常に前に進む
ただし、R&S Cloudの開発によって仕事が終わったわけではありません。クラウドテクノロジーの世界では、毎週のように新しいソリューションが生まれています。最新の開発に遅れないようにし、同僚に最高のサービスを提供するためには、デジタルプラットフォームの継続的な開発と改善が必要です。これには膨大な時間と知識が必要です。Josef Meierは、革新的と言われているツールを全部導入するつもりはありません。「私たちにとって重要なのは、全体的なアプローチです。つまり、新しいアプローチは十分に精選してから、同僚へのトレーニングを始めます」。Josef Meierとそのチームが新しいアイデアを見つける源泉となるのは、R&S Cloudのユーザーからのフィードバックと、ミートアップやブログでのプロアクティブなテクノロジースカウティングです。
成果としての最初の製品
「seed」戦略プログラムの下で開発された初めての市販のデジタル製品は、すでに発売されています。その1つであるR&S Cloud4Testingは、当社初のテスト/測定分野の「サービスとしてのソフトウェア」製品です。その基礎となるアイデアは、ローデ・シュワルツの計測/解析ソフトウェアへの従業員からのアクセスを容易にして、場所にかかわらず使用できるようにすることです。Josef Meierのクラウドサービスも、実装プロセスで重要な役割を果たします。製品責任者のSascha Laumannの言葉によれば、「R&S CloudはR&S Cloud4Testingの燃料です。これがなければ、この製品をお客様に届けることはできません」。ソフトウェア開発者も、デジタル製品/サービスの開発に関して「seed」によって実現される条件を歓迎しています。「seed」のおかげで、コミュニケーションの経路が短縮されました。例えば、R&S Cloudで何か問題が起きた場合、Josef Meierのチームの誰かにすぐ連絡を取って対応してもらえます」と語るのは、R&S Cloud4Testingのクラウド・ソリューション・アーキテクトであるMichael Huttererです。
コラボレーションの鍵となるオープン性
「seed」プログラムから得られたさまざまな情報や条件のほかに、もう1つ決定的に重要な要素があります。それは、従業員がコラボレーションの考え方を採用するにあたってのオープンさと意欲です。「皆でいっしょに取り組もうというローデ・シュワルツのこの姿勢は大好きです」と製品責任者のSascha Laumannは語ります。Josef Meierも、優れたアイデアを持っているローデ・シュワルツの従業員が、すぐに熱心な支持者を見つけられることを評価しています。なぜそのことが重要なのでしょうか。「大事なのは、サポートと、問題を徹底的に追求する自由があることです。私の見方では、文化が適切でない場合、イノベーションも起きないからです」と彼は語っています。結局のところ、すべてがつながっているのです。従業員への信頼、創造的であるために必要な自由、そして部門間のコラボレーションに対するオープンさです。その基盤の上で、新しい製品やサービスの開発が可能になります。それらすべては、助け合って働くことで未来を形作る意志を持った人々によってサポートされます。そこにサイロはもうありません。