さまざまな分野での活躍
イノベーションが企業の成功の鍵である理由は、新しいアイデアを受け入れ、継続的に開発を行い、停滞しないことが長期的成功にとって不可欠だからです。難しいのは、この精神を実際に企業の実践の隅々にまで浸透させることです。究極的には、イノベーションは単に対応するプロセスの実現に基づくものではありません。重要なのは、イノベーション思考が企業のカルチャーの中心に存在することです。ローデ・シュワルツではそれはどのように行われているのでしょうか。ミュンヘンにあるInno LabのディレクターであるSherif Ahmed博士にインタビューしました。
Ahmed博士は、Inno FunnelからInno Labまでのローデ・シュワルツのすべての新規イノベーションユニットの創設に関わっておられますね。これらのさまざまなユニットはどのように連携しているのですか？
Inno Funnelは、製品やビジネスに関する従業員のアイデアが最初に流れ込む入口のようなものです。入口から入ったアイデアに対して、評価とInno Boardへのプレゼンテーションに関する強力な支援がInno Hubから提供されます。Inno Boardがアイデアの検討を続けると決定した場合、それに関するビジネスケースが作成され、可能性と必要なコストが判定されます。説得力のあるビジネスケースに対しては、Inno Labが「概念実証」を準備します。このプロセスでは、「ラピッドプロトタイプ」を使用して、アイデアが実現可能で、成功するかどうかがテストされます。これらすべての指標がアイデアの有望性を示唆している場合、収集されたノウハウが、新製品開発のために関連する部門に提供されます。
ローデ・シュワルツでイノベーションをさらに強力に推進するための新しい取り組みを始めることに何か困難はありましたか？
あったとも言えるし、なかったとも言えます。ローデ・シュワルツには、ダイナミックなイノベーションの動きを支えるインフラが長年にわたって存在しています。また、従業員のアイデアやイノベーションを扱う優れたプログラムも昔から実施されてきました。最も難しかったのは、そのプロセスを会社全体に組み込むことです。そこで、ローデ・シュワルツの既存のインフラと専門知識をさらに活用する手段として、Inno Funnelを利用しようと思ったのです。
それはどのように行われるのですか？
Inno Funnelを、資金供給オプションの提供と対応するマンパワーの提供の両方の手段として利用することによってです。これにより、優れたアイデアをテストして、うまく行けば実際に実現することができます。
そのマンパワーとは具体的にはどういうものですか？
第1にInno Funnelの専任従業員であり、第2にアイデアごとに結成される個別のプロジェクトチームです。このプロセスには、特定のプロジェクトに適した従業員の選択が含まれます。一方で、大学や研究機関といった外部のパートナーが関与する場合もあります。基本的に、固定された手法は存在しません。具体的に必要なサポートはケースことに異なるからです。
ということは、ローデ・シュワルツの従業員であれば、自分の部署以外のイノベーションプロジェクトにも協力するチャンスがあるということですか？
そうです。当社のインフラにはそのような柔軟性があります。その結果として、もう1つの大きな利点も得られます。それは、従業員が非常に広い範囲の分野に関する経験を積み、枠を超える思考を体験し、膨大な新しい知識を身に付けて、別人のようになってチームに戻れることです。さらにおまけとして、従業員はネットワークを拡大することもできます。そして、そのようなネットワークこそが私たちの仕事を根底で支えているのです。
Inno Labのディレクターの仕事で特にモチベーションとなるのは何ですか？
ローデ・シュワルツのオープンなカルチャーです。われわれは柔軟であり、新しいアイデアや改善を歓迎し、新しいことを学ぶのが好きです。さらに、ローデ・シュワルツは本当の最先端です。他に類のない製品を世界に届けるための魅力的なテクノロジーが開発されている場所、それがローデ・シュワルツなのです。
