトを真に体現するために、さまざまな機能を提供しています。
車載インフォテインメント(IVI)システムの重要な要素の1つとして、2G、3G、4G、無線LAN経由でインターネットに接続する機能が挙げられます。これにより、ユーザーは、インターネットのブラウジングや、自動車のインフォテインメント機器上で動作するさまざまなウェブサイトやアプリからのストリーミングビデオやオーディオを楽しむことができます。
すべての通信規格は、自動車のヘッドユニットに収まる小さなモジュールに組み込まれています。これらのモジュールは、複数の規格の間の共存と相互運用性を保証するだけでなく、高速で移動しているという自動車の性質上、RAT(無線アクセステクノロジー)内およびRAT間のシームレスなハンドオーバーも処理できることが必要です。
RAT内のハンドオーバーとは、同じLTEまたは3Gネットワーク内でハンドオーバーが行われる場合を指します。ターゲットセルとソースセルは、どちらも同じネットワークに属しています。RAT間ハンドオーバーとは、LTEと3G/GSMなど、異なるネットワークの間で行われるハンドオーバーを指します。
受信信号レベルが特定のしきい値レベルを一定時間下回ると、ハンドオーバーが開始されます。自動車はセルの動作範囲の境界を超えながら移動しているので、これはきわめてありふれたシナリオです
。5Gの時代が近づくにつれて、スモールセルの普及が進み、セルの規模は縮小しています。自動車内の通信モジュールがシームレスなハンドオーバーを処理できるかどうかをテストするのはきわめて重要です。データやセルラー通信に中断が生じると、
ユーザー体感は悪化します。自動車の走行中にNetflixやYouTubeビデオストリームを見ていても、インフォテインメントデバイス上でバッファーなしで動作することが必要です。
ローデ・シュワルツでは、RAT内およびRAT間ハンドオーバーをテストするためのワンボックスソリューションとして、R&S®CMW500 ワイドバンド無線機テスタを提供しています。R&S®CMW500は、エンドツーエンドのリンクをシミュレートできるだけでなく、GSM、3G、4G通信規格の基地局としても動作します。同一シグナリングアプリケーション(例:LTEとLTE)または2つの異なるシグナリングアプリケーション(LTEと3GまたはGSM)の間のハンドオーバーをテストできます。
R&S®CMW500は、ブラインドハンドオーバーやリダイレクションといったハンドオーバーメカニズムをサポートします。ブラインドハンドオーバーの際には、R&S®CMW500は無線リソース制御(RRC)接続の再構成を開始します。再構成メッセージには、RAT内モビリティー制御情報が含まれます。このメカニズムは、シグナリングアプリケーション内のハンドオーバーに用いられます。このモードでは、運用バンドとチャネルを変更できますが、セル帯域幅は変更できません。
リダイレクションの場合、R&S®CMW500はリダイレクション情報を指定してRRC接続を開始します。このメカニズムは、シグナリングアプリケーション内のハンドオーバーと、別のシグナリングアプリケーションまたは別の機器へのハンドオーバーに使用できます。シグナリングアプリケーション内のハンドオーバーの場合、運用バンド、チャネル、セル帯域幅を変更できます。変更したパラメータを使用して、新しい接続が確立されます。
最後に、R&S®CMW500を使用してセル再選択テストを行うことで、4Gネットワークの強度がパワーレベルの許容範囲を下回ったときに、ユーザー機器(UE)が3Gネットワークに自動的に登録できるかどうかを判定できます。
ハンドオーバーテストのためのR&S®CMW500の設定。
ブラインドハンドオーバーのトレーシングステップ。
ターゲットセルのテスト。
リダイレクションのトレーシングステップ。