press title

ローデ・シュワルツが自社の生産工場にローカル5Gネットワークを設置。そのテストでインダストリー4.0 対応ユースケースの探求へ

ローデ・シュワルツはインダストリー4.0の可能性とメリットの活用を図るため、ドイツ・タイスナッハの 自社工場に5Gキャンパス・ネットワークを設置しました。Nokia社のDigital Automation Cloud(DAC)をベー スに、産業レベルのプライベートなローカル5Gネットワーク用インフラを整えました。この5Gキャンパス・ ネットワークのテストには、Nokia社も加わり、ローデ・シュワルツのネットワーク試験機器を用いて動作と性能の最適化を行います。同プロジェクト実施の背景には、自社工場でプライベートなローカル5Gネット ワークを運用することで、どのように導入や展開を最適化できるか、その経験と有用な知見を獲得したいと いう狙いがあります。

QualiPoc Android image
ローデ・シュワルツは、QualiPoc Androidをはじめとする、ローカル5Gの最適化に貢献できるテストソリューションを提供

5Gがもつ能力・応答性・柔軟性は、スマート工場のプライベート・ワイヤレス・ネットワークを含め、リアルタイム性を求める様々な新しいユースケースを可能にします。ただし5Gの活用には、通信カバレッジや遅延性、信頼性などに高い要求が課され、その展開にあたって、ネットワーク・プランナーやネットワーク事業者は難しい課題に直面する可能性があります。ローデ・シュワルツはインダストリー4.0対応ユースケースに取り組むためのワイヤレスネットワーク試験ソリューションを幅広くラインナップしているうえ、スマート工場の発展に備える観点から、自らのキャンパス・ネットワーク構築に踏み切りました。これにより、ローデ・シュワルツは生産プロセスの最適化だけでなく、自社のネットワーク試験ソリューションを直接検証できるようになります。

2020年7月から、Nokia社のフレキシブルで拡張性のあるDACソリューションをもとに、プライベートなローカル5G NSA(ノンスタンドアローン型)ワイヤレスネットワークを、ドイツにあるローデ・シュワルツの生産拠点の1つに導入しています。このネットワークには周波数帯n78を利用したNSAモードで5G gNodeBを組み入れ、周波数帯40をアンカーバンドとするLTEで補完しています。約1,500m2の領域をカバーする屋内用ネットワークです。これに対しNokia社とローデ・シュワルツは、当社のモバイルネットワーク試験向けソリューションを用いて、高性能なネットワーク品質の確保を目的とした現地受入試験と通信カバレッジ試験に取り組んでいます。その使用機器は、R&S FPHハンドヘルド・スペクトラム・アナライザ、R&S TSMx6モバイル・ネットワーク・スキャナ、スマートフォン・ベースのQualiPoc Androidネットワーク・オプティマイザ、R&S 5G STSサイト・テスト・ソリューションなどです。

この5Gキャンパス・ネットワークをタイスナッハ工場へ設置したのち、ローデ・シュワルツでは、その実際の工場環境における5Gの通信カバレッジや容量、設定パラメータなどの試験に対する有用な知見の獲得を図っています。この試験的プロジェクトで得られた知見は、ローデ・シュワルツの試験機器製品の改良や、お客様によるキャンパス・ネットワークの導入と最適化を支援するために活用していきます。さらにローデ・シュワルツは、無人搬送車(AGV)や最新ロボット技術など、インダストリー4.0指向の機能への道を拓くことで、将来の自社の生産設備の準備も進めています。

どのように試験すればスマート工場が実現するのか
5Gでは、より高速で安全な運用が見込めるのに加え、産業プロセスにおける新たな能力の発見や効率向上にもつながります。しかし一方で、ネットワークにはある程度複雑で高い性能が要求されることにもなります。特にインダストリー4.0対応アプリケーションでは、遅延性や信頼性、セキュリティの面で通信技術に特別な要請がともないます。

そのため、スマート工場において、極めて信頼性の高いワイヤレス接続性を維持するには、次のような試験フェーズに対応することが非常に重要です。工場内でクリーンなRF環境を実現するための導入準備とスペクトラム・クリアランスの確保、ネットワーク・インフラの適切な設置を評価する現地受入試験、さらにはカバレッジと実性能の試験です。これに加えて、24時間リアルタイムに稼働状態の品質をモニタリングすることや、規制遵守のための試験も推奨されます。ローデ・シュワルツでは、モバイルネットワーク試験製品として、こうした試験フェーズにそれぞれに必要なツールをご用意しています。スマート工場の準備・導入・運用に向けて、高精度で有意着な試験を行うことで、より迅速な展開とネットワーク・リソースの有効利用1/2に加え、危機的な状況に陥る前に問題を発見することも可能になります。

ローデ・シュワルツのスマート工場向け試験ソリューションについて、詳しくはhttps://www.rohde-schwarz.com/mnt/smart-factoryをご覧ください。

すべてのプレスリリースは、画像のダウンロードを含め、http://www.press.rohde-schwarz.com からインターネットでご提供しています。

モバイルネットワークの試験について

ローデ・シュワルツは、モバイルネットワーク品質の試験とその改善に向けたスタンドアローン製品や統合型ソリューション、管理サービスで世界をリードするサプライヤです。研究室での検証から、スペクトラム・クリアランス、現地受入れのための干渉波探索と基地局の設置、ベンチマーキング、最適化、トラブルシューティング、そしてモニタリングまで、ネットワークの全ライフサイクルに対応しています。総合的な製品ラインナップによって、2Gから5Gまで全ての技術をサポートするとともに、RFからユーザー体感品質(quality of experience:QoE)まであらゆる試験・計測シナリオの考慮も行っています。そうした革新的なソリューションによって、お客様が高精度にデータを収集して機械学習などを援用し、エンドユーザーへの高いQoE提供につながる理解を深めていただけるようにしています。ローデ・シュワルツのソリューションは、モバイルネットワーク業界の大手企業の皆様にも、自信をもってQoEを中心としたビジネス上の意思決定ができるようお力添えしています。また、より高い品質で優れたサービスをエンドユーザーに提供できるように、さらには新技術や新サービスを市場投入するまでの時間を短縮できるように、事業価値を高め保証できるように、と様々な判断を支えています。

Rohde & Schwarz について

ローデ・シュワルツは、試験・計測、放送・メディア、航空・宇宙、防衛、セキュリティ、ネットワークおよびサイバーセキュリティの各分野で高度なソリューションを提供するリーディング企業です。技術指向のグループとして、通信・情報・セキュリティ関連製品をもとに、産業界や行政機関のお客様がさらに安全に“つながる”社会を実現できるようご支援しています。2020年6月30日現在、ローデ・シュワルツでは全世界で約12,300名の従業員が活躍しています。2019/2020会計年度(昨年7月から本年6月まで)には独立した企業グループとして25.8億ユーロの売上を達成しました。ドイツ・ミュンヘンの本社を中心に、70カ国以上に子会社を配し、アジアと米国には地域拠点を置いています。

R&S ® は、Rohde & Schwarz GmbH & Co. KGの登録商標です。